漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0253

2020-07-09 19:55:10 | 古今和歌集

かみなづき しぐれもいまだ ふらなくに かねてうつろふ かむなびのもり

神無月 時雨もいまだ 降らなくに かねてうつろふ 神奈備の森

 

よみ人知らず

 

 十月の時雨もまだ降らないのに、それに先立って色変わりをしている神奈備の森よ。

 木々を色づかせるとされる十月(冬)の時雨もまだ降らないのに、それよりさきにもう色づき始めている森の様子を詠んでいます。「かねて」は「前もって」「あらかじめ」の意味の副詞。「神奈備の森」は神が降りる森の意味で、各地に存在します。いわば普通名詞で、特定の森を指してはいないようです。

 



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