田作れるところ
あらをたを かへすいまより ひとしれず おもひほにいでむ ことをこそおもへ
あらを田を かへすいまより 人しれず 思ひほに出でむ ことをこそ思へ
田を耕しているところ
農民が新しく開いた田を耕している今から、稲の穂が出て実るときのことを人知れず思っているように、私の人知れぬ思いもいつか外に現れてしまうだろうと思う。
初句「あらを田」は「新しい」「荒れた」の両説があります。第四句「穂に出づ」は文字通り穂が出て実る意に加え、それに準えて「表に現れ出る。人目につくようになる。」意で用いられます。