「想定外」・・・ 違うよ、考えられる危険を考えようとしていないだけだってば。
わからなくは無いけどねぇ・・・。
関東大震災のあった日。
これは、自戒の意味もあるのだけどね・・・。
防災の日、私の会社も例に漏れず、「防災訓練」をやっていた。
ただ、何故か「関東大震災の日」なのに、「火災避難訓練」しかやっていなかった。
火災が起きたら
・消防署に通報
・指定された避難場所に規律正しく避難・集合し点呼
・全員の無事を確認。
・負傷者が居たら救出。
・最後に消火器で火を消す「初期消火」の練習。
それが毎年のパターン。
全部「想定内」の動き。
ここで振り反ってみましょう。
1・消防署に119番通報できなかったら?
火災で電話回線が切れてしまっても、携帯電話があるから通報はできる。これは大丈夫。
2・避難場所に全員が避難できなかったら?
どうするの?(想定されていない)
3・全員の無事が確認できなかったら?
どうするの?(想定されていない)
4・負傷者が救出されない状況だったら?
どうするの?(想定されていない)
この2~3、先日の東日本大震災で、被害こそなかったものの想定されていない(軽視されている)事が完全に露呈してしまった(^^;)。
まず、避難場所に全員が速やかに揃えなかった。
避難場所は敷地の一箇所。
「外に逃げたほうが安全」となると、再度工場の中を通らないと避難場所に移動できないという部署があり、集合できなかったわけ。
避難場所に速やかに集合できない状況が生ずるのに、過去何十回も訓練しているのに、誰も真剣に考えようとしていなかったわけね(^^;)。
次ぎ、全員の無事が確認されなかった。
出張者が居たのだが、この人の上司も別の場所に出張していて、上司の無事は確認できたものの、この人自身の所在はその上司しか認識していなくて、「工場のどこかに閉じ込められているのでは・・・?」と騒ぎになってしまったわけ。
最後は、先程の所在不明者が「仮にレスキュー隊で救助を必要とされるような状況に工場内で陥っていたら、どうすべきか?」安全管理責任者間で話し合っていた様子が見られなかった事。
あの地震で、工場のトップ陣も右往左往していて、正しい判断がなかなか下せていなかったのね。
そうしてもう一つ安全上大きな問題が有った事が判明。
派遣社員・外部業者への避難指示がまるでできていなかったという事。
正社員は入社の際の教育と年一回この訓練をやってるから、避難場所は知っている。
しかし、派遣社員については、そのような教育は特に無い。
この訓練の日を経験している派遣社員ならまだしも、それ以外の派遣社員は避難先なんて知らなかったのね(^^;)
外部業者への避難指示も然り。
会社の指定している避難場所なんて、外部から納品・営業に来ている人達は知る術もない。
当日私は偶然接客中だったので、彼らを避難誘導できたので良かった。
しかし、機械の修理点検に来ているケースでは、その場を任せて席を外しているケースが多い。
会社通達は特に無いけれど、外部業者に作業を任せてお願いするケースでは、最初に「緊急の場合は、身の安全を確保して避難場所に逃げてください。」と逃げ方を案内するようにしている。
(というか、外部業者に対する安全避難誘導の教育が、会社から一般社員に展開されなくていいの?)
経営陣は「一流会社」を目指そうと考えているようだけど、こんな事ではいつまでたっても「三流会社」だね(苦笑)
ちょっと話が逸れたけど、私の会社ではこのような「想定外」が有りました。
でも、実際どこかで大きな震災を経験している人がアドバイザーになってこの「避難訓練」に参画していれば、このような「想定外」は「想定内」になっていたと思います。
また、別な話ですが・・・
私の父が、東海村に原発が出来た頃見学ツアーに行った事があるそうだ。
そして、原子炉建て屋を見せてもらった。
1m以上も厚さのある壁に守られて、原子炉が収められていたという。
「このようにしっかりしたつくりで守られているので、絶対に安全です」と説明を受けたのだそうだ。
「こちらは素人だから、専門家が安全と言うのなら、素直に信じちゃうよ。」と。
この段階で、専門外の人間は、危険の認識をなくしてしまうのでしょうね。
「本当に安全なの?」と疑わない。
今回の震災に限らず、我々自身「認識しようとしない想定外」を多々持っていると思います。
私はタンスの固定を以前から提唱していて、自分の部屋のタンスを固定していましたが、我が父は「そんな揺れは来ない」とたかをくくっていました。
父の部屋のタンスは倒れませんでしたが、今回の一件で父はタンスを固定しました。
私は可能性を心配していましたが、この日が来なければ、父はタンスを固定する気持ちを持つ事も無かったでしょうね。
下敷きにならずに済んだ、運の良い人間ですね(^^;)
コメント
- まめ八 [2011年9月2日 19:46]
- こんばんわ。
私も賛成!
震災直後には“想定外”の津波であった。。。と言い訳をしていた東電も、数年前に10m以上の津波に襲われる危険性がある、という事を予想していた事が判明しましたよね。どこまで嘘をつけば気が済むんですかねぇ~
それはいいとして、結局想定されていた事態に対して事前の対策が行われていなかった事が、今回の福島第一の事故を引き起こしてしまったわけです。
自然災害の予測値と防災施設の関係は、軍事費と同じで、常に予算(対費用効果)の事を考えなければなりませんから、完璧な物を100%揃えることは難しいのでしょうが、東電がこの予測を完全に無視していた事実から考えると、東電の幹部には完全に防災意識や危機管理能力が欠如していたのでしょうね。
予算に限度があるのは仕方がないことかもしれませんが、EP82-SW20さんの仰るようにお金がかからない部分での対策(特に防災意識や危機管理体制の構築)をやっておけば、福島第一の事故はこれ程まで大きくはなってなかったかも知れません。
やはり福島第一の事故は人災です。 - 宮ちゃんNO1 [2011年9月2日 19:53]
- こんばんは~ 宮ちゃんで~す!
昨日は防災の日・・・都内でも環七を封鎖して?
訓練したようで(笑)
でも・・・備え有れば・・・デスよ!
関係ない話ですが・・・自分の結婚記念日(爆)
この日も確か・・・地元で訓練が有って・・・
その後に式を挙げた記憶が(自爆) - ファシスト [2011年9月3日 20:00]
- こんばんは。
薬剤師は患者さんの不利益を避けるためにも仕事をしています。
医師の処方がこれで本当に良いのか、看護師の投与方法は間違ってないか、正しく薬が使われているかどうか、常に相手を疑ってかかる仕事です。
医師も看護師も患者もミスの仕方は千差万別、決まった対応の方法はないのが現状ですね。
薬を使うのは、災害を招き入れているようなものかもしれません。
災害もいつどのようにくるか分からない。
会社としては「間違った訓練をしない」が限界かもしれません。
実際には個々の判断と決断力だと思います。 - EP82-SW20 [2011年9月4日 19:01]
>まめ八さん、こんばんは。 コメントありがとうございますw
え~っ、東電、予測されていたのに故意に目をつぶっていたわけですか・・・(汗)
完全にこの放射能被害は人災ですね(--メ)
あの、この事故が起きてから出た話ですが、「全てのリスク管理を完全にすると、原発はあらゆる発電施設の中で、一番コストが高いものになる」と専門家がはじいていたらしいですよ。
「原発推進」で「利益を得よう」と企んだ人間達が、結局臭い物に蓋をして推進を進めた結果が、このザマ、なのだそうですよ(^^;)
仮にこれが「作り話」としても、納得できるシナリオですよね(汗)
>宮ちゃんNo.1さん、こんばんは。 コメントありがとうございますw
おお、そうでしたかw
そのくらいやる必要はあるでしょうね。
当日の「帰宅パニック」を考えれば、やって然るべきかと。
おお、結婚記念日おめでとうございますw
絶対忘れない日に挙げられたのですね(^^)よ。- EP82-SW20 [2011年9月4日 19:01]
>ファシストさん、こんばんは。 コメントありがとうございますw
投薬ミス、って大きな問題になりますよね。
やはり「どんな薬を投薬ミスしやすいか」というのを想定しておかないと、大変な事になるでしょうね(^^;)。
私の友人も病院の薬剤師が居ますが、やはり一番気を使う案件だと言っていました- けいづか木の子 [2011年10月5日 22:08]
- わが地域・・・
緊急避難場所がないことに気が付きました。
なんの被害があるんだ。
と一喝されましたが
たとえば熊の大群が村を襲うとか・・・
なにかあった時にはそこに行けばみんながいる
そんな場所は必要ですよね - EP82-SW20 [2011年10月9日 14:38]
>けいづか木の子さん、こんにちは。 コメントありがとうございますw
う~ん、例えば「集会所」とかが「避難所」に指定されていませんかね?
豪雨の土砂崩れが、今回の和歌山のケースで想定されそうな気がしますけど…(^^;)- けいづか木の子 [2011年10月18日 21:48]
- 村民は土砂崩れはない!!
と軽度してます。
が・・・この安易な自信が3.11も甚大な被害をもたらしたんですよね。
公民館が避難場所になってるようです。 - EP82-SW20 [2011年10月19日 19:58]
>けいづか木の子さん、こんばんは。 コメントありがとうございますw
紀伊半島もそう思っていた人が少なくなかったと思いますが…(^^;)
一般的に公民館や学校が避難所指定されていると思いますねw
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