力も技術もない小さな子供にとって、良型ニジマスを相手にした管釣りフライフィッシングで何が難しいかというと、キャスティングでもフッキングでもない。かかったマスとのやりとりである。
力のない子供が11フィートのツーハンドロッドを使うのであるから、ドラッグの動き出しがスムーズでなければ、簡単にロッドがのされてしまう。かといってドラッグを緩めておくと、フッキング直後にバックラッシュを起こすこともありうる。
そんな条件の中、娘が愛用しているのが国産NACのトラッド(左)とフライツァイト(右)である。どちらも#7-8サイズ。使用ラインはDT#5であるが、ロッドとのバランスを考えてこのサイズにしている。2台とも構造はまったく同じで、ディスクを両側から挟む力をノブで調整するようになっている。とーちゃんが使っているスミス・マリエットMRとは異なるドラグである。
これらNACのリールのドラッグの動き出しは非常に滑らかで、微調整もうまく行く。娘の場合、フッキングし、魚のファイト具合をみてからドラッグを調整することもしばしばだが、ロッドがのされたり無駄に走られるような事はほとんどなくなった。とーちゃんが見る感じ、娘は弱めにドラッグを調整し、フッキングしたらラインを挟んだ右手人差し指でラインの出をコントロールし、いったん魚の走りが止まったところでドラッグを少し締めてロッドを左手に持ち替えているようだ。
1台目のトラッドは、1年ほど使ったあたりで調子が悪くなったが、調べたところクリックのパーツ(三角形の物)が摩耗していただけであり、部品交換で回復した(約1千尾の使用)。