EMIRIO☆REPORT~雑貨ちょび読書たま~

☆日常生活を不定期レポするホニャララブログ☆

薄紅天女

2007-11-16 | 読書小屋
         「薄紅天女」 荻原規子著 徳間書店刊

週はじめに、「しゃべれども しゃべれども」をレンタルしに行ったんです。したら、この映画の原作者で、大好きな佐藤多佳子さんの本屋大賞受賞作(くどい?)「一瞬の風になれ1~3」がそれぞれ100円で売られていたっ!! あまりといえばあまりの安さにえみりおショーック!! 本屋で定価&Book Offで数ヶ月かけてやっと買い揃えた私はなんなんだ~。

で、同じ棚にあったのがこの「薄紅天女」。 以前から勾玉三部作として気にはなっていたのですが、先に読んだ「これは王国のかぎ」という彼女の作品がどうもピンとこなかったのと、なんとなーく「ガラスの仮面」の紅天女みたいなタイトルだなという先入観が邪魔をして手つかず状態なのでした(笑)。でも100円だし、買っちゃうか・・というわけで、松本洋子のなつかしマンガと共に200円でゲット。 ちなみに本体価格は2200円なんですよ、この本。 一体いくらで買取ったんでしょうかね?GEOは。

「しゃべれども~」を速攻観て返して(新作価格だから1日レンタルにした)、本書に取りかかりソッコー読破しました。 すっげーおもしろいっ!! えーと、以下あらすじ(カバー解説より)。

東の板東の地で、阿高(あたか)と、同い年の叔父藤太(とうた)は双子のように十七まで育った。 だがある夜、蝦夷(えみし)たちが来て阿高に告げた・・・あなたは私たちの巫女、明るい火の女神の生まれ変わりだ、と。 母の面影に惹かれ蝦夷の国へ向かう阿高を、藤太と仲間たちは必死で追う。 そして「私は阿高を捜しに来た」と語り、追跡に加わる都の少将・坂上田村麻呂の真意は・・・? 一方、西の長岡の都では、物の怪(もののけ)が跳梁し、皇太子・安殿皇子(あてのみこ)が病んでいた。 兄を救いたいと思いつめた十五歳の皇女・苑上(そのえ)は、少年の姿をとって「都に近づく更なる災厄」に立ち向かおうとするが・・・? 巫女の力を受け継ぎ、勾玉を輝かせる「闇(くら)の末裔(すえ)」の少年と、「輝(かぐ)の末裔(すえ)」の皇女(ひめみこ)の運命の出会いと、神代の「力」の最後の火花とをきらびやかに描き出す、待望の勾玉三部作完結編。

・・・ふー。 長い解説。 シリーズの二作は読んでません。 私お得意の「最終回」から手に取ったわけです。 けれど、どうやらそれぞれのお話はリンクしていないみたいで、それぞれ単独作品として楽しめるよう。「勾玉」がキーワードになってる「三部作」です。 さてこのお話は「阿高編」と「苑上編」にわけられたストーリー構成がいいですねー。 気づけば話にぐいぐい引き込まれてます。 周りのキャラクターも個性的かつ印象的で、ちょっとした冒険マンガをわくわく読む感じといいますか。 さらに勾玉を通して、闇と光の「全きもの」が描かれる感じが「ゲド戦記」の世界観と通じてますし。 和製ファンタジーの秀作って感じですヨ。 ただ、日本史と地理に明るくない私は、時代背景がいまいちわからず、武蔵の国や都の場所、伊勢神宮の場所すらもわからず(!!)、図書館で調べました。 するとびっくり、安殿御子も坂上田村麻呂も賀美野御子も実際にいた人物なのでした。 苑上の父君は「桓武天皇」ということも判明。 あと、藤原薬子という人物も実在人物。 そーいえば「薬子の変」って聞いたことあったよなぁ~って感じです。 もちろん、ストーリーはファンタジー小説ですが、実在の人物を当てはめることによってリアリティが増すというか、平安時代がより身近になっています。 前に少し紹介した上橋菜穂子さんの「孤笛の彼方」と、中学生時代に大いにハマった氷室冴子さんの「なんて素敵にジャパネスク」・・・これらと併せてえみりお的平安モノ小説三部作と銘打ちたい作品です。 とにかくGEOで思わぬめっけものをしてウシャシャなえみりおでありました(現在、第一部の「空色勾玉」を読んでマス)。