先日、アーシュラ・K・ル=グウィン「ゲド戦記」の翻訳者の
清水真砂子さんの講演会へ行ってきました。
ゲド戦記シリーズに出てくるヒロイン(?)テナーのような、
強く、厳しく、物ごとの本質をまっすぐ見つめる方でした。
「ゲド戦記」で印象的なのは、光と影は切り離せないもの、
ふたつの存在を受け入れて、はじめて「全きもの=人間」になるという
考え方です。それは、東洋の陰陽思想であったり、中国の老荘思想と
同じ流れをくむように思う私です。そして、私にとって(宗教や思想に
アレルギー反応がある私にしてはとても珍しく!)これらの考え方は、
ごく自然に、素直に受け入れることができる哲学?です。
▲「若杉友子の一汁一菜 医者いらずの食養生活」 主婦と生活社刊
ファンタジー小説や、宗教哲学(思想?)だけでなく、食事にもその考えがあると知りました。
これまた、すんなり納得できる「食べる思想」とでもいいましょうか。
常々疑問に感じていたことのひとつが、この本で腑に落ちた・・といいますか。。
昔の人たちは今よりも粗食で、薄着で、質素な家屋で、よく寿命が保てたな~~と
不思議に思っていたのです。 なんで元気でいれたんでしょ~??と。
少しだけその答えがわかりました(興味がある方は読んでみてくださいね)。
陽の食べ物(体をあたためる)、陰の食べ物(体を冷やす)、旬の食べ物、
昔ながらの(日本人が元気でいれたということを裏打ちしている)日本の伝統食。。
「バランス」とは単に栄養素やカロリーではなく、陰陽食材や、季節、その土地に
暮らす人間のからだとの組み合わせ(対話)のようですね。。
(そういえば漢方医学なども、やはり陰陽思想に入るのかな~)
これは、森羅万象いろいろなことに当てはまりそうな考え方なので、
本当に奥深いし、簡単なことではなさそうです。
完璧に実践するのは酒好きでズボラな私にはちと難しゅうございますが、
それでも無理のない範囲で気をつけることはできそうな気がします。
▲冬の旬といえば、ダイコンかな! ダイコン葉とゴマのおにぎりもおいしいな
お向かいのおばちゃんに畑のダイコンをたくさんいただきました。
土から引っこ抜いた際(←私も現場にいた)、大根葉を包丁でバッサーと
切り落とそうとしたので、「ストーーーーップ!!」 葉もくだされーーーい(笑)
大根の煮物の上の写真は簡単ロールキャベツ。
若杉さんの本によれば、お肉は「極陽」の食べ物らしく、薦めてはいないのですが、
やはり、お肉もきちんと食べたい・・・(/ω\)
合いびき肉を、軽く湯がいた春キャベツで巻いて、市販のトマト風味の
シチューの素でぐつぐつ煮込む(ついでに玉ねぎや冷蔵庫の野菜も投入)。
食べ過ぎなければ、肉もまたよしということで(笑) 甘いなぁ~。
ちなみに、トマトは「陰」の食べ物で、体を冷やす食材とのこと。
便利な現代では冬でもトマトをおいしく食べることができるけれど、やはり旬の夏に
食べる野菜だそうです。冬に「陰」のトマトを食べたくなるのは、「極陽」のお肉を
たっぷり食べているから。。
うーん。
理に叶っていて、説得力があります・・が、便利な世の中にも勝てない(苦笑)
お肉(陽)を食べてトマト(陰)を食べればバランスとれるじゃん~と自分の都合よく
解釈してしまいそうです☆ ま、お肉ばかりの偏った食生活はブー!!ということで~。
(今更かい)
なるべく自然の摂理にかなった食材を、無理のない範囲で料理したいナ・・・。
いろいろと葛藤しながら、あっちゃこっちゃに流されながら、少しは気をつけて
料理したいナ・・・と心あらたに思ったところでございます。
(・・・で、周期的にジャンクなごはんを食べたりするのですが~)