キリスト者の慰め

無宗教主義の著者が、人生の苦しみに直面し、キリストによって慰めをえる記録

聖書の通読

2007-05-07 23:15:51 | 聖書読解
何人かの方々から、「聖書を実際に読んでみたいが、

どのように読んでいったらよいか?」というご質問を受けましたので、

今度から聖書の通読を始めたいと思います。


聖書は新約・旧約を合わせて66巻の文書から成っておりまして、

かなり分厚いものでありますから、聖書を読んだことのない方からすると、

「どこから読んでいけばよいのか?」と躊躇してしまうのも納得できます。


聖書は人間の霊魂を救う秘儀が隠されております、

ですから何としても読んで咀嚼したい。

しかしあまりにも分厚く敷居の高い書でありますから、

なかなか聖書を自分で読む決心がつかない。

これが聖書を読んだことのない方の、正直な感想であろうと思います。


聖書の読み方にも、色々あります。

最初の創世記から最後の黙示録まで、そのまま読まれてもいいでしょうし、

内村鑑三がいつか言及したように、最もわかり易いマルコ伝から、

最も霊的で難解なヨハネ伝まで、ある一定の順番に読んでいってもいい。


私としましては、聖書を最初から最後までそのまま読むことは、

聖書を知らない方にとって、あまりお勧めできません。

何しろ約5cmの厚さもある書ですから、中途で挫折する可能性があります。

やはりある一定の順番で読んでいった方が、わかり易いと思うのです。


ある一定の順番といっても、内村鑑三が言ったような、

わかり易い書から難解(霊的)な書という風に、

ある段階を設けて読むことは、個人的には好きではありません。

マルコ伝にはマルコ伝の、ヨハネ伝にはヨハネ伝の、

無比の価値があるから、聖書は66巻で存在していると思うのです。


聖書は尊い書でありますが、やはり「書籍」の一種であります。

普通の読書法をもって、聖書という堅城を攻めるべきです。

何も特別な手段・方法を講じる必要はありません。

私は通常、ある思想家の思想を咀嚼しようと思った時、

最初に中心となる書から攻めます。

アレキサンダーは戦争にて、常に敵陣中央を衝いたと伝えられていますが、

読書も同様であろうと思います。

思想家にはつねに、その思想の本質というものがあります。

ヘーゲルなら「論理学」に、アリストテレスなら「形而上学」に、

カントなら「実践理性批判」に、思想の核が吐露されております。

それらの本質を理解できれば、その他の思想は理解し易いのです。

いきなり本質を攻めて、しかるのちに、周囲に適用していく。

これが最も手っ取り早い読書法であると考えます。


聖書の伝える真理は、イエス・キリストであります。

我々は聖書66巻を読んで、イエス・キリストを理解せねばなりません。

66巻どの文書にもキリストは言及されておりますが、

聖書も人間が紙とインクで作った書籍でありますから、

より多く伝える部分と、より少なく伝える部分があると思います。

より多くキリスト御自身の御心を伝えたもの、

それを仮に聖書の中心とした場合、どの文書が該当するかというと、

私はヨハネ伝であろうと思います。

内村鑑三が言うように、もし聖書を一つの艦隊と仮定すれば、

ヨハネ伝は旗艦であり、主御自身はヨハネ伝に座乗して、

艦隊の指揮をとられているのだと考えます。

ですから、この聖書通読は、ヨハネ伝から始めたいと思います。


と言いましても、ヨハネ伝のみが尊くて、他の書は劣るということではありません。

ヨハネ伝は素晴らしい書でありますし、ローマ書も素晴らしいものですが、

聖書全体はさらに素晴らしいものであります。

ルターはヤコブ書を「藁の書簡」と称して、比較的に劣る文書であると言いましたが、

そんなことはありません。

ヤコブ書にはヤコブ書の、ヨハネ伝にはヨハネ伝の、それぞれの価値があり、

66巻全部が集まって、聖書本来の光を放つのであります。

ヨハネ伝から始めるのは、単なるきっかけに過ぎません。


聖書を深く深く読むためには、実に多くの素養が必要であります。

ヘブライ語・ギリシャ語などの原語を知る必要があります。

エジプトからローマまでの古代史を知る必要があります。

聖書に登場する動植物の生態を知る必要があります。

残念ながら私には、以上の知識に著しく欠ける所があります。

そういう意味では、聖書通読を他人に推奨する資格に欠ける者でありますが、

聖書を開いたことのない方に、少しでも聖書の素晴らしさを伝えるために、

私なりの通読をしていこうと考えております。

私の勉学が進み、原語なり歴史なり生物学なりを学んで、

真理の曲解が発覚した場合には、順次改めていこうと考えております。


できましたら、書店なりネットなりで聖書を購入され、

ご自分の聖書に色々と書き込みながら、通読した方がよいと思います。

せいぜい2000円か3000円の書籍でありますから、

霊魂を救う永遠の真理が宿っていると思えば、安いものであります。

では、次回よりヨハネ伝の読解に入ります。
(更新は不定期となります)



人気blogランキングへ

最新の画像もっと見る

コメントを投稿