私はキリストが大嫌いだった。
キリスト教だか何だから知らぬが、そんな宗教的なものを信ずるぐらいならば、
死んでしまったほうがよいと思ったほどだった。
幾年かが経ち、私はある理由から嫌々ながら聖書を読み、
キリストにおいて罪を示され、キリストにおいて回心した。
私がキリスト教の真髄を会得しているか否かはわからぬが、
(多分していない・・・)
. . . 本文を読む
我は、自分のことに精一杯で他人のことを顧みず、
他人が自分を知ってくれないと日々嘆く人間。
むしろ他人の失敗と弱点を指摘し、
それが無理ならば心の中でほくそえむ人間。
「父よ。彼らをお赦しください。
彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」(ルカ伝23-34)
しかし彼は、他人のために自分の生命を投げ出し、
十字架の死に至るまで他人を救わんとした人間。
むしろ他人の罪をた . . . 本文を読む
神である主は、土地のちりで人を形造り、
その鼻にいのちの息を吹き込まれた。
そこで、人は、生きものとなった。(創世記2-7)
ギリシャの哲学者たちは、様々な人間論を主張した。
人間とは何であるか?人間の現実の姿とは何であるか?
このような問いをもって、彼らは真理研究の主要課題としたのである。
まずプラトンは、二元論を主張した。
すなわち、人間というものは精神と肉体から構成されるもので . . . 本文を読む
キリストは神の啓示であって、決して宗教ではない。
よってキリストを知るということは、神からの一方的な恩恵であって、
人間的努力やこの世的宗教活動の賜物ではない。
これ、キリスト者であれば、たいていの者は納得する事実である。
しかしキリスト者も、この世に現実的に生きる生身の人間であるから、
いかにしてキリスト者は生きるべきかという具体的問題に直面する。
聖書曰く、「聖霊に導かれ、聖霊に従い、聖霊に満たされて生きなさい」と。
(ガラテヤ書5-25、エペソ書5-18)
ならば、聖霊とは何であるかが、問題なのである。
. . . 本文を読む
人は初め、○○家の子どもとして、
自分のアイデンティティーを確立する。
この幼稚な独自性は、ただただ存在してさえいれば、
満たされうるものである。
人は次に、○○学校の生徒として、
自分の立脚点を確立する。
親族から抜け出したことによって、人はより社会性を身につけ、
自分の我儘を断念し、自分の幼児性を抑えることを学ぶ。
人は次に、○○会社の社員として、
自分の存在意義を確立す . . . 本文を読む
人が、ひとりでいるのは良くない。
わたしは彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう。(創世記2-18)
アリストテレス曰く、「人間とは社交的動物である」と。
全くの孤独な人間ほど、非人間的なものはない。
隣人なき人間とは、一種の悪魔である。
「全くの孤独な存在とは、神か悪魔でしかない」と言った思想家がいたが、
悪魔は孤独であったとしても、神は孤独を好み給わない。
父はその御子(イエ . . . 本文を読む
人それぞれに苦しみあり。
その苦しみを理解できずして、本当に人を憐れむことはできない。
経済的不安を抱く者に対して、貧しさを一度も知らぬ者は、
決して憐れむことはできない。
持病に苦しむ者に対して、一度も病気にかかったことのない者は、
決して憐れむことはできない。
もちろん、同情することはできる。
自分の進むべき道の途上で、道の路肩に倒れている者を、
やっつけ仕事で同情することはで . . . 本文を読む
本日はヨハネ伝1章の後半(1-15~51)です。
すなわち、ヨハネ伝の序曲の続きであります。
神から遣わされたヨハネという人が現われた。この人はあかしのために来た。
光についてあかしするためであり、すべての人が彼によって信じるためである。
彼は光ではなかった。ただ光についてあかしするためである。(ヨハネ伝1-6~8)
ヨハネはこの方について証言し、叫んで言った。
「私のあとから来る方は、 . . . 本文を読む
本日は、ヨハネ伝1章を読んでいきたいと思います。
ヨハネ伝の主題は何かというと、光(神)と闇の抗争史であります。
光とは何であるか、光はいかにして自己を顕現させたか、
光の勝利はいかにして成るか?
ヨハネ伝を一種の名曲に比すれば、
序曲にあたるのが1章であります。
2章から最後の21章までは、光が徐々に顕現する過程であります。
その絶頂が18章でありまして、イエスが十字架に上られるこ . . . 本文を読む
何人かの方々から、「聖書を実際に読んでみたいが、
どのように読んでいったらよいか?」というご質問を受けましたので、
今度から聖書の通読を始めたいと思います。
聖書は新約・旧約を合わせて66巻の文書から成っておりまして、
かなり分厚いものでありますから、聖書を読んだことのない方からすると、
「どこから読んでいけばよいのか?」と躊躇してしまうのも納得できます。
聖書は人間の霊魂を救う秘 . . . 本文を読む