キリスト者の慰め

無宗教主義の著者が、人生の苦しみに直面し、キリストによって慰めをえる記録

神の真実

2010-02-26 18:23:43 | 聖書原典研究(パウロ書簡)
それは神の約束が、イエス・キリストへの信仰によって、 信じる人々に与えられるようになるためでした。(ガラテヤ書3-22/新共同訳) 救われる条件である「イエス・キリストへの信仰」とは、 非常に誤解の多い表現である。 信仰と訳された単語「ピスティス(πιστιs)」とは、 様々な意味のある単語である。 まず第一に、ピスティスとは「真実」を意味する。 パウロ書簡の脈絡からすれば、真実と . . . 本文を読む

信ぜざるを得ない信仰

2010-02-21 18:40:13 | 聖書原典研究(パウロ書簡)
現に多くの神々、多くの主がいると思われているように、 たとえ天や地に神々と呼ばれるものがいても、 私たちにとっては、唯一の神、父である神がおられ、 万物はこの神から出、私たちはこの神へ帰って行くのです。 また、唯一の主、イエス・キリストがおられ、万物はこの主によって存在し、 私たちもこの主によって存在しているのです。(コリント書Ⅰ8-5・6/新共同訳) 古代ギリシャ語において、αναγκη( . . . 本文を読む

理想国家エクレーシア

2010-02-14 18:22:08 | 聖書原典研究(パウロ書簡)
引き続き、ギリシャ文化とパウロ書簡との関係を調べている。 現段階でわかったことは、 「パウロの教会観」と「プラトンの理想国家論」との類似性である。 特に、パウロのローマ書12章以下とプラトンの主著「国家」には、 多くの共通点が認められる。 順をおって共通点をあげていくと、下記のようになる。 まず、一なる真理と多なる人間の関係(ενとπoλλα)の問題。 (ローマ書12-3~12-9/ . . . 本文を読む

基礎福音書

2010-02-07 12:40:41 | 聖書原典研究(パウロ書簡)
2009年はパウロ・ヨハネ書簡の原典読解を進めてきたから、 2010年は共観福音書(マタイ・マルコ・ルカ)の研究を予定していた。 しかし、年末年始に再読していたギリシャ哲学(プラトン・アリストテレス)に、 パウロ書簡の言語使用との類似性がわかってから、 今はもっぱらギリシャ哲学の再読をしている。 アリストテレスの主著(「形而上学」や「政治学」)と プラトンの前期・中期著作(「ソクラテス . . . 本文を読む