私は、罪人の頭だ。
イエス・キリストは、神の子、義人、いや、神そのものだ。
そのイエス・キリストは、私の内にいる。
不敬虔だと思われるかもしれないが、事実だからしょうがない。
なぜ、パウロは、後期の書簡において、「死人の復活」を「顕現(アポカルフィス)」と言ったのだろうか?
「内なる人」という表現において、パウロが指していたものは何なのか?
ヨハネが強調した「聖霊」とは、一体何なの . . . 本文を読む
イエスはガリラヤ湖のほとりを歩いておられた。(マルコ伝1-16)
イエスは彼らと一緒に、平らな所にお立ちになった。(ルカ伝6-17)
イエスはこの群衆を見て、山に登られた。(マタイ伝5-1)
マルコ伝のイエスは好んで湖のほとりに立ち、ルカ伝のイエスは平野に立ち、
マタイ伝のイエスは山に立つ。
エルサレム原始教団の権威主義に反対するマルコにとって、
麗しき田舎のガリラヤ、及び、ガリ . . . 本文を読む
彼(イエス)とは,旧約聖書において,
彼の預言者を通して予め告げ知らせられた方です。
(ローマ書1-2/私訳)
新約聖書の中心と言われる「ローマ書」の主題とは何なのだろうか?
それは,上記の聖句からすると,旧約聖書の解明である。
日本語には関係代名詞というものがないので,上記の聖句は余り強調されないが,
イエス(御子)が旧約預言者の希望の集約であることは,
パウロがローマ書劈頭で強調 . . . 本文を読む
同じように,妻たちよ,自分の夫に従いなさい。
夫が御言葉を信じない人であっても,
妻の無言の行いによって信仰に導かれるようになるためです。
(ペテロ書Ⅰ3-1/新共同訳)
「妻の無言の行い」と訳されている「無言の」とは,
原語では「言葉なしに(ανευ λογου)」であって,
この「言葉」とは単数形である。
単数形の「言葉」とは,この著者にとって福音を意味しているのであれば,
「無 . . . 本文を読む
なぜなら,キリストは唯一の献げ物によって,
聖なる者とされた人たちを永遠に完全な者となさったからです。
(ヘブル書10-14/新共同訳)
「聖なる者とされた」と訳されている箇所は,まるで過去形のような印象を与えるが,
原文は現在分詞であって,「聖なる者とされている」と訳すべきである。
また,「完全な者となさった」と訳されている箇所は,
時制は正しい(現在完了)のだが,意味自体を訂正すべ . . . 本文を読む
あなた方は聖書(旧約聖書)の中に永遠の命があると考えて,聖書を研究している。
ところが,聖書はわたし(イエス)について証しているのである。
(ヨハネ伝5-39/新共同訳)
新約聖書を研究するにつけ,痛感することは,
「旧約聖書を知らずして,新約聖書は理解できない」という事実だ。
なぜなら,新約文書著者たちは皆,旧約聖書を模範とし,意識し,
彼らのメッセージを書いたのだから。
創世記 . . . 本文を読む
あなた方のうち誰一人,罪に惑わされて頑なにならないように,
「今日」という日のうちに,日々励まし合いなさい。
(ヘブル書3-13/新共同訳)
四福音書の総合的研究と共に,ヘブル書を11章まで読了する。
その中で,気づいたことを一つ。
ヘブル書を読んでいて,この著者の時間観念に非常な違和感を感じる。
例えば,以下の文言。
神はその長子をこの世界に送るとき,
「神の天使たちは皆,彼を . . . 本文を読む
ヘブル書を8章まで読了する。
その中で気づいたことを少し。
ヘブル書は一般的に「新約のレビ記」と言われていて,
ユダヤ教に代わるキリスト教の礼拝形式を語ったものとして解釈されることが多い。
だが,レビ記に則った礼拝的記述が多いからといって,
果たして,それをもってヘブル書著者がレビ記を範としたかというと,
それは安直に過ぎる解釈であると思う。
人は,目の前にある現実に抗議する時に . . . 本文を読む
神の恵みによって,すべての人のために死んでくださったのです。
(ヘブライ書2-9/新共同訳)
「神の恵みによって」と訳されている箇所の原文は,
「カリス テオウ(χαρισ θεου)」である。
ネストレ新版もこの訳を採用しているが,この箇所の異文に,
「コーリス テオウ(χωρισ θεου)」というものがある。
訳すと,「神から離れて」である。
聖書を伝えたキリスト教会は,自身 . . . 本文を読む
人にしてもらいたいと思うことは何でも,
あなた方も人にしなさい。(マタイ伝7-12/新共同訳)
この箇所(黄金律)でマタイが言わんと欲していることは,何なのだろうか?
自分が他人にしてもらいたい,自分が他人に期待するようなことを,
自分が率先して為せ,というような教えなのだろうか?
私は,福音書記者マタイの本心からすれば,
このような解釈は大きな間違いであると思う。
原文を直訳す . . . 本文を読む