翻訳者魂

人間は関係を持ちたい。人間は知られたい。人間は参加したい。人間は貢献したい。人間は自分に価値があると思いたい。

添い寝クラブ

2008-01-30 00:38:51 | 文学
眠れる美女が流行っている。いくつかの雑誌で取り上げられたからだろう。

mixiのようなシステムを介して老人が老人を紹介する。老人が行くのはなんだか静かな二階家で、そこにはアンバランスな鳥が描かれた帯をしめた中年女がいる。この中年女が老人に言う。「おんなのこにへんなことをしちゃいけませんよ。」老人は手渡された鍵を使って、おんなのこが眠っている部屋に入る。おんなのこはなにかの薬で深い眠りの中にあるらしい。手を持ち上げて落としても目覚めない。落とされたままの形で、手はそこにありつづける。なんだか乳臭い。乳がでてるんぢゃないかと乳の先端をさわるが濡れてはいない。顔色がいいのは赤ビロードのカーテンが頬に映っているからかな。肌色の美しい娘と老人は添い寝をする・・・

このクラブのようなものには勃起しない老人だけが入れるのだが、じつはこの老人はまだ勃起する。

眠れる美女
川端 康成
新潮社
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