翻訳者魂

人間は関係を持ちたい。人間は知られたい。人間は参加したい。人間は貢献したい。人間は自分に価値があると思いたい。

大人専用Youtube - アダルトチューブ

2008-01-15 02:53:53 | 社会




中学生の息子は世界を旅する物語が好きだ。頭を本に突っ込むようにして夢中で読んでいる。食卓では、主人公の活躍を目を輝かせて話してくれる。

ぼくは、ブログやウェブサイトをいくつも持っている。ニュースについての感想を書き、作ったプログラムをアップロードする。しかし、子供に自分のサイトは見せない。自分の本棚を見られるよりも恥ずかしい。

何かもっと新しいことをしたいといつも考えていた。

ビデオやDVDが普及しポルノが爆発的に売れた。しかし、数年前から売り上げは徐々に下降線をたどっている。去年はグンと落ちた。ビデオシェアリングシステムが登場したからだ。

Youtube型の大人向けサイト、アダルトチューブを作った。しかし、これはただのプラットフォーム。ポルノを共有するために使えるんじゃないかって誤解している人もいるみたいだけどね。

サイトのURLはネットの口コミであっという間に世界中に広まった。これだけアクセスがあれば稼げる。モノを売る時代は終わった。これからは広告だ。

アクセス数は爆発した。毎月何百万円も銀行口座に振り込まれるようになった。幸せなのか? 笑みをうかべている鏡の中の自分にそう問いかけてみた。

息子が本の話をしなくなり、クラブ活動も休みがちになったのよ、と妻が言った。

息子の部屋の扉をノックした。返事がない。そっと押してみた。扉がギーッと音をたてて開いた。息子はPCに向かっている。ぼくにはまったく気づいていない。ぼくはモニターをそっとのぞきこんだ。

(この記事は創作です。)