英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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揺らぎつつある「民間試験活用」

2019年05月09日 | 2020年大学入試制度改革
昨日の毎日新聞に衝撃的な見出しと記事がありました。
国立大13校、英語「中卒程度」で出願可 民間試験活用に疑問

2020年度に始まる大学入学共通テストに導入される英語の民間資格・検定試験の成績について、全国の国立大学82校のうち、少なくとも13校が「中学卒業程度」を出願資格とすることが判明した。国立大学協会(国大協)は「高校中級程度」を出願資格にするなどの方針を示しているが、13校は受験機会の均等が保障されていないことや英語の不得意な受験生に門戸を閉ざさないことを考慮した。
見出しだけ読むと、「大学入試で中卒程度の英語力って・・・。その大学、大丈夫?」と思われてしまう人も多いかも知れませんが、実はその逆です。大学入試における民間試験の有用性に「No!」を突きつける大学が増えてきたのです。つまり、ようやく、正しい判断をする大学が増えてきたと言えるでしょう。

英語を話せない人が多いことを憂慮した国が、「話す」力を踏まえた4技能を大学入試の英語試験に導入しようとしたのが発端ですが、ライティングやスピーキングは、機械が採点するマークシートと違って人が行うわけです。そこには客観性はなく、採点する人によってバラツキが出てきます。果たして、1点を争う入試でそれは公平なのか?そして、民間試験の受験機会が多い都市部とそうではない地方の格差、英語以外が得意で総合点では合格できるはずの受験生を門前払いすることになる不公平さに対して、大学が健全な判断をしただけのことです。

大学入試共通テストと英語の民間試験導入、もう止めましょうよ。従来のセンター試験で何か問題でもありますか?英語力がある人は従来のマーク式のセンター試験でもきちんと点が取れるし、センターで点数が取れる受験生は、大学入学後にスピーキングを伸ばす素地がある証拠ですから、英語を話す必要性を感じる人は大学でその勉強に特化していけばいいだけの話です。

対象になる現高2生たちは混乱しています。彼らが高3になるまであと1年もないのに、確定していることはほとんどありません。民間試験の中心的存在である英検だって、現行の英検とは違う一日完結型の英検を受けることになるのに、その内容すらまだ発表されていません。

東大を筆頭に偏差値の高い名だたる大学が、英語の外部試験は使わずに従来通りの方向性を維持しようとる潮流が強くなってきているのが、せめてもの救いでしょう。今回の記事にある13大学もこの流れに従った、至極当然の結論を出したのです。


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