英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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重箱の隅をつついても

2023年01月28日 | 指導現場にて

ある高1生との授業中、昔はよく重箱の隅をつつく問題が出題されたという話をしました。

私が大学受験生の頃、つまり、第二次ベビーブーマーたちが大学受験を迎え、予備校産業が最も潤っていた1980~90年代、大学側も受験生を振り落とすために、意図的に重箱の隅をつつく問題を作っていたように思われます。

その中でも当時有名だったのが、我が母校・早稲田大学政治経済学部の日本史の問題。毎年必ず、山川出版社の『詳説 日本史』の脚注や欄外にちょこっと書かれている用語や数字、どこの教科書や参考書にも載っていない数値やクイズ的知識を問う問題が数多く出題され、悪問の名をほしいままにしていました。例えば、こんな問題。

 

(1)江戸時代の貨幣制度は鋳造貨幣である金貨、銭貨と秤量貨幣である銀貨よりなる、いわゆる三貨制度であった。品位、量目の不同からくる不便さを除くために、銀は包み銀として用いられる場合が多かった。包み銀は一般的には何匁であったか。

 イ 40匁    ロ 50匁    ハ 60匁

(1990年度早稲田大学政治経済学部入試 日本史 第3問より)

 

(2)江戸でも祭礼は年々盛大に赴き、「富突」は熱狂的な人気をよんだ。三大富突のうちの二つは谷中天王寺、湯島天神のそれであるが、もう一つはどこか。

(1986年度早稲田大学政治経済学部入試 日本史 第3問より)

 

(1)はイ、(2)は目黒不動が正解です。(2)については当時の赤本の解説に、「『詳説 日本史』(山川出版社)の化政文化の章の挿絵の解説に言及されていることとはいえ、多少無理な注文と思える」と言及されるほど、重箱の隅的問題だというのがうかがえます。

大学受験人口が減少していくにつれ、いつからかこのような悪問は少なくなっていきましたが、「現在では全く出題されない」と断言はできません。だからと言って、重箱の隅ばかり気になっていても大学合格はおぼつきません。基本的な事項をきちんと覚え、正解して当然の問題を落とさない。そのような基礎力があってこその重箱の隅対策となります。合格者が当たり前のように得点するところで得点できず、重箱の隅的問題で得点しても、合格できません。まずは基本をきっちり固めましょう。そうすれば、その過程で特に興味を抱いた単元で知識が他の人よりも詳しくなり、プラスアルファの知識となっていきます。

英語も言わずもがな。英検1級レベルの単語を覚えても、『ターゲット1900』や『LEAP』に載っている超基本語彙を覚えていなければ、その知識は無用の長物です。

コメント
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