第一志望の大学が決まっている高3生が多い中で、6月になってもまだ進路を決めきれていない生徒もいます。現在興味を持っていることや将来就きたい仕事などで受験大学を決められるのが理想ですが、全員がそんな風に決められるわけもありません。また、大学受験の際の進路選択が正しいのかなんて、後になってみないと誰にも分かりません。
だから、生徒一人一人、それぞれで選択の理由があってしかるべきです。
「とりあえず、偏差値の高い大学や有名大学を目指します」
進路に悩んでいたある生徒が、昨日の授業でこんな風に言ってくれました。言葉が正しいか分かりませんが、有名大学に入学しておけば、いい意味で"潰しが利く"のは確かです。大学の4年間で様々な経験をし、自分のやりたいことを見つけていくこともまた、大学進学の意義の一つです。
その生徒に「先生はどのように大学や進路を決めたんですか?」と聞かれたので、次のように正直に話しました。
・高校入学以降は学年下位だったので、この状況を打破するのが有名大学合格だった。
・全教科を満遍なく勉強するのではなく、英・国・社の3教科を極めて、早稲田合格を目指す。
・社会で「政治・経済」を選択し、その勉強をもっと勉強したくて、経済系の学部を志望。
・経済と環境問題に興味を持ち、大学3年ごろまでは国連職員を目指して英語の勉強にも力を入れる。
・東京で5年過ごしていく中で、都会では仕事はできないと考えが変わり、地元就職を考える。
・学んだ経済の知識を少しでも生かしたいから、地元の地方銀行に入行。
・長野オリンピックで英語を使って仕事をし、英語を学ぶ楽しさを再認識。
・留学して、英語を教えることが自分にとっての天職だと気づく。
私自身が今の仕事に就くための経緯をざっと振り返っただけでも、これだけ遠回りしたのですから、大学受験ですべてを決められるなんて稀ですね。大学受験でどんな選択をしても、自分の将来のために、その後でいかようにも修正できますし、それだからこそ人生は面白いのかも知れませんね。