自然を体験する旅

エコツーリズム・プロデューサーの壱岐健一郎がお届けする旅に関するスローなブログ

マクロビオティックで年越し

2006-12-31 08:41:22 | 農村

2ヶ月前に人参の間引きをしましたが、まだまだたくさんありました。
もっと間引きしてもよかっただろうと思われましたが、とてもとても
手が足りませんでした。(つぶつぶ農園さんの弁)
人参の林からくじ引きのように「当り」を予想しながら引っこ抜く緊張感。
思い切って「これだ!」と抜くと、以外に小さな人参や不恰好な人参だったりしました。
しかし、はずれではありません。1人10本を割り当てに、抜いた分だけ持ち帰る
ことができるルールでしたが、収穫物は大なり小なり大変美味しくいただきました。
ほうれん草は通常は外国から輸入した種子によるF1という種類とのこと。
葉っぱは丸いものを見慣れていますが、それとは別に、葉っぱがギザギザの
固定種という種子も自前の種類も収穫しました。
食べ比べした驚きは表現できませんが、これがほうれん草?と感動したことだけ
お伝えします。



今年はいろんなところに出かけました。
いろんな人に出会い、いろんな体験も一緒にすることができました。
来年は「ちょいマクロビオテック」な食生活で、今年以上に
動き回ります。猪突猛進の年?でもイノシシが畑を荒らさないようには
祈っていますが、みんなそれぞれの事情がありますからね。

人間も生き物の一種、生物多様性が維持される地球を守りたい!
自分のできる範囲だけですが、みーーんなのいい年になることを願っています。


今年最後の天ぷら油バスツアーはつぶつぶ農園に出かけました

2006-12-30 23:50:36 | 農村

年の瀬の日曜日、若夫婦と熱心な若い女性協力者が頑張っている
「つぶつぶ農園」に行きました。天ぷら油バスには15人足らずの
乗客。ノロウイルスや出張や忘年会などなどたくさんの障害がありました。
それでも結局これだけの人が来てくれたのに感謝。
添乗員はMISOに頼んで、私たちも忘年旅行のつもりで同行しました。


人参、ほうれん草、ブロッコリー 無農薬で健康に育った美味しそうな野菜を
次々に収穫しました。まさに老若男女、みんなで一心不乱にやりました。
小春日和の農園は心も体も癒してくれる場所でした。



自然エネルギーの国・オーストリア旅日記⑤

2006-12-06 16:52:55 | 環境


午前5時半。先に帰る方のタクシー到着を持った。
人里離れた農家では、ただ待つのみ。約束の6時が近づいたが
真っ暗な世界に静寂が漂うのみ。大丈夫かな?
6時。遠くからエンジン音が聞え、一筋のライトが見え始めた。
よかった・・・というのが本音。と同時に、オーストリアのプロへの
お詫びの気持ちが起こった。日本だって遅れることがあるのに、
こんな田舎で・・・失礼しました!




無事送り出してもまだ真っ暗。部屋に戻り、写真の整理と原稿書き。
7時頃、ようやく明るくなってきた外を見ると、雨上がりの青空が
遠くに湧き出てきた。早速、外に出てみると、ものすごいスピードで
真っ黒な犬が駆けてきた。最初はドキッとしたが、尻尾を振っている。
すぐに一緒に駆け出した。農家民宿の周りは一面のワイン畑だったのが、
ようやくわかった。TOSKAという名のこの犬は遊んでくれる相手として
私を選んでくれたのだろう。前日のウットウシイ気分を取り払うように、
久し振りにカラダを動かした。
その後、ほぼ全員がそろい、自家製のジャムやヨーグルトを含めて
とても美味しい朝食をいただいた。イチジク、アップルジュースもさすがに
美味しかった。
 出発までの残された時間を惜しみながら、ワイン畑のひろがる丘の頂上
にも登った。敬虔なクリスチャンも多い村だと聞く。聖母マリア像が
青空を拝啓にやさしく迎えてくれた。

参加者全員が爽快な気持ちになってくれたことだろう。
さあ、残り少ない、日程を安全で楽しく過ごしたい。



グラーツに戻る手前でウイーン方面にもう1本の高速道路に入った。
グライスドルフをいう人口約5000人の町が「オーストリアのフライブルク」
だと言う人がいた。このまちには「太陽光発電通り」という道があった。
100箇所以上のソーラー発電機やソーラーモニュメントがあるらしい。
残念ながら少ししか時間がないので、一部だけを発見した。
特に,町の中心部の教会の前には木の枝を広げたようなソーラー発電機が
あった。ソーラーの町を象徴していた。




午後、ウイーンに戻って3日前と同じホテルにチェックインした。
夕食まで自由時間をつくり、メンバーは美術館見学や買い物に
出かけていった。
私はフンデルトバッサーがデザインした住宅フンデルトバッサーハウスや
これの作品を展示するクンストハウスウイーンを訪ねた。
2日日前にはバッドブルマウのリゾートを見学したが、今回の旅行の
キーマンの1人となった。


夕食はクリスマスマーケットのイルミネーションとで出店で賑わう
市庁舎の地下のレストラン「Rathaskeller」に行った。
高級感のあるエントランスから室内は、ちょっと・・ダイジョウブ?と
気になったが、メニューを見るとそれほど高くない。
久し振りに肉も食べてみようかと、牛肉のシチュー風のメインディッシュ
だけを注文した。多分、これだけでも食べきれないだろうと・・・・
その通り、いい味だし、十分な量だった。

最後、ホテル近くのバーに学生2名に誘われて何とか・・・という
ビールとサイダーを割ったような飲物を一杯飲んだ。

翌日は2名の女子学生がばらばらに帰国する。
1人は5時、1人は7時半。
本人達は自分のことでメ一杯だが、こちらとしては無事帰国できるよう
早めにロビーで待っておこう。
今回のツアーは我が社で航空券を買わずに自分で安い航空券を
捜してきた学生も現地合流していた。自分が学生だったころを
懐かしく思い出しながら、くれぐれも自分の責任で無事帰ってくれよー
と願わずにはいられなかった。

自然エネルギーの国・オーストリア旅日記④

2006-12-03 23:27:59 | 環境

グラーツの中心部、世界文化遺産の旧市街まで徒歩10分圏内
にあるガストホフ"Steirer stub`n"に宿泊した。
朝食を1階のガストホフ(レストラン)で食べて、午前8時に城山までの
ウォーキングに全員で出かけた。途中、ムーア川沿いにある巨大な
宇宙船のようなクンストハウス(ミュージアム)の外観をものめずらしそうに
眺め、宮廷御用達の老舗パン屋に寄り道、おやつを買い込んだ。


城山へは階段を歩いても気持ちよさそうだったが、あいにくの雨、
8時から運行するというエレベーターを使うことにした。往復12ユーロ。
エレベーターは地下基地のように青い照明で照らされ、ここにもグラーツの
新しさを感じた。


 頂上から時計塔をはじめムーア川や旧市街の景観は素晴らしかった。
同じく世界文化遺産として登録されているフランスの古都ストラスブールの
赤レンガの甍を連想した。
 帰路にはムーア川にかかる橋の途中に不思議なドームを見つけた。
夜はバーになり、ステージと観客席もあり、ときどきコンサートもやるらしい。

約1時間半の散歩は内容が充実し、かつ適度なエクササイズとなった。
できれば階段往復をしたかったが・・・・



世界最大級の太陽熱利用ソーラーサーマルESCO施設のある
りーべナウアースタジアム(旧姓?シュワルツネッガースタジアム)を
訪問した。案内してくれたのはS.O.L.I.D社のHorst Striesnigさん。
冷たい雨の振る中を熱心に案内していただいた。
案内の内容が予測できなかったので、屋外で寒い中、立ちつづけて
の講義はまだかまだかと思っていたが、こちらから言い出すまで
30分以上続いたのにはメンバーに寒い思いをさせて申しわけなく思った。
今回の視察は個人的なご厚意に依存したものばかりなので、
通常の業務視察ツアーと異なり、こちらの都合が伝えにくかった。
このあたりは今後、改善しなければならない。

SOLID社はこのスタジアムを含めていわば「軒先を借りてエネルギー生産」
する会社で、アメリカ、中国への進出が著しいようだ。
特に中国は北京オリンピックのスタジアムなど需要も多い。
1992年創業の社員数25名の会社は個人需要よりも効率のいい企業需要
に対応する方向に転換し、利益率の高い業績を上げているという。
スウェーデンからシステム技術を輸入しているが、冷却装置などは日本の矢崎
と提携しているとのことだった。



自然エネルギーの国・オーストリア旅日記③

2006-12-02 10:03:02 | 環境

今朝も早朝4時過ぎには起床。
昨夜は世界文化遺産の都市グラーツに入り、
夕食は自由にしたため、早めに床についた。

しかし、昨日は長いような短いような1日だった。

家族経営のオフナー社のミニバスをチャーターし、
3日間の南オーストリアツアーに出発。
8時にウイーンを出て、高速道路を西へ走り
ハンガリーとの国境にある世界自然遺産ノイジードラー湖へ。
途中、無数の風力発電用の風車が出迎えた。


オーストラリアに海があったのかと錯覚するような
水深2メートル足らずの中部ヨーロッパ唯一の草原湖(ステップ湖)は、
葦が群生していて、広大な湖は野鳥の聖域。
猛禽類(鷲)もたくさん見られた。
水質浄化や排水溝整備もきちんとされていて、
ウイーン市民の飲料水にも利用されているらしい。





ブリゲンランド州からシュタイヤマルク州へワイン街道も一部
利用し、南下。ノイジードラー湖周辺はワインの産地でもあり、
オーストリアの白ワイン生産の4分の1を占めている。


(人口5000人あまり城砦の町ギュッシングへ)

昨日の最大の目的地は一昔前ではまったく無名の小さな町、
ギュッシングだった。東欧との辺境の地として貧しい町だったが、
約10年前から周辺の痩せた山林からの木材を材料にした
木質バイオマスをエネルギーとして再利用するモデル地区として
再生した。
ギュッシングバイオマス発電所ガス化発電プラントを
オーガスティンさんが案内してくれた。
ギュッシングの町では電力と熱をバイオマスで100%まかなっている。




5、6年前から木質床メーカーの工場も移転してきて、雇用も増え、
以前は70%がウイーンに出稼ぎにでていたが、今では30%台に
減っているという。
EU、オーストリア、シュタイヤマルク州、ギュッシング市共同の
バイオマスの世界最大級の実験プラントといわれている。

大きなポスターを見つけた。
”OCO ENERGY MARATHON 2007”
毎年開催されているということだが、来年は9月30日開催とのこと。
日本で森林マラソンをプロデュースしてきたわが身としては
見過ごすことはできない。やろーかなー・・・と体内バイオマス発電が
はじまったような感覚になった・・・。


ギュッシングを出発して、まっすぐグライスドルフ、そしてグラーツを
向かう予定が、またまた、寄り道をしてしまった。






オーストリアが生んだ鬼才、ガウディ、エコ建築家とも呼ばれる
フンデルトバッサーが作ったHOTEL&SPA が近くにあると聞いたからだ。
BadBlumau という小さな村に寄り道してしまった。
突然草原に出現したカラフルな建築物には驚いた。
建物の先端にある大きな金の玉は大阪にもあり、ちょっと不評だとか。
ところがここでは不思議に調和していて、楽しい雰囲気を演出していた。
自然界には直線はなく、すべてが曲線でできているという理論から、
敷地内の建造物はほとんどすべて曲線で作られていた。
廊下が曲線で波打っているのは不思議な感覚。部屋の中も見てみたかったがさすがに
時間がなかった。
寝室が曲線だとはたしてリラックッスできるだろうか?

寄り道のツケはクライスドルフのカットになってしまった。
ここはオーストリアのフライブルクとも言えるエコロジーな町だと聞いていたので残
念。なんとかウイーンに帰る前にでも立寄りたい。

17時を過ぎようやくグラーツに到着。
宿泊のガストホフは部屋割りに苦労したが結果的になんとかなった。

直前にアキレス腱を切って現在自宅療養されている保田さんを見舞う。
彼女の回復を願いつつ、来年からのエコツアーの協力を要請した。

自然エネルギーの国・オーストリア旅日記②

2006-12-01 00:02:03 | 環境

同室のタスク君に鼾を気遣いながらも
午前5時には起床。約4時間だがまずまず熟睡。
鼾もそれほどではなかった?とか。
気を使わせたかな?

アナナスホテルは500室以上ある大きなホテル。
団体利用が多く、貸切バスもひっきりなしに到着。
日本からのパックツアーは東欧、南欧からのツアーも
来ていた。バイキングスタイルの朝食レストランは
大賑わい。それでも座席は多く、広々としているので
短期滞在、移動の拠点としての利用には適している。
朝食も十分バラエティがあり、パンもまずまず美味しかった。

今回のメーンテーマの一つが「月の癒し」の著者
ヨハンナ・パウンガーさんと夫トーマス・ポッペさんに会うこと。
午前10時にホテルのロビーで待ち合わせと言うことで、
精力的に約束を取り付けたカオルさんは、
そわそわしながら待っていた。
和服に着替えた若い日本人女性の気力と思いやりを感じた。
父親みたいな年齢の私はただただ「大丈夫、必ず来られますよ・・
あんな本を書いた人だから・・・」と気休めのような言葉を
かけてばかりだった。



約束の時刻きっかりにトーマスさんはやって来た。
顔も姿もわからなかったはずなのに、大勢が出入りする
ドアから入ってきた彼はすぐにわかった。
特に目立つ風貌でもないが、わかった。
落ち着きとやさしさが漂っていて、旧知の友人のようだった。

午前中はホテルのラウンジの一角を占有し(急遽)
トーマスさんとの会話を参加者全員で楽しんだ。
私を含めて著書を精読してきた参加者は興味深く
熱心に聞き入っていた。
英語の話せないヨハンナさんは自宅にいるようで、
午後、自宅でお会いできるとのこと。

昼食はご自宅近くのイタリヤレストランに行くことになった。
トーマスさんのハイブリットカー・トヨタレクサスに4名が乗り、
残りは地下鉄とバスを乗り継いで移動した。
Casa Vecchia は古くからのワインセラーを改装した
とても雰囲気のいいレストランだった。
ご夫妻にお任せして選んだパスタとピザを味わった。
楽しいランチ後、ピストン輸送でお宅訪問。

ウイーン郊外の高台に立つ瀟洒な住宅は、高級住宅には違いないが
著書から連想できるセンスの良さがいたるところに表れていた。

リビングからの素晴らしい展望


月を描いたステンドグラスの玄関


月の窓・・・トイレの(①に紹介した月の便器とのセット)


庭の東屋



ハーブティと多分ザルツブルガーノーケル(白い砂糖をふりかけたような)
やスコーンがたくさん用意してあった。
本来は3、4名で訪ねるはずが当日は12名になっていたので、
準備が大変だったのではないかと想像したが、
まったく素振りが見えなかった。
子供達3人(長男17歳から小学生の長女、次女)は
突然の日本人グループの来襲にも動じず、自然な振る舞いで
挨拶してくれた。もちろん親の「あいさつしなさい!」という命令に
従ったわけでもなく。
こんな家庭があるから、あの本から生まれた、
あの本があるから、こんな暮らしができた・・・・
どちらでもいいが訪問した全員が「月のリズム」を感じたのは確かだ。

「月の癒し」の原題である「自分の力で」に紹介されているメッセージ
「月の力に導かれながら、自然との一体感を取り戻し、そして自分を癒す・・・」
「自分という宇宙の中で、自分自身が主役を演じていこう」

身も心も実感することができた1日だった。
参加者全員が同感だったと確信する。