エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

直嶋経産大臣「家庭CDMとエコポイント」に積極発言

2009-12-04 00:04:04 | Weblog
 11月3日経済産業省の「成長戦略検討会議」が開催されましたが(こちらをご覧ください)、そこで直嶋経産大臣は「地球温暖化対策については、家庭とオフィスの省エネが重要。省エネ家電の利用で、電力消費量はもっと下げられるのだから、省エネ製品に対するCDMの仕組み,あるいはポイント制などのインセンティブを付けるべき」、「省エネは、最終的には初期投資のコストを回収できるのでコストを考えてはいけない。こういうことを「見える化」して理解を広げることが重要」等と述べ、「家庭CDMとエコポイント」に積極的な発言をしました。関連部分を再掲します。


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(低炭素)
・環境問題に関しては、日本はエネルギー効率が既に非常に高く、日本の環境技術は、国際貢献の観点でも、国際的なビジネス展開の可能性においても、大きなアドバンテージを持つ。途上国の温暖化対策を進めるためには、この技術を使うべき。途上国に対して、今のままで成長を続ければ将来はより大きな環境コストを負うことになることを気付かせるべき。
・2050年には、先進国では需要が飽和し、古くなった家や車を交換するだけになるために排出量自体は自然減尐するが、なおエネルギー効率を上げていくことが必要。途上国については経済成長に伴ってより多くの最終製品が必要になるため、排出量は増大。エネルギー効率を高めることを義務とすべき。その際、エネルギー効率の良い日本の製品を世界のマーケットに売ることを、日本の外需獲得戦略とすべき。
・日本のエネルギー消費の内訳をみると、ものづくり、エネルギー転換(発電)よりも日々のくらしによる消費のほうが大きい。消費構造に目を向ければ家庭、オフィス、運輸分野での戦略が必要であることは明らか。日本の製造業の効率は世界一であり、これを更に改善することは難しい。日本は二酸化炭素対策を間違ってきた。公害対策は製造業への排出規制で成功したが、二酸化対策としては、家庭・オフィス・運輸での取組を進めることが必要。日々のくらしを中心に25%目標を達成することも試算できた。
・地球温暖化対策については、家庭とオフィスの省エネが重要。省エネ家電の利用で、電力消費量はもっと下げられるのだから、省エネ製品に対するCDMの仕組み,あるいはポイント制などのインセンティブを付けるべき。また、中長期的には原子力発電の割合を上げるべきだと思う。
・これまで、国が規制をかけてきたのは、主に産業界。個人の使用過程については、意識の高い人が積極的な取組をしているだけで、本格的な議論はされ
てきていない。
・核家族化が進んでいることもあり、民生分野の省エネがなかなか進まない。また、地方は1つの家族が持つ車の数が多いため、ハイブリッド型の自動車に買い換えてもやはり排出量が大きい。したがって、地域全体で自然エネルギーへの代替を進め、エネルギーの自給率を高めるべき。
・家庭の省エネについて、これまで議論が十分でなかったのは、個々の家庭がどの程度負担するのかという問題につながるから。環境は大切だが自分は負担したくないというマインドが見直されるべき。
・省エネは、最終的には初期投資のコストを回収できるのでコストを考えてはいけない。こういうことを「見える化」して理解を広げることが重要。
・家庭の消費するエネルギーは1990年に比べ大幅に上がっている。その多くがエアコンによるものだが、これは部屋ごとにエアコンが設置されるようになったため。省エネに優れた製品を使うインセンティブを付与し、消費者の価値観を変えていくべき。オフィスも大幅に電力消費量が増えたが、これはパソコンが大きな要因の一つだった。さらなるイノベーションも必要か。
・物流産業におけるモーダルシフトも重要。陸上物流は運転手の高齢化で危機的状況にあるのに、貨物鉄道が下火になっており、モーダルシフトが進まない。もともと日本では、自動車が普及する前に鉄道整備ができていたという歴史的土壌を再評価すべき。
・政府の役割として、国際的なイコール・フッティングの確保がある。地球温暖化対策については、途上国も含めて排出量削減の枠組みに参加するという前提が無いと、日本だけハンディキャップが大きくなってしまう。ハンディキャップが大きく中では国内での生産が難しくなる。

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