「05年比15%減」を中期目標とした麻生内閣時代の中期目標検討会に関しては、国民負担の出し方に関する可処分所得の減少と光熱費の負担のダブルカウントなどの問題点が指摘されていますが、さらに3点、試算方法における問題点もあります。
第一は、同検討会の検討は、日本エネルギー経済研究所と国立環境研究所の2組織が積み上げ法で削減可能量を試算したものをベースとしていますが、いずれも、鉄鋼生産量などの数値は、業界からのアンケートの数字をそのまま使用し、2008年9月以降のリーマンショック後の経済構造の変革を全く考慮していなかったことです。
この点は、先日2008年度の日本全体のCO2排出量の速報値が環境省から公表されたところですが、そこでは特に産業部門からのCO2排出量が相当落ち込んだことが示されています。中期目標検討会の検討が行われたのは今年の春。すでにその時点では、100年に1度とも言われる経済危機への対応の在り方が世界挙げて議論されていたころですから、杜撰と批判されても仕方がないと思います。
第二は、技術シナリオを、現存の技術のみに限定し、社会システムを変更することに関しては考慮外でした。この点は、シンクタンクである日本エネルギー経済研究所と国立環境研究所の2組織というよりも、検討会自身が批判を免れないものと思われます。
第三に、「05年比15%減」は決定直前までは「05年比14%減」でした。最終段階で、麻生総理(当時)により、2020年における太陽光発電の目標値を05年比10倍から20倍に引き上げるという”政治決断”がなされて「05年比15%減」に引き上げられたものです。このような”政治決断”の裏に全く、精緻な判断がなされていなかったことも反省されなければなりません。
第一は、同検討会の検討は、日本エネルギー経済研究所と国立環境研究所の2組織が積み上げ法で削減可能量を試算したものをベースとしていますが、いずれも、鉄鋼生産量などの数値は、業界からのアンケートの数字をそのまま使用し、2008年9月以降のリーマンショック後の経済構造の変革を全く考慮していなかったことです。
この点は、先日2008年度の日本全体のCO2排出量の速報値が環境省から公表されたところですが、そこでは特に産業部門からのCO2排出量が相当落ち込んだことが示されています。中期目標検討会の検討が行われたのは今年の春。すでにその時点では、100年に1度とも言われる経済危機への対応の在り方が世界挙げて議論されていたころですから、杜撰と批判されても仕方がないと思います。
第二は、技術シナリオを、現存の技術のみに限定し、社会システムを変更することに関しては考慮外でした。この点は、シンクタンクである日本エネルギー経済研究所と国立環境研究所の2組織というよりも、検討会自身が批判を免れないものと思われます。
第三に、「05年比15%減」は決定直前までは「05年比14%減」でした。最終段階で、麻生総理(当時)により、2020年における太陽光発電の目標値を05年比10倍から20倍に引き上げるという”政治決断”がなされて「05年比15%減」に引き上げられたものです。このような”政治決断”の裏に全く、精緻な判断がなされていなかったことも反省されなければなりません。