新 ゆ~ゆ~日記

一生独身を決めた男の自堕落で貧乏くさい日記

熊本地震の記憶 Part2

2016年11月26日 | 熊本地震
 2016年4月16日 午前1時半頃(1時25分)
 
 すっかり油断して、PS4の「フォールアウト4」をプレイしながら、そろそろ寝ようと思っていると、再び巨大地震発生。
 今度のは、14日にあった地震より激しく、20~30秒くらい揺れたと思う。「思う」というのは、あまりの衝撃で記憶が曖昧になっているため。
 でもどんな衝撃か、どんな揺れだったかは覚えている。表すとすれば、小さい頃に昆虫を虫かごに入れて揺さぶって遊んだように、巨人に自分が箱に入れられて揺さぶられて弄ばれている感じ。
 最初の地震は、PC用の椅子に座っていたので、すぐに立って逃げられたけど、今度は座椅子に座っていたというのもあり、全く立てず、ただただ揺れる室内と再び棚から落ちてくる本やCDを見ているだけで何も出来ず。
 そして今度も揺れている最中に携帯電話から「地震です 地震です」の警報。「そぎゃんこつ言われたってもう揺れとるたい!!」と思いながらも何も出来ず。
 倉庫の方からは激しい警報アラームが聞こえる。買い物用のスクーターが倒れた時に作動したと思われる。
 揺れがおさまってくると、なんとか立てたので、携帯電話と財布と、また地震が来たときのために玄関に常備してた着替えなどが入ったリュックを持って外へ。
 しかし、玄関が開かない!軽くパニックになりながら、それでもどうにかこじ開けて外へ出ると、直後に停電。
 停電とほぼ同時に、道路から「ブシューッ!」という不気味な音が真っ暗闇で鳴り響く。
 何事かとライトで照らしてみると、道路の側溝から水道管が破裂したのか大量の水が吹き出ていた。
 よく見ると、家の前の舗装道には何本もの大きな亀裂。
 マンホールの蓋が、地盤が沈下したからなのか、それとも下から突き上げたのか、15cmほど盛り上がっていて、そこらじゅうで液状化が。
 
 
 家が心配になって、ライトで家を照らすと、明らかに傾いているのがわかる。ロックもして閉めていたはずの台所の窓が開いている。
 更によく見ると、暗い中でも公園側の地面が30cmほど沈下しているのがわかり、それによって家が傾いたとわかった。
 部屋着で外へ飛び出ていたので、とりあえず前回も避難した裏の公園へ行き、真っ暗な中、ライトだけを頼りに着替えていると、公園の地面にも亀裂が。
 ここも危ないと判断し、道路へ戻ると、倉庫のシャッターの真ん中の支柱が道路に飛び出し、シャッターはあり得ないほど歪んでいる。
 一旦支柱を抜き、シャッターを上げてみるものの、一人ではなかなか上がらず、苦戦していると、通りすがりの全く知らない人が手を貸してくれてなんとか元に戻せた。
 シャッターが開閉できるようになったので、倉庫に入ってみると、外観も中も、ほぼ被害無し。鉄筋で頑丈だった上に屋根がスレートで軽かったからかもしれない。
 スクーターは案の定倒れていた。あとは、倉庫内の梁の上に載せてあった大きめの板が落ちて車に当たっていたが、目立った傷は入っておらず。
 それと、我が家で一番高価であろう大事な大事な大型バイクは、2度の震度6以上を耐え抜いていて、それだけが不幸中の幸い。
 あとで聞いたことだが、置いていた向きによって倒れたバイクと倒れなかったバイクがあったらしい。
 
 
 とりあえず車を倉庫から出し、落ち着いて改めて道路の方へ行くと、どこかから漏れたであろうガスの臭いや灯油の臭いなど、明らかにただ事ではない異様な空気に包まれている。
 よく見ると、家の前の病院の駐車場の暗闇の中に人がたくさん集まっており、寒そうに立っていたので、座って落ち着くように、倉庫にあった段ボールを地面が液状化でグチャグチャの中、十数枚差し入れ。
 「立ったままだと落ち着かんでしょうけん、とりあえずこれに座って落ち着かんですか?」と段ボールと、山で遭難したときに便利な遮熱シートを持って行くと、「お前、誰?」みたいな感じで見られて、何か違和感。
 段ボールはとりあえず受け取ってはくれたけど、誰も座ろうとせず。「せっかく好意で差し入れたのに何だこいつら?」と思っていると、誰かが「津波がくるみたい」と言いだし、軽くみんなパニック。
 慌てて真偽を確かめようとワンセグで情報を得ようと思ったら、ヘンテコなアンテナを刺さないと観れないタイプのスマホだったため、それを家に忘れて来てたので確かめられず。
 家に戻るけど、傾いているのでビクビクしながらテレビの電源落としたり、ブレーカーも落として、このまま居たら危ないと判断し、必要になるかもしれない物と、犬のさくらさんを車に乗せて、どこか避難所を求めて彷徨う。
 卒業した中学校に行ってみると、被災者を受け入れていたけど、運動場まで車でいっぱいだったので、別の近く高校へ行ってみると運動場に余裕があり、車を止めた。
 体育館に被災者が集まっているというので、行ってみると、とても落ち着いて居られないような雰囲気で、再び車へ。
 「犬も居るし、イビキもうるさいのでやっぱり避難所は無理だな」と思っていると、そういえば入院中の叔母はどうなったのだろうと思い、高校をあとにして病院へ行ってみる。
 さすがに病院だけあって、倒壊はしていないし、自家発電で照明も点いていて、駐車場に案内係が居たので、「叔母の様子を見に来ました」というと深夜だというのに中へ入れてもらえた。
 エレベーターが止まっているというので、案内されながら真っ暗な非常階段をライトで照らしながら病室へ行くと、隣のベッドのおばさんは「怖かったね~」と言っていたが、叔母は何事もなかったように寝てて、一度目を開けたけど、すぐにまた寝た。
 
 病院を出ると、少し明るくなってきてて、帰りの道中は、やはりそこかしらの道路に亀裂。
 早くも通行止めにしてある道もあって、倒壊した家、傾いた家だらけで、さながらこの世の終わりのような光景だった。
 家に戻ると、倉庫は無事だったので、ずっと倉庫に居て、その日は一睡もせず。というか、地震の警報アラームが何度も鳴るので寝てもおられず。
 完全に日が昇ると、さすがに腹が減ったので、またビクビクしながら家の中へ戻ってカセットコンロとヤカンを取ってきて、非常用のカップラーメンを食べた。
 その時確かめたけど水はどこかで水道管がやられているのか断水。
 
 
 
 

 昼前くらいに、近所のオッサンが「水が欲しい方は○○へ!」と少し遠くにある工場で給水していると拡声器を使って呼びかけていて、その後、家の前の病院の駐車場に居たので、詳しく聞きに行くと、なんとみんな駐車場で炊き出しを食べているではないか!
 朝方も2軒隣の同級生のお母さんとすれ違ったのに、何か話しかけようかとしているとプイッとそっぽを向かれ、「大丈夫だった?」みたいな心配する声かけもしてもらえず完全スルー。町内会費を断ったからだろう。
 駐車場でもみんなでスルーしながら普通におにぎりとか食べてるし。給水の場所を呼びかけていたオッサンは良い人みたいで、「一緒に食べていかんね」と言ってくれたけど、それでも他の人は完全スルー。
 あんまりみんながスルーするので、オッサンが業を煮やしたのかスルーしてた人に「ほら、おにぎりやらんね!」「こぎゃんときに仲良くしとかんと いつ仲良くするとね!!」と言うと、しぶしぶといった感じでおにぎりを1個くれた。もちろんそんなの全然美味しくはない。
 本震直後の段ボールを差し入れたときの違和感はこれだったのだろう。
 町内会費を払わなかっただけで村八分にして自分たちばっかり炊き出し食べてるとか、もう絶対に町内会費は払わないし、金輪際この駐車場に集まっている人たちとは口をきくまいと誓う。
 後日も炊き出しがあったかもしれないけど、それすらわからず。
 
 日中は倉庫でラジオを聴きながら待機してたが、何度も強めの余震がきて、その度に外へ飛び出る。
 時折、外が臭くなる。公園側に地盤沈下して出来たいくつかの亀裂の一番大きな亀裂から濁った臭い水が絶え間なくではなく、定期的に溢れ出ていた。
 何の水かもわからなかったが、たぶん下水管が破裂して、それから下水が溢れてきている模様。
 
 昼過ぎ、水が貰えるという工場へ、湧水を汲む時に使っていたポリタンクを2つ持って行き、満タンに汲んでもらう。これでしばらくは手を洗う水などは確保。ついでにトイレも借りられた。

 夕方近くになり、食料をなんとか確保しようと、車で行くと混むだろうからスクーターで買い出し。
 やっぱりコンビニはどこも食べ物が底をついており、営業出来ないスーパーだらけ。いくつかホームセンターへ行ってみると、荒れた店内から掻き出してきた電池やカセットボンベを店頭販売してたので、電池とボンベを購入。
 帰りに通りすがりのコンビニに配送トラックが入っていくのを目にして、「大チャンスだ!」とばかりに飛び込むと、大正解!パンを搬入するところで、何パンかもわからず、みんなで群がってすぐに完売。
 それと、ちょうどタイミング良くドッグフードが無くなりそうだったのを思い出して、犬のエサを探すけど売ってなくて、仕方なく猫用のドライフードを「たぶん食うだろう」と購入。(やっぱり普通に食べた)
 とりあえず今日の分の食料は確保出来たけど、停電しているのでレジが電卓の手打ち計算で1時間くらいパンを持って並んだ。
 
 宇土付近を通りかかった時の空の写真。変な筋状の雲なのか、地震による波動なのか何かよくわからない筋が出来ていた。
 
 
 夜になり、車中泊をしようかと思うが、軽自動車で大男なので窮屈で眠れないだろうと、倉庫内にキャンプ用のテントを設営。
 布団も運び出して、夕食をテント内で食べて横になると一睡もしてなかったのですぐに睡魔が襲い、寝たが、それも余震や真横の道路を走るトラックなどの音や振動で何度も起こされた。

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