橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

朝日新聞「がん おひとりさま5情報編」を読む〜お金の切れ目が命の切れ目か?

2016-01-17 14:24:32 | がん徒然草

ちょっと間があいてしまったが、朝日新聞に連載していた「がん おひとりさま5」最終回は情報編。おひとりさまのがん患者の心配の最大のものは身体のことをのぞけば、「お金」につきるようだ。

朝日新聞「がん おひとりさま5 情報編 独身患者の集いも」

「お金の切れ目が命の切れ目」と考える人が少なくない。確かにそうだろう。標準治療をやったとしても、私のように別の方法を選んだとしても、お金が通常の生活よりかかるのは事実だ。私も経済的に余裕が無い中、最初はどうしようかなと思ったが、幸か不幸か、お金のないことがいまのところいい方につながっている。

標準的な治療はやっていない私であるが、非常に高額な代替医療を受けたわけではない。以下が1年半前、再発といわれて以降の私のお金のかかり方だ。6年前に唐突にそれまでの仕事を辞めてからの負の遺産を引きずっていたので、経済的に余裕はなく、実家のローンもあるのでしばらく仕事を休んでという選択肢はなかった。なので、なるべく体調に影響の無い方法を選びたい。また、月に10万以上の治療はありえず、できれば5万以下に抑えたい。というような制限により、検討の末、以下のような出費での治療におちついた。

食事療法のために、無農薬無肥料の野菜や玄米にかえたり、亜麻仁油やえごま油などちょっと高価な油にしたり、いい調味料に変えたりで、食費が結構高くなった。ただ、これは通常の食費+αだから、このαの部分を治療費と考えた。

このほか、ミネラルサプリやちょっとした診察で月に当初は4万円くらい、今は2万〜3万くらい。1回90分1万円の整体に3週間〜4週間に1回程度(当初半年は2週1回行っていた)。

簡易サウナで身体を温めているが、それは自宅にあるもの。10年前乳がん初発の時、月に1万円のローンを30回で払って買っていたのがあり、しばらく休眠していたが、今、大活躍。だからこれは電気代のみ。ただ、サウナを持ってる人なんて稀だろうから、岩盤浴とか、外部の施設に行かねばならない人は、これを週に2回だとしても、1回2500円としたらさらに月に2万円程かかる。でも、私と同じようなサウナなら、月1万円程度のローンで3年払えば購入でき、いつでも好きな時に入れます。

あと、再発当初は、足を冷やさない為に、遠赤外線の膝下を温める器具を買ったり、低速ジューサーを買ったり、玄米パンを作ろうとGOPANを買ったり、部分的に温めることのできる温熱器を買ったりと出費は多かったが、手術したと思えば費用は同じようなものだ。それに、低速ジューサーは今はほとんど使ってなくて、買わなくても良かったかも。

でも考えてみれば、これって、ちょっと身体に気を遣ってる健康な女性の出費とそんなに変わらないんじゃないだろうか。そう考えると、治療費とも言えないのかも知れない。化粧もあまりしなくなったし(いいもの食べてるから、あまり肌も荒れたりしなくなった気がする)、高価なシャンプーリンスもやめて石けんシャンプーだし、ヘアダイもやめて、自分でヘナでやるし、かからなくなったお金もある。まるで女優の小雪のようなエコ生活ねwwとうそぶいている今日この頃です。

今、通常の標準治療をやったら、月にいくらくらいかかるのだろう。
手術後、抗がん剤治療やってたとして、高額医療費免除だとして、月に7万から8万が自己負担だったと思うが、私の場合、抗がん剤治療がどのくらい続いたかも分からないので、比較はできない。

この朝日新聞の記事の最後には上野千鶴子さんのコメントで、障害年金も活用してとあったが、障害年金というのは、がん自体の症状が重かったり、治療の副作用によって通常の暮らしがおくれないくらいしんどい人にしか出ない。そういう状態になると働けなくなるのを危惧し、副作用のでない治療法を選んだ私のような人は障害年金の対象にならないのだ。

まあ、私の方法は今の世の中では特殊の部類なので、比較の対象にならないかもしれないが、経済的に余裕がなく、経済的に頼れる親族もおらず、ということが、かえって私を精神的にも肉体的にも楽な方向に導いたことはなんだか皮肉だなあと思うのであります。

もちろん、私もこのままお金がなくっていいというわけではなく、できれば余裕を作って、今の自転車操業を脱し、たまにはゆっくりとリゾートにでも行きたいと思っています。一応、まだがん患者ですから。

でも、ローン抱えたあとがんが見つかり、にもかかわらず、義憤から仕事やめたり、がん再発したりと、いろいろあって、この年齢でお金が無いという現実がある中、どっかでがっつり貯金を作るにはどうしたらいいのかなあというのが今年の目標です。

「下流老人」という本を先日手にし、まあ下手すれば私もそうなるんだろうと思いました。でも、こういう危惧というのは今の常識を前提にしてこそあるもので、その前提に立っていては、この複雑に絡み合った厳しい現実は到底覆すことは難しいのです。だからというので、今の社会には破壊願望がはびこり始めているようにも見受けられますが、常識を破壊するというのではなく、見方をちょっと変えてみるということでしょうか。

今年の目標は見方を変えて、自分の人生に挑んでみる、です。
じゃあ、どう変えていくのか、それはこれからの実践次第というか、自分にもまだちゃんと見えていませんが、なにか分かったら少しずつ報告します。ああ、とりとめもなくなっちゃいました…。


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