橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

久々にブログ再開。仕事辞めて1年半、やっと不惑の再出発の気分です。

2011-10-24 04:33:15 | Weblog

久しぶりのブログアップです。ツイッターの自動掲載以外の記事は、9月26日以来。下書きに2つ程アップしようとした形跡はあるものの、完成に至らず、下書きのまま捨て置かれています。

お盆に開催した火鉢クラブ主催の納涼会の準備や後片付けが思いのほか大変で、その後、灰になっておりました。灰になるだけならいいのですが、少し症状が出始めていた四十肩が悪化、夜も寝返りが打てない、じっとしてても痺れるという状態になってしまったのです。なんとか昼間の活動はこなしましたが、ブログのアップまでは気力がありませんでした。よる年波には勝てませんなー。もう、「がんばる」だけでは物事はこなせない。剛ではなく柔の身のこなしを身につけねばとひしひしと感じています。甲野善紀先生の身体操法学ぶベか~。

そんな身体的には季節の変わり目の辛さを感じる今日この頃ではありますが、納涼会終了から現在までの2ヶ月の間、京都で行われた、茶の湯炭の世界全国大会に参加したり、1日限り、超小規模のプチ火鉢カフェをやってみたり、それを時代劇チャンネルさんに取材していただいたり、なんやかやと楽しくやっておりました。また、通常の火鉢カフェも11月後半にやろうと画策中です。

ところで、TVの仕事辞めてからもう1年半です。完全に日常生活のあり方が変わりました。収入が無く、貧乏生活を続けたせいで、お金があまりなくても比較的平気な事、でもあんまりない期間が長く続くと疲れてくる事を実感。

また、いくつかモノ作りをして売ってみた体験と、震災後の状況の変化などから、日本人の消費行動とか、寄付に対する考え方とか、震災前とはちょっと違った見方をするようになりました。震災前に考えて始めた寄付付きメイドインジャパン商品の販売も、多くの方にご協力いただき、実現したのですが、震災後、ちょっと方針を考え直すべく、新たな商品開発は行っていません。

NGOへの寄付とメイドインジャパン応援を両立できると思った始めたのですが、実際にご協力いただける会社は、比較的余裕のあるところで、本当に助けねばならない会社などは、そんな余裕さえない感じです。それに、それなりの大きさの会社の場合、小ロット生産は、かえって迷惑になってしまうこともあります。当初は私も、この新しい商品のあり方をアピールして、それなりの数の受注をと考えていました。しかし、そのためには結局、既存の流通や宣伝方法を採るしか無く、震災後、雨後の竹の子のように大企業のチャリティ商品が安価でかつ、高い寄付割合で出てきて、そのネームバリューで、ネット販売なども伸びているのを見ると、これは勝負にならんわと、大企業と零細の格差を見せつけられた次第です。やはり、零細は地道に小さいロットで作って、じわじわ人気が出るのを待つ戦略しかない。限定の魅力でやるしかない。それなりの大きさの工場との仕事はなかなか難しいなあと思います。

繊維関係のジャーナリスト南充浩さんがブログで、「メイドインジャパンブームは消え去る前の一瞬の輝き」という記事をアップされています。メイドインジャパン、メイドインジャパンと騒いでも、結局、職人として働こうという若者はそうそうおらず、現在70代だの下手すると80代の職人に支えられている繊維産業は風前の灯であることには変わりがない。メイドインジャパンは最後の輝きを放って、近いうちに消えていくだろうと皮肉まじりに書かれています。

その通りなのです。結局は私がやっていた事も、自己満足でしかなく、問題解決には焼け石に水。それだたら、商品開発などやらずに、TPP反対のブログでもせっせと書いて、拡散させていた方がいいのではないか・・・。南さんのブログを読みながら、自分の浅はかさとともに、自分は何がやれるのか、日本のもの作りとは何かをいま一度考えています。

おりしも、先日、中沢新一氏が明治大学で立ち上げる「野生の科学研究所」の開所シンポジウムに行ったところ、この研究所では、経験によって培われる日本の職人の技術を分析して、数値化したり、一般化して継承できる形にする作業をやっていきたいとの話。もちろん、職人技には説明できない部分がありますが、後世の人間が、その技を再現したいと思った時に、少しでもガイドになる資料を作っておきたいとのことのようです。風前の灯となった日本の職人の技術にとっては、そちらのほうが全く有用ではないか。そう思いました。

私がこの一年間、勢いにまかせてやってきた活動の中には、今後も続けていくべきことがらもある一方で、浅はかだった部分もあります。震災を経験し、さまざまな問題点や今後の日本のゆく道が少しずつ見え始めている今、いま一度この1年にやってきたことを見直し、自分のやれる事をピックアップしたいと思います。

自分が携わるモノ作りに関しては、小ロットで作れる範囲のものを細々と作っていきたいと思います。そしてやはり、文章を書いたり、アイディア出しをしたり、炭の良さを広める火鉢カフェイベントをやったり表現する事を仕事の中心にしていきたいと思います。この通り、文章は稚拙ではありますが、なんとか書き続けたいと思います。

納涼会の後、無記名ではありますが、ライター的な仕事をひとつさせていただいています。さすがに生活費を稼がないとやばいので、ちょうど話があったこともあり受けさせていただきました。日々、勉強になっています。20年続けた仕事を辞めて、ぎりぎりガケップチまで行って、どうなることかと思いましたが、やっと先が見えてきそうな気がしています。あとは、来年6月の住宅ローンモラトリアム終了までに、収入をもとにもどすことを目標に、不惑の再出発がやっとここら辺から始まったのかなあという感じです。

というわけで、しばらく休んでいたブログを再開します。

最後に改めて、この一年間、ご迷惑をおかけした皆様、色々ご協力いただいた皆様、本当にお世話になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。