橋本治とナンシー関のいない世界で

「上野駅から夜汽車に乗って」改題
とうとう橋本治までなくなってしまった。
平成終わりの年にさらに改題してリスタート。

八ッ場ダム ハイキング&日帰り温泉もいける!

2009-11-29 11:16:31 | Weblog
ここはどこでしょう 八ッ場ダム


ゆうべ、八ッ場ダムの記事をアップしたので、映像もアップしときます。
今年の10月中旬ごろの映像で、youtubeにアップしたものです。
温泉街とかも撮ってるのですが、鉄道やバスが走る様が
風景にマッチして印象に残ったので、そこらへんをピックアップ。
映像にある鉄橋を走る列車は、外国人観光客も写真に収めようと
次にくる列車も待っていました。
もっと引いて撮影すれば周りの景色も入ったのだけど、
列車が来たのに気づいてとっさにカメラを回したので
焦って画角までこだわれませんでした。

映像にある吾妻峡(吾妻渓谷)は、ちょうどダムに沈む予定だった場所。
散策コースになっていて、アップダウンがあるので
小1時間ほど歩くと、結構いい運動になります。
途中で小さい滝もあり、緑に囲まれマイナスイオン出まくり。
リフレッシュできます。
いい汗かいた後、満を持して温泉へ。
共同浴場もあります。

<笹湯>


写真の「笹湯」のほか「王湯」というのが有名です。

<「王湯」の記事>
http://www.joy.hi-ho.ne.jp/ma0011/T-Gunma07.htm
「王湯」の入浴料金はなんと300円。銭湯よりも安いです。

「王湯」でひとっ風呂浴びた後は、お食事処「旬」で生ビール!
私が言った時は、冷や奴と鳥モモの塩焼きなどとともにいただきました。
つまみはかなりボリュームあり!
この店は昨日のブログ記事に蕎麦の写真を載っけた
駅横にある「トネリコ」と姉妹店。奥さんが「トネリコ」
ご主人が「旬」をやっているとのこと。

<川原湯温泉お店リスト>
http://www.kawarayu.jp/list/list2.htm#syun

八ッ場ダム報道で、立ち寄る人は多いが、
ほんとに立ち寄るだけで、例の建設中の橋脚を見たら
すぐ立ち去る人が多く、食事したりお土産買ったり
お金を落としていってくれる人が少ないと、お店の人は嘆いてました。
ここは草津や、その先の軽井沢へ行く経路の途中にあって
通り過ぎるだけの人が多いんですよね。

でもね、いいものありますよ。例えばこれ


この豊田乳業の飲むヨーグルトは本当に旨い!
散策中に飲みましたが、おすすめです。150円と値段も安い。


それと、この土産屋お福で売ってる「名勝もなか」も
なにげに美味しいのだ。おすすめ。

かつて、嵐がテレビ番組のコーナー「まごまご嵐」でお手伝いに来たんですね。

東京から川原湯温泉までの特急直行便「草津号」なら2時間ほど。
普通電車なら3時間強くらいでしょうか。
普通電車の運賃は片道2940円。
特急料金は2190円。特急料金が高いのよねえ。
日帰り温泉コースとしてハイキング気分でいいと思うのだが
住民補償の一環として
しばらくJRの料金値下げキャンペーンやったらどうでしょう。
運賃だけで特急に乗れたらもっと行くかな。
どうですか、前原さん!

ちなみに新宿からのバスは片道2600円、所要時間3時間半。

私は鉄道派なので、やっぱJR料金下げてほしいです。






八ッ場ダム「中止撤回署名」提出 住民のあきらめと抵抗

2009-11-29 04:54:43 | Weblog
間が空いてしまったが、先日「中止撤回を求める住民の署名」が提出されたようなので、
八ッ場ダムについての続きを書こうと思う。
ちょっと前半は前回書いたものと内容がダブるが、
前回書いたようなことを考えるに至った、地元の人との具体的やりとりを
あらためて書いときたいと思うので。


1ヶ月ほど前、私が八ッ場ダムを尋ねた時、
「中止撤回を求める署名」の用紙が置いてあって、どうぞお願いしますと言われた。
しかし、私は中止した方がいいと思っているので、署名できない。
そこで、署名を求めるばあちゃんに聞いてみた。

  私「中止撤回を求めるということはコンクリートのダムが
    欲しいということなの?」

ばあちゃん「それはどっちでもいい」

  私「じゃあ、なぜ中止撤回の署名を集めているの?」

ばあちゃん「署名がたくさん集まるということは、
      世の中の人が八ッ場ダムの問題に興味を持って
      くれているということの証明だから、これを政府につきつけ、
      こんなに多くの人が注視していると訴えるの」

  私「え、でもそれって誤解されない?
    どうみても、強くコンクリートダムの建設を望んでるように
    見えるよそれは。」

ばあちゃん「でも政府に訴えないと」

というようなやり取りが行われたのだった。

ダムが本当に必要なのかどうかとか、
本当は作っても治水利水効果はほとんど無いんじゃないかとか
多分ばあちゃんたち地元の人は、この50数年間、常に問い続けて来た。
そして、役人たちから「必要であることを証明する」理由を嫌というほど
聞かされたに違いない。
それを思えば、コンクリートのダムを作るか作らないかなんていうことは、
ある意味「どっちでもいい」ことなのかもしれない。

だって、「本当に必要なの?」と何度聞いたって、
これまで国は「必要な理由」しか説明してくれなかったのだろうから。

そう、地元民はダムを造るか造らないかは、もはやどっちでもいいのだ。
その言葉の裏側には、彼らがこの52年間で骨身に沁みたことが根深く横たわっている。


『国が決めたことは変わりゃしないんだから』


さっきのやりとりの後、ばあちゃんはこう言ったのだ。
そう、52年前に決まったダム建設計画は、
これまで、どんな反対があろうが、住民にどんな不幸があろうが、
決して変わることはなかった。
今回、政権が変わって中止の方針に変わったが、
その新しい方針も自民党時代と同様、
どうせ変わることはないだろうと刷り込まれているのだ。

52年間もダム計画と向き合って生きるということが、
あなたに想像できるだろうか。
52年という、私が生まれるよりもずっと前からダム計画に翻弄されて来た
いわば、人生すべてがダムとの戦いだった人々にとって、
それは、いたしかたないことだ。


だからこそ、せめてもの抵抗として、『反対』の狼煙を上げるのかもしれない。
自分たちの後ろには多くの世論という味方がついていることを証明する大量の署名と共に。
かつて、誰も顧みてくれず、国(自民党政権)に対し
何のパワーも持ち得なかった自分たちの反対運動が、方向は反対に変わったとはいえ、
以前よりも大きなパワーを持ち得るかもしれないのだ。

<吾妻渓谷の紅葉の向こうに建設がちょっとだけ始まったダムのコンクリが>


しかし、今一歩引いて冷静に考えれば、
やはり、八ッ場の人々の気持ちがどうであったとしても、
ここでダム建設を再開することはいいことだとは思えない。
品木ダムで行われている酸性水の中和による廃棄物の問題や
その莫大な費用の問題に象徴される八ッ場ダムの必要性についてのまやかしの数々をそのままに、
ダムを建設することは、絶対に新たな時代に向けて禍根を残すことになる。
(八ッ場ダム必要性のまやかしについては、ここで書くと長くなるので
 保坂展人さんのブログ「どこどこ日記」などを参考にして下さい。)

もちろん、ダムを造らなかった場合、地元の人が暮らしていけるだけの
別の補償と観光振興策は早急に実施されなければいけない。

政府は、それを前提として、地元の人に土下座するしかないのだ。
「どうか中止させて下さい」と。
そして、その理由が単なる財政の問題だけでなく、
自分たちが目指すよりよき日本を作るためには、
どうしても必要なことであるということを誠意を持って説明せねばならない。
もちろん、あやまるべきは自民党の建設族や役人なのかもしれないが、
それを一手に引き受けるのが、時の権力者である現政府の役目でもあると思う。

先日、鳩山さんが「大変苦労されてこられた住民の思いを重視しなければならない」として
極力早い結論が出るようにすると言ったとか。
大澤知事はこの鳩山さんの発言に対し
「今までは一刀両断だったが、しっかり検証すると言っていただいた。
 地元の皆さんも力強く感じたのではないか」と話したらしい。

じゃあ、鳩山さん!
政府は中止を撤回することだってありうるというのでしょうか。
政府が本気で「脱ダム」と「森林保全」を目指すのであれば、
そんな地元民に気を持たせるようなことを言ってはいけないのではないでしょうか。
鳩山さんの言葉の裏にある真意と大澤知事の言葉が表すものは
一致していない気がするが、それは言葉の表側からはわからない。
人は自分の都合のいいように誤解するものだということをもっと自覚した方がいいのではないか。
そうした誤解で苦しむのは、結局地元の一般の人だ。知事じゃないよ。
なんだか、いろんな政策でこんなことが多過ぎる気がする。

普天間移設問題でも、
「県外もしくは国外」か「辺野古」かで揺れている。
このところかなり「辺野古」に傾いているようだが・・。
しかし、私はこっちの問題では、
地元民に気を持たせるようなことを言うなとすんなり言えない。
八ッ場ダムは本質的に必要ないが、
基地は本質的には「国外」のほうがいいからだ
(私は近隣諸国の脅威なんてそんなにデカイのか懐疑的であるので)。

簡単に比べられる問題ではない。
とにかく、総理は信念を持ちつつ、発言は慎重にしたほうが良いと思う。


八ッ場ダムの話に戻るが。
治水を理由にダム建設を求めている1都5県の知事さん。
なぜ、浚渫や森林保全では、治水は無理と決めつけているのでしょうか。
ダムで治水大丈夫という保証だって無いのに、なんか大丈夫と決めつけてる。
そんなにダム作んなきゃダメという理由がわからん。

それとも、この不景気に、工事が中止になったら東京のゼネコンが潰れるからでしょうか。
下請け、孫請けの地元の土木業者にはたいしたお金が落ちないことは皆知っていると地元の人も言っていたし。
それならそれで、正直にそう言って、
ダム以外にゼネコンが生き延びる方法を早急に見つける相談をすべきですよ。
もちろんダム建設推進はそれが理由かどうかは分からないけど。

やましいことが無いのなら、ゼネコンで働く人だって生活を守んなきゃいけないのだから、
誰もそうした主張を責めないんじゃない???

でも、ゼネコン救済ではなく、
役人の天下り確保のためだったらもってのほかだけど。


駅前でやってる蕎麦です。美味しかったよ!!



政府が「デフレ宣言」。 しかし、私は考える「ユニクロの謎」を ~その1~

2009-11-21 02:55:03 | Weblog
今日、菅直人が「わが国経済が緩やかなデフレ状況にあると判断しました」と
デフレ宣言。デフレより、菅直人が国家戦略担当大臣のほか、
経済財政担当大臣でもあったことを思い出して、
あまりの印象の薄さにショックをうけたりしたのだが、
私にとって、この一週間でもっとショックをだったのが、
このデフレの象徴みたいな存在であるユニクロの「+J」だ。
言わずと知れた、世界的デザイナー、
ジル・サンダーデザインによる高品質路線商品。

あまりよくご存じない方にジル・サンダーを簡単に説明すると、
ジル・サンダーの洋服とは、本人も「装飾なきデザイン」を
コンセプトの一つとして挙げているように、ミニマルでシンプルでスタイリッシュ。
そして素材はものすごくこだわりがある高品質。
カッティングや縫製技術は最高峰。
そのためとってもお高くて、いくら洋服好きの私でも歯が立たない。
ウールのコートは30万円なら安い方という価格設定だ。

ただ、現在デパート等にあるジル・サンダーブランドは
ジル・サンダー本人のデザインではない(ラフ・シモンズのデザイン)。
企業としてのジル・サンダーはオーナーが次々変わり、
それらオーナーとの洋服作りへの哲学の違いから、
ジル本人はブランドのデザイナーの座を降りた。

そして、今、ユニクロのファーストリテイリングと契約し、
デザインの監修と「+J」のデザインを手がける。
今、ジル・サンダー本人のデザインの洋服が買えるのはユニクロだけなのだ。
そのジルサンダーがなぜ、ユニクロの仕事を引き受けたかは、
後で語るとして、この「+J」である。

初めて見るまではそれほど期待していなかったのだが、
ユニクロに行ってびっくり。
この「+J」ほかの商品と全然違う。かなりイイのだ。かなりどころか相当イイ。
ここ数年ユニクロの商品を買ったことのない私が、
思わず、コートとダウンとセーターを衝動買いしてしまった。
父から頼まれていたジャケットも「+J」で買ってしまった。

実は、何回か前の記事で、価格破壊ジーンズに対する批判を書いた。
デフレを呼ぶことと、価値観の崩壊を憂えた。
その時の記事には当然のごとくユニクロの名前も登場する。
そんな私が、ユニクロの商品をそんなに喜々として買っていいものか。
しかし、逡巡しながらも、
店内の鏡の前で、「+J」の12900円のコートを羽織った私は、
即座に『これは買いだ!』と心の中で叫んでいた。

これをどう評価したものか・・・。

もし、途上国で人件費を搾取でもしていた日には許さじ・・・なんて考えたりしつつ
「+J」のカーキのコートを試着して、店の鏡で斜め後ろ45度のフォルムをまじまじと見ていたら、
もしかして、このコラボ、私ごときが簡単に良いの悪いの言えるような
代物ではないんじゃないかという気がしてきた。
そのくらい、そのコートの腰から裾にかけてのラインの出方はかっこよかった。


次回 私は考える「ユニクロの謎」を ~その2~に続く
  
  *その後、ジル・サンダー氏のインタビューや
   ファーストリテイリング柳井社長の本を読んだ私の結論は・・・

どうなる普天間移設 名護市長選候補一本化

2009-11-19 16:47:32 | Weblog
このところアップしようと思うことは多いのだが、
ちょっと疲れていて書けなかった。
仕事の合間にとも思うのだが、そこまで、
てきぱきいくつもの事柄を処理できるほど集中力が続かなかった。

もっと、一つの記事を短くポイントだけにするべきか・・・。

ところで、普天間である。
今日は、防衛省から、普天間の名護移設の条件として、
嘉手納での訓練の縮小という話が出てきた。
もはや、県外移設を口にしているのは、政府内では鳩山さんだけなのだろうか?
状況は鳩山囲い込み作戦のような様相を呈してきている。
もう鳩山さんわがまま言うのはやめてくださいよ的な動きである。
閣内から、メディアから・・・。

そんな中、昨日、名護市の市長選の候補者が絞られてきた。
現職で、移設容認派の島袋氏に対して、野党側の候補が稲嶺氏に一本化された。
県外国外移設を主張している共産党の比嘉氏が、稲嶺氏の応援にまわった。
稲嶺氏が、名護市(辺野古)に基地は作らせないことを訴える
方針を固めたためということだ。
移設容認の島袋氏も、このところの政府内の発言を考慮して、
政府の方針が出れば、県内移設でも県外移設も容認する可能性を示唆している。

候補者たちは、政権交代後の閣僚の発言を見て、
県外移設の可能性も視野に入れ始めている。
もちろん県内移設での基地建設工事を期待していた地元土木業者は
反発するだろうが、
こうした市長選に向けての動きは、
今現在、政府やメディアが向かおうとしているかに見える
日米合意通りの決着(辺野古での基地建設)と反対のものだ。

鳩山さんはこうした地元の動きにどう対処するのだろうか?

そして、疑問なのは、本当にアメリカは、日米合意どおりの
基地建設でなければ、首を縦に振らないのかということだ。

一部では、外交条約は、国内法と違い、政権が変わったからといって
簡単に変えることができないものである、との声もある。
しかし、一方では、アメリカだって、政権交代後
チェコとポーランドへのMD(ミサイル防衛システム)配備をやめたのだから
日本だって方針を変えることができないはずはないという声もある。
現に鳩山さんもそう言っていた。

沖縄の米軍基地の問題をそれだけと考えないで
日本が50億ドルも拠出すると言っているアフガニスタン支援と天秤にかけて
交渉することはできないものか?

ただ、このアフガニスタン支援についても実効性には疑問があるので再考の余地はある。これが修正されて、より実効性のあるものになるのであれば、
十分の沖縄の基地問題を交渉する上での交渉材料になりうる気もするのだが・・・。

ざっと思いつくまま。

NHK BS2で ちあきなおみの特番!

2009-11-13 03:30:06 | Weblog
先日、ちあきなおみの「さとうきび畑」について書きましたが、
なんと、なんと、なんと、21日にBS2で
「BSまるごと大全集ちあきなおみ」が放送されることになったようです。
午後9時~10時59分
14日には、それに先立って、おなじくBS2で、
4年前に放送したものの再放送「歌伝説ちあきなおみ・ふたたび」
午後7時45分~9時29分を放送するそうです。
なんとタイムリー!!
21日の放送は生放送で、視聴者からのちあきなおみの歌に対するメッセージを
紹介するそうです。ただいまメッセージ絶賛募集中!
果たして「みんなのうた」の「さとうきび畑」の映像は残っているのか?
私も「さとうきび畑」についてのメッセージ送ろうと思います。

平和構築とは 伊勢崎賢治ジャズライブ

2009-11-10 11:33:26 | Weblog
7日、新宿のネイキッドロフトで紛争解決人・伊勢崎賢治氏の
jazz&トークセッションがあった。
トークのテーマは平和構築・紛争予防。


詳しくはこちら
http://hikeshi.org/index.html

伊勢崎さんはトランペット、ピアノとベースとの競演。
紛争解決人といってもご存じない方のために簡単に説明すると、
これまで東ティモールやシエラレオネで紛争解決にたずさわり、
タリバン政権崩壊後のアフガニスタンで武装解除を行った人だ。
現在はその経験をもとに、東京外国語大学で平和構築講座を持っている。
紛争当事国の若者も留学生としてやってきて平和構築を学んでいる。

そんな人がなぜに、ジャズライブなのか?

アフガニスタンに行っているとき、いつ死ぬか分からないと思って
一念発起、ずっとやりたいと思っていたジャズトランペッターを
目指すことにしたのだそうだ。
それから5年。自分より年下の先生の指導のもと、
血と汗と涙のにじむ猛特訓の末、ライブをやるまでの腕前に上達。
まずは、その演奏をご覧下さい。Iphoneで撮ったのでずいぶん揺れてますが・・。


伊勢崎賢治ジャズライブ in新宿


5年でここまで上手くなれるんだ~と感激しました。
いつ死ぬかもしれないからとはよく言うけれど、
それでもなかなか毎日努力するって難しい。
これは私もやらねば!という元気をいただきました。
とまあ、自分のことは置いといて・・。
Jazzの演奏以外で印象に残ったトークの内容を紹介しときます。

伊勢崎さんは、マエキタミヤコさん(ググって調べてね)と組んで、
「HIKESHI」という紛争予防のプロジェクトを立ち上げていて、
「ピースアド」というものに力を入れている。
「ピースアド」とは文字通り平和のアドバタイズ=宣伝かと思ったら、
そう単純でもないらしく、
伊勢崎さん曰く、「平和は宣伝しちゃいけないんですよ」。
どういうこと???
曰く、「平和というのはきわめて政治的なことだから」。

例えば、パレスチナで「平和を!」「武力は良くない」と言ったところで、
それは空虚だ。戦闘というものが、日常の中にある地域の人々に、
『ピース』と胸を張り、武器を捨てろと言えるのか?
欧米では武装組織として過激派の扱いを受けるパレスチナのハマスは、
実は正当な選挙で多数派を勝ち取った政権政党でもあったわけで、
社会福祉も担っていたりする。
イスラエルとの関係の中で、彼らは武器が必要だと判断したから持っている。
どっちが善か悪かなんて、そう簡単には決められない。

そんな状況の中で、武器を捨ててもらうには、
『ピース!』と訴えることでは無理だ。極めて政治的な駆け引きを要する。
だから、ピースアドは「平和」の宣伝ではない。

伊勢崎、マエキタ両氏は、
ピースアドとは「平和」の宣伝ではなく、
戦争の「虚しさ」や「ばかばかしさ」を分かってもらうために
宣伝を行うことだと語る。

トークの中では、かつて、戦争に人々を導いたプロパガンダの数々
(主にポスター)もプロジェクターで紹介された。

「ピースアド」を行う目的は、
そうしたプロパガンダがいかにアホ臭いかということを看破する知性を
養うことなのだろう。

「王様、もしかしてそれ裸っすか?」と言えたり、
「ほしがりません勝つまでは」に対し、
「でも、ちょっとくらいは欲しがってもいいんじゃね?」と言えたりね。
知性に裏打ちされたユーモアの感覚を養うことだと
私は勝手に解釈した。

「大義を疑え」。
これは戦争に限ったことではない。
多くの人が集まる所に生まれがちな「大義」を
笑い飛ばせる強さが平和に繋がると信じたい。

今回のトークではほかにも興味深い話がいろいろあった。

伊勢崎さんが出演したNHKの「課外授業ようこそ先輩」。
http://www.nhk.or.jp/kagaijugyou/archives/archives313.html
(実は、もう放送は終わっている。再放送予定はないが、
 今後、NHKオンデマンドで見られるようになるかもしれないとのこと。
 ちょっとググったら、この回の「ようこそ先輩」を見てまとめてる方が!
 http://blogs.yahoo.co.jp/givingtree/49507368.html )

出身小学校の6年生に対し、平和構築の授業。
仮に隣町に、武装しさらに軍拡をめざし、
自分たちの国に攻めてきそうな勢いの国があったら、
あなたは自国も武装して闘った方がいいと思うか
(現時点で自国は武装していない)というお題で、
子供達が国会議員になって徹底討論。
なぜ賛成なのか反対なのかを訴える宣伝コピーやポスターも作らせたそうだ。
この時の小学生の反応が相当興味深いものだったらしい。

今回のトークでは、この「ようこそ先輩」の話に先立って、
アンヌ・モレリの『戦争プロパガンダ10の法則』という本を紹介して、
権力が民衆を戦争に駆り立てる時には必ず決まった10の法則が
成り立つという話をしたのだが、
「ようこそ先輩」における、子供達の議論の中でも、
武装すべきだと主張する側は、
この10の法則にぴったり当てはまったのだそうだ。

<戦争プロパガンダ10の法則>byアンヌ・モレリ
(1)「われわれは戦争をしたくはない」
(2)「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
(3)「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
(4)「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
(5)「われわれも誤って犠牲を出すことがある。
    だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
(6)「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
(7)「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
(8)「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
(9)「われわれの大義は神聖なものである」
(10)「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」

つい最近にもこんな言葉を聞いた覚えがありますねえ・・・・。
なんと、我々人間は愚かな存在なのでしょうか。

さらに、この10の法則が世間に浸透するために最も大きな役割を果たすのが
マスメディアであることを肝に命じなきゃダメですね。
「王様ってよーく見ると、実はそれ裸じゃないっす?」と言える
しなやかな知性が一番必要なのはマスコミなのに、
ものすごく心もとない。

最後に、11月9日から世界銀行ロビーで「ピースアド展」やってるそうです。
http://hikeshi.org/top.html

民意ってなんなの?石破発言に思う

2009-11-05 21:06:41 | Weblog
普天間基地移設問題への政府の対応について、
自民党の石破さんが、政府を批判してこう言っている。

「無責任のきわみであると断ぜざるを得ないと思っている」
「総理大臣は地元の意向を尊重して決めるということだが
 これは地元の意向はこうだからということで
 責任を地元に押し付けることに他ならない。」

地元の意向を尊重して決めることは
責任を地元に押しつけることなんだろうか???

地元の意向を尊重せず、
辺野古の埋め立て、移設を強行しようとしていた
前政権のほうが、よっぽど無責任じゃないだろうか。

前回の衆院選の沖縄の選挙区すべてで、
辺野古移設に反対する議員が当選したという民意を
軽視することこそ、「無責任のきわみ」だ。

なぜ、こんな論理の飛躍ができるのか、私には理解不能だ。
アメリカとの関係、さまざまな利害関係など
複雑な事情を鑑みるとこんな考えもやむを得ず
という結論に達するのだろうか?

沖縄の話は一言では語れないが
政権交代によって、
「民意」ということが、今までより重みをもつ
世の中になって欲しいと思っているだけに
この石破氏の発言は、いただけないと思った。

8日の日曜日には、
辺野古への基地建設反対を訴える集会が
沖縄と東京の有楽町で行われます。

主催:辺野古への基地建設を許さない実行委員会
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html

マルグリートのケーキ~結婚詐欺女にも食べさせたい~

2009-11-01 03:20:16 | Weblog
昨今、「パティシエ」と呼ばれる人のケーキがもてはやされ、
1個の値段も急騰し、ケーキもセレブ仕様になってきています。
ああいうケーキは、やはりちゃんとしたカップに、
ポットで入れた紅茶かドリップした珈琲を入れ、
それなりのお皿にのせて、
ゆったりした気分で食べないと意味がありません。

私の部屋のようなモノがあふれてごちゃごちゃした場所に
セレブなケーキは似合わない。
それに、セレブケーキはそのお味も本場仕込みの荘厳なテイスト。
こちらも心して向き合わねばならない気持ちにさせられます。
一口一口舌の上でころがして、目を閉じて、その香りや食感、
絶妙な甘さを讃えねばなりません。
まあ、それが私は違いの分かる女(男)よ的な陶酔にも
繋がるのかもしれませんが・・。
って、ちょっと穿った見方かもしれませんが、
要するにセレブケーキはやはりよそゆきで、
部屋で一人で(もしくは家族と)食するケーキは、
普段着のやつが落ち着くねという話です。

近所にある「マルグリート」のケーキは、
そんなほっとさせてくれるケーキの一つです。

お値段も軽めです。今日はこの3個を買って830円だったかな。
フルーツロール、プリンアラモード、チーズスフレ、
定番も定番の名前が並びます。
プリンアラモードとか、
子供の頃ケーキ屋の前を通った時のワクワク感がよみがえり、
いろんな大人の悩みを忘れさせてくれます。

そうですね、こういう素朴なケーキは悩み無き子供の頃を
彷彿とさせてくれるから幸せな気分になれるんですね。
セレブなケーキの向こう側には、
大人になってこんなケーキも買えるようになった自分がいて、
幾分、そこにある幸せには、その人毎のフィルターが
かかっている気がします。
今現在の自分を形作った自意識とかね
(なんて、件の結婚詐欺容疑の女性のことを
 思ったりして・・サブタイトルの理由がやっとここで!)。


なんて、難しいことごちゃごちゃ言わなくてもいいんですが、
普段着ケーキは、いろんなこと考えずとも、
舌の上でスーッと簡単に溶けていってくれます。
美味しいということを再確認する必要もない。
ただほっとする美味さ。
インスタント珈琲と合わせても大丈夫。

わたしはそんなマルグリートのケーキが大好きなのです。

マルグリートでは、常駐のお店番の人はいなくて、
お店の奥で実際にケーキを作っている職人さんがお客さんが来ると、
店に出て来て販売します。
その職人さんは給食センターのおばさんのような
白い丸い帽子をかぶって作業しています。
ショーケースが水蒸気で曇っているといつも、
「見えませんね」といって拭いてくれます。


今日もおいしゅうございました。