ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

喜楽館夜席元気寄席に行ってきたで

2024年02月16日 | 上方落語楽しんだで
 ワシは上方落語依存症や。月に最低2回はナマの落語に接しないと禁断症状が出るんや。そろそろやばそうやから、昨日、喜楽館の夜席に行ってきた。ほんま、喜楽館がでけてワシら神戸の上方落語依存症のもんにとってはありがたいわ。会社が終わって30分ぐらいで行けるからな。
 昨日の夜席は、元気寄席バレンタインウィークの企画ちゅうこって女性噺家特集やった。4人の女性噺家が妍を競うんや。
 開口一番は笑福亭喬明さん。若いかわいい。喬介さんのお弟子さんだから、7代目松喬師匠の孫弟子ということになる。古典をやります。まだぎょうさん噺をおぼてません。古典しかしません。あとのお姐さん方はたぶん新作をやらはるので、この落語会で古典をやるのは、私だけです。たぶん。で、前座噺の定番「動物園」をやらはった。だいぶん短縮バージョン。この噺のオチはライオンが「心配すなワシも一万円でやとわれたんや」やけど喬明さんは「心配すな園長の長谷川や」とのオチやった。ところで長谷川ってだれやろ。落語で人名をゆうとき落語家の本名を使うことが多い。「三十石」の宿帳のシーンなんかで「中川」「竹内」「長谷川」「河合」とゆうけど、これは米朝、松鶴、先代文枝、先代春団治の四天王のことや。「長谷川」?喬明さんは先代文枝一門とちゃうし、師匠の喬介さんは川崎さんやし。喬明さんの本名かな。
 2番手は桂ぽんぽ娘が巨体をゆすって高座に上がらはった。喬明ちゃんはあないなことゆうてたけど古典やろうかな。いや、やっぱ新作やろ。高座で迷っとる。くすぐりなんかほんまに迷っとるのかわからん。おもろないくすぐりやで。で、結局新作「ミッション・イン・しゃぶる」下ネタ。「この近くの福原にようけある××に行って××を××してもらう」噺。品のない噺。ワシは上方落語ファンやから上方の落語家はみんな好き。ただ、ぽんぽ娘の師匠桂文福は嫌い。文福は客をいじる。ワシは客をいじる芸人は大嫌い。弟子のぽんぽ娘も客をいじるし、仲間の噺家もいじる。桂南光師匠も仲間をいじるが南光師匠はちゃんと寸止めしとる。しかしぽんぽ娘は寸止めしてない。彼女は仲間の噺家たちに嫌われてるんとちゃうか。ワシも嫌いやけど。
 仲入り前の仲トリは桂三扇さん。高座名で判るように文枝師匠の三枝時代のお弟子さん。中堅の女性落語家やな。マクラは故郷の福知山のハナシ。福知山にも動物園はある。田舎の動物園なんで金がないからキリンやゾウは買えない。おるのはクマ、シカ、イノシシ、タヌキ。そのへんの山でタダでとってきた動物を飼っとる。師匠三枝作の「あこがれのカントリーライフ」ぽんぽ娘のあと、まともな噺家で出て良かった。
 トリは桂あやめさんご存じのごとく、女性落語家の草分け。あやめさん、もう還暦やって。そんなに見えへん。いつまでもお若い。マクラでしみじみいってはったけど、こうして女ばかりの落語会は夢のようやって。あやめさんは18才で先代文枝師匠に入門したころは、女性の落語家は露の都師匠しかいてへん。楽屋で着替える時は男ばっかり。部屋の隅ですばやく着替えるワザを磨いたとか。今でも着替えるのんは早く上手だそう。で、こんなトシになったけど、この噺はまだできます。と「営業一課の高田くん」あやめさんが若い時に創った噺で、見合いの予定がある若い主人公の女性が、片想いの高田くんの気を引こうと、先輩のアドバイスであの手この手のアピールする噺。
 女性ばかりの落語会もええもんや。ぽんこ娘の替りに二葉さんおったら最高やのに。