ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

ジュディ 虹の彼方に

2024年02月27日 | 映画みたで

監督 ルパート・グールド
出演 レネー・ゼルウィガー、ダーシー・ショウ、フィン・ウィットロック

 映画「オズの魔法使い」は名作である。特に主演のドロシー役のジュディ・ガーランドがかわいい。そのジュディ・ガーランドの伝記である。
 ジュディは「オズの魔法使い」の主演でスターになる。売れっ子でハードなスケジュール。普通の女の子じゃなくなるわけ。
 太るから食べたいもの食べさせてもらえない。食べ物のかわりに薬を与えられる。10代の女の子にである。人権もへったくれもない。このころの人気子役ってのは猿回しの猿と同じ。ジュディはそんな生活をしながら大人になった。
 ろくな大人になるはずがない。遅刻の常習犯。仕事すっぽかし。薬中毒。仕事が来なくなる。子供2人をかかえてホテルを転々とする。そのうちホテル代も払えない。借金の山。アメリカで食えなくなって、起死回生をねらってロンドンへ渡る。ここでジュディは一流のエンターティナーの本領を発揮。ロンドン公演は成功。だがしかし、精神不安定は治ってない。トラブルを起こしてロンドン公演もしくじる。
 主演のレネー・ゼルウィガー圧巻の演技。ジュディ・ガーランドは、「困った天才」である。でも、牧野富太郎や横山やすしは自分の意志で、というか自分では無意識に「困った天才」になったのだから天然物の「困った天才」であるが、ジュディは子供のころからまわりによってこって「困った天才」にされてしまった養殖の「困った天才」である。
「困った天才」の悲劇が際立った映画であった。