
大藪春彦 徳間書店
ワシは車大好き人間であるが、トヨタの車は大嫌い。生まれてから一度もトヨタの車を運転したことがない。マツダとホンダがマイカーだった。ワシが管理責任者の会社のフォークリフトももちろんトヨタではなく三菱ロジネクストだ。
ウチの電気製品にはパナソニックはない。テレビはソニー、冷蔵庫は三菱、掃除機はダイソンだ。なんでか。ワシはなんでも1番とかトップとかいうメーカーが大嫌いなんだ。理由はない。ともかく嫌いなんだ。
それからワシが嫌いなもん。えらそうなことをゆうて人に説教をたれるオジン。なんとかの首領とかドンとかいわれてるヤツも大嫌い。だからこの小説はワシの好みにドンピシャ。
PソニックはむかしはM下電器といってた。それの創業者M下Kの助は経営の神様といわれ尊敬を集め(ワシは尊敬してない)PH×なんいう説教雑誌を出したりしてM下政経塾なんていう政治家育成機関をつくったりした。
日本のドンといわれたS川R一。日本S舶振興会などいう競艇の元締めでしこたま金を持っていて。「人類は一家世界は兄弟」とか「戸締り用心火の用心」などといいながら「親に孝行」と説教をたれていた。
この小説の主人公は4人。かって自衛隊のレンジャー部隊の教官だった連中。トラブルがあって自衛隊を退職。その卓越した戦闘技術をいかして海外で傭兵をしていたが、日本に帰ってきて、巨悪からため込んだ悪銭を取る仕事をしている。
船舶事業発展会の竹山。全日本スピードボート協会からのあがりをため込んで莫大な金を持っている。この竹山、日本のドンといわれ与党の有力政治家を思うままに動かし時の首相さえ逆らえない。この竹山の屋敷に処刑戦士4人が乱入。えらそうなことをいってる竹山をけちょんけちょんに痛めつける。
マンモス企業杉山電工の創業者杉山徳一郎。経営の神様といわれ、報産報国と道徳の普及をとなえている。が、杉山の本性はすけべ。神戸の暴力団山野組を使って女子大生を拉致監禁夜な夜な淫行にふけっている。いたずらが過ぎて女子大生を死なせたり妊娠させたら山野組に処理してもらう。こんな杉山の悪行がなぜばれないか。杉山電工は日本最大のマスコミ機関の広告主だから。
その杉山の屋敷も4人が襲う。杉山もギタギタに痛めつけて大金を奪う。あと患者を食い物にしている悪徳病院T州会病院の理事長も4人が襲う。
こうしてえらそうなことをゆうてるヤツを順々に懲らしめてため込んだ大金を奪う。まさに胸がすくのである。