ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

妖怪大戦争 ガーディアンズ

2024年04月30日 | 映画みたで

監督 三池崇史
出演 寺田心、猪俣怜生、杉咲花、安藤さくら、大島優子、赤楚衛二

 ぜんぜんダメね。おもしろくもなんともない。時間のムダであった。あやしのモノが出てくる映画はたくさんある。ゴジラやキングコングもでかいあやしのモノだろう。ゴジラやコングはCG処理をうまくやれば上出来の映画となる。「ゴジラ-1.0」のように大成功した映画もある。でも、この映画は大失敗と小生は評する。
 こういう妖怪モノで人間がふんすると、どうしても薄っぺらになってしまう。昔のホラー映画のドラキュラのクリストファー・リー、狼男のロン・チェイニーjr、フランケンシュタインのボリス・カーロフなどのような、その役の極めつけの俳優がはまり役のモンスターを演じるのはいい。ところが、この映画のようにふだん妖怪なんか演じたことのない役者が、妖怪を演じると仮装大賞にしか見えない。考えてもわかるだろ。安藤さくらが姑獲鳥をやるのと、ボリス・カーロフがフランケンシュタインをやるのを比べれば判るだろう。
 どうしてもこういう妖怪の映画をやりたければアニメでやるべきだろう。アニメの場合、高畑勲監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」の妖怪大作戦のシーンはなかなかの迫力であった。この「平成狸合戦ぽんぽこ」にも隠神刑部が出てきたが、この「妖怪大戦争ガーディアンズ」では大沢たかおがやっていた。しつこいようだが、アニメの隠神刑部(声は芦屋雁之助がやっていた。ちなみに金長大明神を桂米朝、太三郎禿狸を5代目桂文枝、鶴亀和尚を柳家小さんがやっていた。もし6代目笑福亭松鶴がご存命なら隠神刑部の声は松鶴師匠がやっていただろう。雁之助でも悪くはないが松鶴の隠神刑部も聞きたかった)と大沢たかおの隠神刑部を比べて見て。この映画のダメさが判るだろう。