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雫石鉄也のブログ

よこがお

2024年04月15日 | 映画みたで

監督 深田晃司
出演 筒井真理子、市川実日子、池松壮亮、須藤蓮、小川未祐、吹越満

 白川市子が美容院に入っていくところから映画が始まる。美容師は米田を指名する。市子が始めてくる美容院だ。市子はリサと名乗り、仕事を辞めてきたといった。髪を短くしてもらう。初めて来る美容院の美容師の米田の名前をなぜ知っていたのか。なぜ米田なのか?なぜ偽名を名乗ったのか。仕事辞めたそうだが、彼女の仕事はなにだったのか?
 大石家に市子が来る。祖母、母、娘二人の4人がいる。祖母は重病で余命いくばくもない。市子は訪問看護師。祖母の介護をする。
 娘2人。次女のサキは中学生。長女の基子。基子はなにをやっているかよく判らん。介護福祉士志望のようだ。市子はベテラン看護師だから経験知識豊富。基子に介護士になるための勉強を教える。基子、市子に好意以上の感情を持つ。
 と、ここまではなんの波風もない。映画は中ほどで、大きな事件が起きる。誘拐事件。女子中学生が誘拐された。身代金目的でもない。わいせつ目的でもなさそう。誘拐の動機は最後まで判らなかった。
 その事件の犯人と被害者が市子の身の上に重大な影響をおよぼす。市子は事件の加害者側に人間にされた。職も、めんどうみていた患者も、教え子ともいっていい人物も、そして婚約者もすべてを失った市子は、髪を切って「リサ」に変身する。
 横断歩道で停車していると、復讐のターゲットがいる。車のセレクトレバーをDに入れて発進させる。
 時間が過去と現代を目まぐるしく転換する。その時間によって、二人の女の愛と憎悪が交錯する。筒井真理子と市川実日子の演技バトルが見もの。観て決して楽しい映画ではないが。良くできた映画だ。