ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

新・冒険スパイ小説ハンドブック

2021年04月21日 | 本を読んだで

 早川書房編集部編              早川書房

 1992年に発行された「冒険スパイ小説ハンドブック」は手元において折りにふれてパラパラ読んでいる。冒険小説ファンにとっては常に座右に置くべき本だ。それから24年後の2016年に出た新しいハンドブックが本書である。
この24年間の一番の違いは敬愛する内藤陳師匠が亡くなったこと。日本の冒険小説好きのカリスマ内藤師匠がいるのといないのとは冒険小説シーンがまったく違う。
 それはさておき、こんどの新版では面白い企画が採用されていた。北上次郎など5人のブックレビュアーは架空の冒険小説全集全20巻を選出するというもの。なかなか面白い企画である。小生が読んだ作品もあるし未読の作品もある。再読また初読するには大いに参考になる。
 かような企画でアレが選ばれてないと異をとなえるのはヤボなことであるが、あえて異をとなえよう。西村寿行と稲見一良がないのはがてんがゆかん。