監督 阪本順次
出演 石橋蓮司、桃井かおり、岸部一徳、大楠道代
この4人の主要登場人物を演じた俳優で一番若い桃井が69歳。あとの3人は70を超えている。お年よりムービーといえよう。脇役が多い超ベテラン俳優の円熟の演技が楽しめる映画となっている。
市川は作家。といっても売れてない。大昔純文学で2冊ほど本を出したが今はまったくさっぱり。別のペンネームでハードボイルドを作品を書いているが、北方謙三の亜流で担当編集者からはウケが悪い。
「サイレントキラー」と呼ばれる謎のヒットマンがいるらしい。不審死をした何人かはそいつのターゲットだろうか。市川の書く原稿はその殺人事件を直接取材したとしか思えないリアルなモノ。はたして「サイレントキラー」の正体は市川か。
と書くと、監督村川透、主演松田優作の映画みたいだが、これは阪本、石橋の映画である。石橋、桃井、岸部、大楠といった昭和な役者たちが、うんとかっこつけて、実に楽しそうにハードボイルドごっこをしているのである。