Symbian OSベースの端末開発で協業していることから、UIの共通部分が多い富士通の「F902i」(F902i記事一覧参照)と三菱電機の「D902i」(D902i記事地イラン参照)。両端末についてPIM機能の使い勝手をチェックした。
F902i/D902iは、ほぼ同等のPIM機能を備える。スケジュール帳は、事前アラームの設定やアドレス帳との連携が可能。1件のアドレス帳には電話番号を最大5件、メールアドレスを最大5件、住所や会社名、役職なども登録できる。
PIM機能の特徴として挙げられるのが、待受画面上にPIM情報や新着メール、不在着信などの情報を表示できる点。スケジュールやメールなら件名、不在着信なら相手先を素早く確認できる点は、件数の表示のみに対応することが多いほかの携帯電話に比べて便利な点だ。表示の自由度も高く、PDAライクに利用できる。
F902iで画面上の半分にカレンダー、下半分を2分割してスケジュール、新着メールを表示させた例。この場合、スケジュールや新着メールは最新の最大2件が表示される。カレンダーではスケジュールのある日にマークも表示される。終話ボタンでこの画面のオン/オフを切り替え可能。フォントをリュウミンに設定しておくと、この画面でもフォントはリュウミンになる
スケジュールのカレンダー表示は、アドレス帳キーの長押しで呼び出すことができ、カレンダー上にはスケジュールの有無がアイコンで表示される。スケジュール入力時に適切なアイコンを設定しておけば、カレンダー表示のままでもアイコンからだいたいの用件を把握できる。D902iではカレンダー下部に、カーソルを当てた日の直近2件のスケジュール件名と時間が表示される。縦長ディスプレイを生かした機能だ。
PC連携はOutlookとの同期機能に加え、データリンクソフトを使ったバックアップや編集も可能。データリンクソフトのスケジュールソフトはPC上でPIMソフトとしても利用できる。特にD902iのデータリンクソフトはPIM利用を意識しており、スケジュールのカレンダー表示機能なども備える。
F902iより80ピクセル縦に長いディスプレイを備えるD902iでは、待受時により多くの情報を表示できそうに思える。しかし、実際にはさほどF902iと変わらない。
例えば、待受画面上にカレンダーや新着通知を表示可能にする「画面のカスタマイズ」機能を使った場合、画面は全体、2分の1、4分の1、8分の1分割を組み合わせて情報表示できる。D902iで情報量が増えるのは全体と2分の1分割の場合のみ。全体ではF902iの9行に対してD901iが11行、2分の1分割の場合は、F902iの4行に対してD902iでは5行表示できるといった違いがある程度だ。
「F902i」「D902i」のPIM機能を試す
現在、私がF901iSをスケジュール管理用として活用しているのは、Outlookとの連携機能や充実したPIM機能によるところが大きい。F2102V、F900iC、F901iSと富士通端末は伝統的にPIM機能に力を入れてるのが最大の魅力だ。
表現は良くないが、D902iはその富士通の伝統的な良さをいいとこ取りしたと言っていいほどだ。そして、液晶がF902iよりも広い点がさらに有利に働いている。
しかし、実質的なソフトは富士通が作ったものであり、D902iの液晶の解像度をフルに生かすように最適化はされていない点がやや残念だ。
スケジュール機能を日々使っていて、気になっている点は繰り返しの期限がない点だ。「毎週」とかの繰り返しを設定すると、無限にそのスケジュールが繰り返されてしまう。携帯電話内だけならまだしょうがないとも思えるが、Outlookとの連携時にこれでは困る。(902iでは解決されていればうれしいのだが・・・)
私はハニカムCCDが好きではないので、カメラ的にはD902iには興味はないが、F902iよりも大きい液晶という点ではPIM機能の面では有利に働くので、次に狙うのはF902iではなくて、D902iを選ぶかもしれない。