電気通信事業者協会(TCA)は、2005年11月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。5カ月連続で、auが単月シェア1位となっている。
携帯電話加入者数は、NTTドコモが12万400人の純増、KDDIが13万6,300人の純増、ボーダフォンが57,000人の純増となった。中でもボーダフォンは、新定額サービス「LOVE定額」を11月より導入しており、純増数が大きく伸びている。ツーカーは、10月よりKDDIに吸収合併されており、KDDIの契約数内訳を見ると、auが28万3,200人の純増、ツーカーが14万6,900人の純減となっている。
第3世代携帯電話では、ドコモが100万3,900人の純増、auが33万5,300人の純増、ボーダフォンが18万6,500人の純増となった。ドコモのFOMAが純増数100万人超を記録したのは、今年3月・7月に続き3回目。またauは2,000万突破、ボーダフォンは200万突破と、国内の携帯電話市場は、3Gの普及が進んでいる。このほか、インターネットサービスの利用者は、iモードが13万100人の純増、EZwebが13万1,000人の純増で、ボーダフォンライブ!は3万9,900人の純減(純増の間違い?)となった。
PHSサービスでは、ウィルコムが6万3,600人の純増と引き続き好調を維持。ドコモは3万3,400人の純減となった。また、アステルは2,000人の純増を記録。既に東北と東京のみの営業となっているが、どちらも新規受付を終了。しかしながら、今回のデータでは、11月いっぱいでPHS音声サービスを終了したYOZANが2,200人の純増を届け出ている。YOZANでは「品川区で導入された児童見守りサービスの分を登録したため」と説明している。
11月の携帯・PHS契約数、5カ月連続でauがトップに
ツーカーの純減を含めてもauは5ヶ月連続の首位となった。DoCoMoに対抗した端末の値下げも効果が出ている印象だ。
先月に入ってから901iSシリーズを大幅値下げしたDoCoMoだが、それでもauには追い付けなかった。FOMA端末の値下げにより、movaからFOMAへの乗換も進み、FOMAの純増が100万を突破したという効果はあった。
しかし、家族割のサービス強化など考えられる策はほぼ出尽くした感じがあり、auの快進撃をくいとめるには今のところは902iシリーズの売れ行きに期待するしかなさそうだ。次にどのような手に出てくるのか注目したい。
一番驚いたのは、1年5ヶ月ぶりに5万も増えたボーダフォンだ。新しい材料としてはLOVE定額と新機種の投入だが、やはりLOVE定額はそれなりにユーザーに受け入れられたとみていいのだろう。10月の純増数が4500なので、10倍近く増えたことになる。V3Gも18万も増えた。
しかし、ボーダフォンの問題は根強い。ボーダフォンライブ端末は4万も増えていない。これはプリペイドで1万増えたという計算になる。先日の発表ではプリペイドは全体の1割という話があったので、それに比べて2割と比率が高く、1割分は水増しの可能性がある。それとも最近はプリペイドの比率が2割にアップしたのだろうか?とにかくグレーゾーンを残すボーダフォンの純増5万となった。
LOVE定額が2週間だったかで24万契約となったという記事があったが、そのほとんどが既存ユーザーであり、純増には数万人しか寄与しなかったことになる。もっとも現在のボーダフォンからすれば、既存ユーザーを20万近く引き止められたということだけでも「効果アリ」とみなすしかないのかもしれない。
意外だったのはウィルコムだ。ウィルコムは下旬に待望の新機種であるWX310KとWX310SAが発売になったが、あまり日数がなかったために期待ほど純増数は伸びず、待望の新機種発売にもかかわらず、6万ちょっとしか増えなかった。10月の7万よりも減っている。年内の過去最高記録の更新はほぼ間違いないが、先月の純増の鈍化傾向はとても気にかかるところだ。今月どれくらい伸びるのかに注目したいが、PHS端末としては2万円前後と高い価格設定のためにあまり伸びなかったのか?それともボーダフォンのLOVE定額に取られてしまったのか?
新機種は機種変更はかなり伸びたが、新規としては伸び悩んだのではないかと推測される。今月からは新機種の発売にともない、一部の店ではAH-K3001Vが値下がりしているので、今月は新規も再び増えるかもしれない。今月は8万と言わず、10万くらい増やして、DoCoMoに肉迫して欲しいところだ。
今月も6万あたりで伸び悩んでいると、ボーダフォンに追い付かれる可能性も出てきて、純増数3位をキープしてきたのに黄信号が点灯してきた。そういう意味では、首位争いと3位争いと、今月の携帯電話の販売合戦こそ、四つ巴の熾烈な争いになりそうで目が離せない。特に年末あたりには超特価が出そうな予感がしてならない。