木曜日の昼下がり。
庭で草むしりをしていたら土の上に動く黒い塊を見つけた。
蟻だ。
蟻が獲物を見つけて運んでいたのだ。
昆虫観察が大好きな私は、隠れて見えない獲物が気になって仕方ない。
塊を棒でそうっとつついたら、中から出てきたのは蝉の幼虫だった。
身体は小さいが蝉の形になっていて微かに動いている。
地元で蝉が羽化するのは７月半ば頃。
「まだ４月なのに・・・」と、目を疑ってしまった。
土の中で静かに暮らしていたのに蟻に見つかり襲われてしまったのだろうか？
興味津々なのである。
こういう発見をした時、私は必ず市川市に住む兄に電話する。
父親の仕事の関係で幼少時代の多くを田舎で過ごした私達兄弟。
兄は昆虫観察にのめり込み、「ファーブルの再来か？」などと言われ、おだてられていた。
兄は母のＤＮＡのせいだと言っている。
母の自然好きもそうとうなものなのだったのである。
「アイムホーム」が始まった。
大怪我をし、病院のベットに寝ている身体中管だらけの久を見たら兄を思い出してしまった。
２０１２年の５月末。
兄は心筋梗塞で倒れた。
救急車の中で心臓が止まり、一度死んだのである。
その後の処置と治療のお陰で２日後に自力で心臓が動き出した。
人工心臓が取れて喜んだのもつかの間。
今度は重い肺炎にかかってしまった。
さすがにこの時は皆で覚悟を決めたのだった。
それでも兄は助かった。
私は奇跡だと思っている。
あれから２年１１か月。
心臓機能は健常の３分の１程度なのだが、４５～８５だった血圧が最近では５５～９５くらいになったのだと言う。
「気絶していた筋内細胞が目を覚ますということも有って・・」と主治医に言われたそうだ。
退院時、兄のような状態で長く生きた例はほとんど無いと言われた。
でも・・・もしかしたら・・・と、また兄が奇跡を起こしてくれそうな気がする。
そう思いながらも心配は尽きないのだが・・・。
兄は仕事を辞め、リハビリ生活を送っている。
リハビリと言っても兄のリハビリは歩くことなのである。
元々アウトドア派だった兄は、このリハビリを楽しんでいるようだ。
昆虫、鳥、植物。
家では大好きな読書とクラシック音楽鑑賞・研究。
数か月に一度の割合でエッセイが送られてくる。
趣味が似ている私はこれが送られてくるのを楽しみにしている。
先週も送られてきた。
読んだら泣けて仕方なかった。
一昨年亡くなった音大出の従兄のことが書かれていたことも有る。
兄の良き友であり、私が兄のように慕っていた従兄の思い出。
でも、それより兄の文章の一つ一つが何時も心に沁みるのだ。
身内を褒めるようで恥ずかしいのだが、感動する。
この気持ちを兄に伝えると、「そんな風に言ってくれるのはあなただけだよ。」・・・と。
「でも、すごく励みになる。ありがとう！」
「また書いてね。楽しみに待っているから。」
こんなささやかな事が生き甲斐の一つになってくれればと思っている。
記憶、思い出。
私はこれを大切にしている。
美しい記憶を辿るのが好き。
辛い記憶も多々有る。
長い人生ですから。(笑)
美しい情景を思い出すと心が洗われる。
人の優しさに触れた時のことを思い出すと心が温まる。
こういう記憶を思い出すことも人格形成の要因の一つになっていると思う。
今日、息子とこの話題で盛り上がり、思い出話に花が咲いた。
やはり人格形成の要因になっているのは確かなようだ。
家路久はどのような生き方をしていたのだろう？
今後の展開がひじょうに楽しみだ。
記憶を辿るドラマで心に残っているのは「ギフト」と「眠れる森」
特に「ギフト」は自分の過去を思い出すシーンの木村君が素晴らしかった。
卑劣な生き方をしていた自分の姿を思い出す時の驚きと苦悩の表情。
それが悲しみに変わる時の目が忘れられない。
衝撃から悲しみへ。
悲しみから悔恨へ。
悔恨から優しさへ。
秀逸だった。
久が寝ていた病室のマリア像を見て、これもヒントの一つなのかと思った。
でも「アイムホーム」のマリア像はテレ朝のサービスにすぎないのだろうか？
こちらも気になるところだ。
マリア像で思い出すのは「眠れる森」
あのマリア象は怖い存在だった。
すべてを見ているようで。
犯人にとってだが。
私もマリア像を持っている。
写真のマリア像は学生時代に買ったもの。
とても大切にしている。
カトリックの信者ではないのだが知っている教えはできるだけ守りたいと心がけている。
私が両親以外で一番尊敬しているのはマザー・テレサ。
☆私たちは、成功するためにここにいるのではありません。
誠実であるためにここにいるのです。（マザー・テレサ）
久はこのことに気付くのだろうか？
庭のスミレ。
スミレの花言葉は「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」
ウサギ→絶倫。
ウサギの写真まで出てきてびっくりしました。
雪が降ってびっくり！
「拓哉’s クッキング」(笑)
