楕円と円 By I.SATO

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『安倍晋三 この空虚な器論』

2019年11月16日 | 日記

7年やってきて、内政も外交も成果は無く、いやむしろ平和主義を脅かし、三権分立と民主主義を壊しているのに、安部政治の支持率が下がらないのは何故だろうと常々思う。

保守論壇の「クライテリオン」(啓文社書房)が『安倍晋三・空虚な器論』を組んでいる。編集長は京大の藤井聡教授。政策批判は数多有れど各界の言論人が挙って安倍晋三という人物の批判をしているのは珍しい。

仮説の提唱者は文芸批評家の浜崎洋介氏。-「安倍晋三」という存在は、世間で言われている事柄や周りの人達が口にする様々なものが、その整合性や関連を度外視して、何でもかんでも入り込まれる一つの「空疎な器」なのではないか-というもだ。

それらは統合され、ひとまとまりの体系でその人物に固有な形で築き上げられることもなく、ただただ併置されている。

結局、統合されないので何の成果も得られない。これが「空虚な器」であることの実践的、本質的な問題なのだという。

なるほど相反する政策が並ぶ。改憲と言って加憲。アベノミクの旗を掲げて消費税。美しい国と叫んでTPP。声高々に宣言するもロシア、韓国、北朝鮮との関係は最悪等々。選挙向けのスローガンも放り出されたままだ。

評論家・作家の佐藤健志氏は『爽快な器』なのだと言う。そもそも空虚で無ければものも入らない。

その上で、アメリカに隷属し、協力関係を強化すればするほど日本の国益や国家戦略が損なわれる。「国益や国家戦略を重視するふりをして、それらを損なう。」ことこそ安倍晋三の政治理念だと考えれば、その振る舞いには殆ど完璧な整合性が宿る-と考える。

-安倍総理の振る舞いは、戦後の矛盾した国家感を体現するものであり、その意味で日本人にとって理想的なもの。「これ以上の矛盾は起きようがない。」という状態が「もう矛盾は無い。」という状態と混同されて、多くの国民に爽快感を与えている可能性が高い。-と言う。

安部政権の支持率が下がらない不思議さが二つの「安倍晋三論」で解けても対米関係がある限り、安倍晋三論を過去のものにするのは容易でない。騙されないようにするだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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