Dr. Mori Without Borders / Mori-san Sans Frontieres

森 一仁が医学・国際政治経済金融・人文教養教育など関心問題を国際的・学際的に考える。

某国のイージス

2008-02-22 02:08:04 | 地球社会:国際政治経済金融
某国とは勿論本邦であるが、防空能力が世界随一との噂の高い艦船であるところのイージス型護衛艦も漁船との衝突を避けられなかった。一説によると対船舶の探索能力はそれこそ漁船並みだと言う。これは言いかえれば高速突撃艇等による海上からの近接攻撃には弱いと言う事ではないだろうか。世界中のメディアがこの問題を取り上げたのも首肯出来る。

コソボ独立とあってコソボのような小国でも比較的安価で小型の高速ミサイル突撃艇を揃えればイージス艦配備の海軍国相手にひと暴れ出来るかも知れないとの「希望」を与えてしまったのである。RPGとスティンガーミサイル等を配備しておけば「BLACKHAWK DOWN」のソマリアであったように、対潜ヘリ等のヘリぐらいは阻止が可能であろう。攻撃機や戦闘機では足が速過ぎるだろうから小型艇を相手にするのがかえって難しいだろう。海上戦に持ち込むとすれば霧の中から突然現れてイージス艦に近接して大打撃を与える事も可能なのかも知れない。そしてこの小型の高速艇はどこから本邦にやってくるのだろうか。勿論、答えは「北の国から」である。(笑)イージス艦のSPYレーダーさえ大破出来れば次にまともな航空部隊をもって制空権の奪取、並びに制海権をとる事も理論上は可能だろう。

防空能力に長けたイージス艦も水上戦闘能力或いは海防の能力においては海上保安庁の最新鋭巡視船の方がかえって使えるかも知れない。装甲は海上自衛隊の護衛艦の方が優れているかも知れないが、高速で肉薄する敵小型艦艇を捕捉して遠距離から銃撃するのであれば、いま一度旧帝国海軍の伝統を引き継ぐと言うプライドをかなぐり捨てて海上保安庁に教わる事も実は多いのではないか、とさえ思ってしまった。

海上自衛隊の護衛艦は分類としては「駆逐艦」であり、海自は伝統的に「対潜行動と掃海業務」を基本思想に据えている為に、対艦隊戦には甘い所があるのではないかと勘ぐってしまうのである。また、先進国の武装は電子化が進むが、旧世代の兵器は電子系統の故障と無縁のものもあり、修理も簡単で電力も要らないものも多い事を忘れると、近代戦の兵器で武装した集団が最新鋭兵器の軍団を凌駕すると言うような漫画のような事態が起こり得ないとも限らない。

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