団塊太郎の徒然草

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浜岡原発5号機トラブル原因: コスト減要請、ふた薄く 中電浜岡海水流入

2011-07-17 21:31:46 | 日記

中部電力が15日、浜岡原発5号機(静岡県御前崎市)の復水器内の細管から海水400トンが漏れたトラブルで、細管付近にある再循環配管のふたの設計に問題があったとする最終調査結果を公表した。建設時にコストを引き下げようとしたことがこうしたトラブルを招く一因になったともみられ、あらためて浜岡原発の安全性が問われることになる。

 再循環配管は復水器と原子炉との間を循環する水の量を減らす役割を果たし、原子炉の起動と停止時にのみ使われる。浜岡3~5号機の全てにあるが、ふたの厚さは3号機が2・5センチ、4号機が1・6センチ、5号機が1・2センチと徐々に薄くなってきていた。

 厚みを薄くするほど配管内を流れる水圧は高まるが、製造元である日立製作所の計算では、厚さが9・3ミリあれば耐えられるはずだったという。しかし実際には5号機が試運転を始めた2004年4月以降、原子炉の起動や停止を繰り返すうちに、配管との溶接部に疲労限界を超える力が加わり、ふたが外れるに至った。

 中電の担当者は「日立に合理化やコストダウンを要請していたが、当社では細かい設計まではできず、日立の受け止め方が結果としてこうなった」と述べ「十二分に余裕を持たせて作ってもらえたら良かった」と話した。

 一方、日立は本紙の取材に「結果的に設計の検討が十分ではなかったと反省しているが、今回はふたの厚さ以外にも複合的な要因が重なった、まれなケース」と説明。志賀原発2号機(石川県志賀町)など、日立が手掛けた他の原発ではふたの厚さが1・6センチ以上あるが「過去の経験から最低1・1センチ以上の厚さがあれば問題ないと判断していた」と話した。

 5号機では06年にも、日立の設計不良による金属疲労が原因で、タービンの羽根が破損する事故が発生。中電の水谷良亮・浜岡原子力総合事務所長は「5号機には3、4号機では経験のないようなトラブルがいくつかある」と認め、「停止期間中に設計段階まで立ち返って比較、確認したい」と話した。 

中日新聞(大森準)


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