●世界初のゼンマイ式小水力発電装置
富山県では、優れた技術を持った異業種からの参入や、小水力発電技術等の開発を支援するため、「小水力発電技術開発促進モデル事業」を進めている。「小水力発電進出支援事業」と「小水力発電技術開発支援事業」の2事業で構成されており、前者は、新たに小水力発電分野に参入する企業に対して、事業化の構想や今後の技術開発のための調査などを支援するもの。後者は産学官連携による技術開発への取り組みを公募し、優れたものを選定し、開発を委託するもので、平成23年度では県内企業3社が選ばれて開発を進めている。このうちの1社、黒部市のゼンマイメーカー、東洋ゼンマイ(株)は、富山国際大学と共同で「ゼンマイ式小水力発電装置」をこのほど開発し、今春から実証実験を始める。
「ゼンマイ式小水力発電装置」は、長さ20m、幅3cmほどの鋼板を巻いた直径20cmほどのゼンマイ2個と長さ1mほどのらせん水車を組み合わせた点がユニークだ。水車が回転することで1個のゼンマイが巻かれ、巻き切ったゼンマイによって発電する。その間にもう1個のゼンマイが水車の回転で巻き取られていく。この動作を同時に行うことで、継続的な発電が可能になる仕組みだ。幅50cm、深さ50cmの用水路で、低落差(50cm以内)あれば、24時間蓄電することで30Wの電球を4時間ほど点灯できる。
黒部市では近年、黒部川水系の豊富な水資源や生活・農業用水を生かす小水力発電に取 り組むケースが増えている。ただ、小さな用水や小川の場合、水流に発電機を動かす力が 不足していたり、水量が不安定で発電機の安定的な動力源として活用できないことが多く 、課題となっている。
同社の装置では、巻き取った力を一定の速さで開放できる「定トルクぜんまいばね」を 採用。富山発祥の「らせん水車」でぜんまいばねを巻き、水流が不安定でもばねを巻く力 として活用でき、ばねが一定の速度で開放する力を、発電機の動力源にできる。
定トルクぜんまいは幅3センチ、直径20センチ。2個を連動させて、一方が力を開放 している間に、もう一方が水流の力を吸収することで、継続的に発電機に力を送ることが できる。
装置から得られる電力は30~50ワットで、小型の鳥獣被害対策用監視カメラや田ん ぼの街灯などを作動させることが可能。同程度の電力を一般の小水力発電装置で起こすに は最低、毎分500リットルの水流を必要とするが、同社の新装置は毎分100リットル の緩やかな水流で十分だという。
発案者の長谷川光一社長は「山岳地帯やへき地の定点観測カメラの電源や、被災地での クリーンエネルギーの一つとして活用したい」としている。
通学路の防犯灯や土石流・崩落危険地域の監視用装置、鳥獣害防止用鉄柵、観光用音声ガイド装置に用いる発電装置などが用途として想定されており、2年後の実用化を目指している。
東洋ゼンマイ(株)は創業80年余で、国内でも数少ないゼンマイメーカー。玩具で使用されているゼンマイでは世界市場の約30%を占める。ゼンマイ式の音声ガイド装置(観光案内マップ、観光望遠鏡など)といったユニークな製品も手掛けている。
東洋ゼンマイ(株)の長谷川光一社長は「構想から4年でようやくここまできました。ゼンマイ発電は安全でエコ。農業用水は水利権などの課題もありますが、水の流れる水路にポーンと装置を置き、簡単に発電を始められるようなものを目指したい。生活に身近なところでいえば、雨どいをつたう水の力で発電する装置の開発も夢の1つです」と話している。

▲ゼンマイ式小水力発電装置

ぜんまい式小水力発電装置を紹介する長谷川社長=黒部市内
問い合わせ
「農業用水を利用した小水力発電」について
●富山県農林水産部農村整備課
TEL.076-444-3377
FAX.076-444-3437
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1602/
「小水力発電技術開発促進モデル事業」について
●富山県商工労働部商工企画課 新産業科学技術班
TEL.076-444-3245
FAX.076-444-4401
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1301/
「ゼンマイ式小水力発電装置」について
●東洋ゼンマイ(株)
TEL.0765-52-0208
FAX.0765-54-1329
http://www.zenmai.co.jp
富山県では、優れた技術を持った異業種からの参入や、小水力発電技術等の開発を支援するため、「小水力発電技術開発促進モデル事業」を進めている。「小水力発電進出支援事業」と「小水力発電技術開発支援事業」の2事業で構成されており、前者は、新たに小水力発電分野に参入する企業に対して、事業化の構想や今後の技術開発のための調査などを支援するもの。後者は産学官連携による技術開発への取り組みを公募し、優れたものを選定し、開発を委託するもので、平成23年度では県内企業3社が選ばれて開発を進めている。このうちの1社、黒部市のゼンマイメーカー、東洋ゼンマイ(株)は、富山国際大学と共同で「ゼンマイ式小水力発電装置」をこのほど開発し、今春から実証実験を始める。
「ゼンマイ式小水力発電装置」は、長さ20m、幅3cmほどの鋼板を巻いた直径20cmほどのゼンマイ2個と長さ1mほどのらせん水車を組み合わせた点がユニークだ。水車が回転することで1個のゼンマイが巻かれ、巻き切ったゼンマイによって発電する。その間にもう1個のゼンマイが水車の回転で巻き取られていく。この動作を同時に行うことで、継続的な発電が可能になる仕組みだ。幅50cm、深さ50cmの用水路で、低落差(50cm以内)あれば、24時間蓄電することで30Wの電球を4時間ほど点灯できる。
黒部市では近年、黒部川水系の豊富な水資源や生活・農業用水を生かす小水力発電に取 り組むケースが増えている。ただ、小さな用水や小川の場合、水流に発電機を動かす力が 不足していたり、水量が不安定で発電機の安定的な動力源として活用できないことが多く 、課題となっている。
同社の装置では、巻き取った力を一定の速さで開放できる「定トルクぜんまいばね」を 採用。富山発祥の「らせん水車」でぜんまいばねを巻き、水流が不安定でもばねを巻く力 として活用でき、ばねが一定の速度で開放する力を、発電機の動力源にできる。
定トルクぜんまいは幅3センチ、直径20センチ。2個を連動させて、一方が力を開放 している間に、もう一方が水流の力を吸収することで、継続的に発電機に力を送ることが できる。
装置から得られる電力は30~50ワットで、小型の鳥獣被害対策用監視カメラや田ん ぼの街灯などを作動させることが可能。同程度の電力を一般の小水力発電装置で起こすに は最低、毎分500リットルの水流を必要とするが、同社の新装置は毎分100リットル の緩やかな水流で十分だという。
発案者の長谷川光一社長は「山岳地帯やへき地の定点観測カメラの電源や、被災地での クリーンエネルギーの一つとして活用したい」としている。
通学路の防犯灯や土石流・崩落危険地域の監視用装置、鳥獣害防止用鉄柵、観光用音声ガイド装置に用いる発電装置などが用途として想定されており、2年後の実用化を目指している。
東洋ゼンマイ(株)は創業80年余で、国内でも数少ないゼンマイメーカー。玩具で使用されているゼンマイでは世界市場の約30%を占める。ゼンマイ式の音声ガイド装置(観光案内マップ、観光望遠鏡など)といったユニークな製品も手掛けている。
東洋ゼンマイ(株)の長谷川光一社長は「構想から4年でようやくここまできました。ゼンマイ発電は安全でエコ。農業用水は水利権などの課題もありますが、水の流れる水路にポーンと装置を置き、簡単に発電を始められるようなものを目指したい。生活に身近なところでいえば、雨どいをつたう水の力で発電する装置の開発も夢の1つです」と話している。

▲ゼンマイ式小水力発電装置

ぜんまい式小水力発電装置を紹介する長谷川社長=黒部市内
問い合わせ
「農業用水を利用した小水力発電」について
●富山県農林水産部農村整備課
TEL.076-444-3377
FAX.076-444-3437
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1602/
「小水力発電技術開発促進モデル事業」について
●富山県商工労働部商工企画課 新産業科学技術班
TEL.076-444-3245
FAX.076-444-4401
http://www.pref.toyama.jp/cms_sec/1301/
「ゼンマイ式小水力発電装置」について
●東洋ゼンマイ(株)
TEL.0765-52-0208
FAX.0765-54-1329
http://www.zenmai.co.jp
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