横手のかまくらを後に、一路、六郷に向かった。
湧水で有名な町だ。
オーストラリアのテレビ局が、世界の危険な祭り第3位に選んだほどの "竹打ち"が
この夜に行われるのだ。
開始時刻8時の、一時間ちょっと前に着いた。
六郷は、あちこちに清水が湧いている。
物産館の一画に駐車した。
駐車場の向かいが、その集落の集合場所だった。
ヘルメットを被っているがフルフェイスではなく、身体を防御する服装でもない。
男たちに、痛くないかと尋ねてみた。
竹の先端の方は当たっても大したことがないが、
持ち手の近く、太い部分はやはり、痛いと言う。
大怪我をしても不思議ではない。
失明した人がいると聞いたこともある。
やはり、勇猛というより、危険極まりない。
会場の神社から光が伸びていた。
何度か来た六郷だけど、神社は始めてだ。
ライトアップされていて、
光の色で趣が変わる。
道中のランタンがきれいだった。
牛乳パックでできているという。
それぞれ異なって、繊細で美しかった。
開始を告げる花火が、何発も上がった。
さて……竹打ちについてコピペする。
豊作、安全、繁栄を祈る「年ごい」や、凶作や不幸な出来事を払う「悪魔祓い」、その年の吉凶を占う「年占い」が一つになった六郷ならではの行事で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
2月11日は、五色の短冊、天筆に願いごとを書き、翌12日に青竹に吊るして軒先に飾ります。
13日、14日には、屋根のない壁だけのかまくら「鳥追い小屋」の中で、「ホーイホイ」と「鳥追い唄」を歌って遊び、15日の夜、いよいよメインイベント「竹打ち祭り」を迎えます。
とのこと。
天筆が結びつけられた竹が、会場の周りの林立していた。
打ち手たちが集まった。
前に進み出て挑発する血気逸った者もいた。
始まった!
すさまじい。
竹を打ち合うだけで、
どうやって勝敗が決まるのか疑問だったが、
間もなく、スクラム状態になり、
陣地取りの様相になって、疑問が氷解した。
恐らく10分くらいで、1回戦終了。
折れた竹をどけ、新しい竹に持ち変えて
あと2回繰り返す。
2回戦が終わったところで、
神社の宮司が祝詞を捧げ、
中央に積まれていた 天筆の山に点火した。
始めに、地元の子どもたちが、
それぞれの願いを書いた天筆を燃やした。
炎が高く上がるほど、天に思いが届くという。
次は、観客の出番だった。
会場を囲んでいた天筆を、
誰もが焼いていいとのこと。
一本持って、参加した。
燃え盛る炎が冷えた身体を暖めてくれた。
いよいよ、3回戦。
しばらくして、
今年は引き分けと、神託が下った。
駐車場への帰路、
すぐ前に、打ち手の男たちがいて、
その内一人が、引き分けに憮然としていた。
勝つ気満々で、しっかり勝ち負けをつけて
スッキリしたかった思いが伝ってきた。
危険な祭りといえば、
スペインの牛追いや諏訪の御柱が思い浮かぶが、
竹という得物を手にして打ち合う分、
闘争心が前面に出ている。
良し悪しの論外。
伝統としか言い様がない。
受け継がれてほしいものだ。