「四十歳、未婚出産」 柿谷美雨 幻冬舎 2018.7.25
40歳を目の前にして思わぬ妊娠に揺れる、旅行代理店勤務の優子。
お腹の子の父親である28歳のイケメン部下、頭の古い田舎の母親、妊婦を「腹ボテ」と言うパワハラ上司、不妊治療に悩む同僚、若さを誇る美人女子社員……。
お腹はどんどん大きくなるけれど、本当のことはなかなか言えない。
子供を産む最初で最後のチャンスだけど、
このままシングルマザーになって、やっていけるのか?
幼なじみの同級生・凡庸の言葉が心強い。
ーー籍を入れるとか入れんとか、そんなん、そのうち笑い話になる日が来ると思うんじゃ。
ーー戸籍制度があるんは、世界でも日本と中国だけらしいぞ。中国は一人っ子政策の時代に二人目以降は役所に届けんかったから無戸籍の子がようけおるらしい。
幸い、社内規定に新しい方針が盛り込まれた。
時短勤務、保育園や介護施設が見つからない場合の休暇延長、勤務地の配慮、そして介護やパワハラ離職などにも配慮した内容に。
それが通ったのは、昨今の人材不足からくる危機意識によるのだろう。
いつの時代も、人手不足や欧米諸国からの圧力で日本政府は大きく舵を切る。
女性に対する人権意識から政治家や企業が自発的に動くことは決してない。
だよね~。