「日本の名著50 明治大正史 世相篇」 柳田国男 中央公論社 昭和49.5.30
民俗学講座を受講するために、図書館から借りたのだが……
なんたって、昭和の本は字が細かい。
しかも、二段組で内容がびっちり詰まってる!
老眼気味の目と回転の鈍い頭には、疲れるだけ (笑)
せいぜい小見出しや、たまたま目についたところをつまみ食い。
元々は1931年(昭和6年)に刊行されたもの。
普通の人ならだれもが経験したにちがいない、
日常の小さな事実を素材にして歴史を書こうとした点で、
新しい試みの書物だった。
「伝記式歴史」や「英雄」ばかり取り扱ってきた既成の史学に対する痛烈な批判を含んでいる
と言う。
ざっくり読んだ中にも、
なるほどと思えるところや、異議を唱えたい箇所などが散見。
深く学んで追求する気持ちはまったくない (^^;
ラストの文章を書いておこう。
一番大きな誤解は人間の痴愚軽慮、それに原因をもつ闘諍と窮苦とか、個々の偶然であって防止のできぬもののごとく、考えられて居ることではないかと思う。それは前代以来の未だ立証せられざる当て推量であった。われわれの考えて見たいくつかの世相は、人を不幸にする原因の社会にあることを教えた。すなわちわれわれは公民として病みかつ貧しいのであった。
うん、時代が移っても国民の意識は変わってないような……。