ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「おやすみラスマニノフ」

2018-06-24 07:21:19 | 

 

「おやすみラスマニノフ」 中山七里 宝島社 2010.10.26

 

秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励んでいた。

しかし完全密室で保管されていた、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれる。

脅迫状も届き、晶は心身ともに追い詰められていく。

さらに不可解なじけんが次々と起こり……。

 

晶はヴィルトゥオーソ科だ。

この言葉を初めて知った。

ヴィルトゥオーソというのは「音楽の名手」とか「芸術の技術に優れた人」を意味するイタリア語。

 

バイト先の店主が言う。

「失業率が高いのは必ずしも不景気のせいやない。給料の八割は我慢代だってことを知らん奴が増えたのもある」

 

晶に岬先生が言う。

「他人の罪を被ることは、本人に償う機会を失わせることだ。自己犠牲と言えば聞こえはいいけれど、自己陶酔になっている場合だってある。自己陶酔なんて前進できなくなった人間の逃げ道でしかない」

 

名声あるピアニスト、柘植は言う。

「モノを造り何事かを表現する者には頂点や終着点などない。あるのは通過点だけだ。しかし (略)」

 

ラスマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」、

パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第2番、第三楽章〈鐘のロンド〉」

パガニーニ〈二十四のカプリース〉

など、YouTubeで確認しながら読んだ。

いつも思うことだが、

作家さんは、音楽の表現力も素晴らしい。

 

 

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