「レジリエンスとは何か」 枝廣惇子 東洋経済新報社 2015.3.26
レジリエンスという言葉を知らなかった。
レジリエンスとは「しなやかな強さ」
強い風にも重い雪にも、ぽきっと折れることなく、しなってまた元の姿に戻る竹のように、
「何があってもまた立ち直れる力」
心理学の研究として最初に出てきたのは1999年。
そして、2000年以降、心理学におけるレジリエンスの論文が日本でも次々と発表されるようになった。
レジリエンスに結び付きやすい心理的特性は「精神的回復力」
「精神的回復力」は「新奇性追求:興味・関心が多様」「感情調整:自分の内的な感情をコントロールできる」「肯定的な未来志向」という三つの要素で成り立っている。
レジリエンスを育てる姿勢・心持ちや技術のパターンがハーディネス=ストレス状況をものともせずに頑健にがんばれる力。
ハーディネスとは、三つのC。
コミットメント・関わり、コントロール・制御、チャレンジ・挑戦。
三つのCによる勇気と意欲に加えて、問題をチャンスに変えようという「問題解決型の対処」と、周囲との関係を深めるための「支えの交流」という二つのスキルが必要となる。
「問題解決型の対処」でまず大切なことは、視野を広げること。
「支えの交流」とは、他者との間にある対立を認識・解消し、助け合い、励まし合うやりとりに変えていくこと。そのためには、人の話を聞き、コミュニケーションし、適切に行動する技術を学ぶ必要がある。
折れない心を育てるには、まず「元気」
その要素は、
自尊感情、感情の調整、欲求不満耐性、直接体験の積み重ね。
二つめは「しなやか」
そのためには、
楽観性・プラス思考、繋がる力、コミュニケーション能力。
三つめは「へこたれない」
そのためには、
ストレスマネジメント・合理的分析、立ち直れる自信と見通し、アイデンティティ、夢や目標・生きる意思。
"個"としてはもちろん、共同体・地域、社会としてのレジリエンスが必要で、
だからどうするのか、
子育てでも教育でも、なるほどと思うばかり。