ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「女のいない男たち」「紫の結び 二・三」

2014-06-17 10:10:43 | 
「女のいない男たち」 村上春樹  文藝春秋  2014.4.20

 「ドライブ・マイ・カー」

  舞台俳優・家福は女性ドライバーみさきを雇う。死んだ妻はなぜあの男と関係しなくては
  ならなかったのか。彼は少しずつみさきに語り始める。

  その男の言葉

   どれだけ理解し合っているはずの相手であれ、どれだけ愛している相手であれ、他人の心を
   そっくり覗き込むなんて、それはできない相談です。そんなことを求めても自分がつらくなる
   だけです。しかしそれが自分自身の心であれば、努力さえすれば、努力しただけしっかり
   覗き込むことはできるはずです。ですから結局のところ僕らがやななくちゃいならないのは、
   自分の心と上手に正直に折り合いをつけていくことじゃないでしょうか。本当に他人を見たいと
   望むのなら、自分自身を深くまっすぐ見つめるしかないんです。

  みさきが家福に言う。

   「奥さんはその人に、心なんて惹かれていなかったんじゃないですか」
   「だから寝たんです」

 「イエスタデイ」

  完璧な関西弁を使いこなす田園調布出身の同級生・木樽から、長年の付き合いがあるが彼女に
  なれない女性と付き合ってみないかと、奇妙な「文化交流」をもちかけられた。
  そして16年が過ぎた。

 「独立器官」

  友人の独身主義者・渡会医師が初めて恋に落ちた。命の犠牲とともに得たものはなんだったのか。

 「シェエラザード」

  陸の孤島である「ハウス」に閉じ込められた羽原は、「連絡係」の女が常時のあとに語る、
  魅惑的な話に翻弄される。

 「木野」

  妻に裏切られた木野は仕事を辞め、バーを始めた。ある時を境に、怪しい気配が店を包む。

 「女のいない男たち」

  ある夜半過ぎ、かつての恋人の夫から、悲報を告げる電話がかかってきた。

 全体的に、何ていったらいいのだろう・・・
 特に印象に残るわけでもないのに、独特の余韻がある。
 やはり、春樹ワールドとしか言いようがない(^^;
 

「紫の結び 二」 荻原規子 理論社 2013.12

「紫の結び 三」 荻原規子 理論社 2014.1

 源氏物語を最初に通読したのは中学三年生のときだった。
 なんと、原文で一年がかりだった。
 
 もちろんまだ、古文に馴染まなかったころだ。
 味わうどころではない。
 その前に読んだ簡約版を念頭に置きつつ、
 わからないながら、注釈の助けを借りてひたすら文字を追うだけだった。

 その後は2回。
 いつも途中で飽きてしまうが、どうにか通読した。
 
 荻原さんが、紫の上を中心に再構築して全三巻にまとめあげた源氏。
 面白さをいかに伝えるかという意気込みは感じる。
 
 それなりの体調のときにじっくり読むと、新たな発見があるのかもしれないが、
 今の状況では、通読もおぼつかなくて、読み流してしまった。
コメント
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