艦長日誌 補足(仮) 

タイトルは仮。そのときに思ったことを飲みながら書いたブログです。

難破船ペガサスの秘密

2008年05月28日 22時49分50秒 | 個人日誌
 たま~にレンタルビデオを借りに行くと、それとなくチラチラとは気になっていたのですが…。
 ああ、観たい。観たいけど、一度始めてしまったら、もうあとには戻れない。
 そう思って借りずにいたのですが。

 なにげにテレビをつけると…



 「では、丞相のもとを去るというのですか?!関羽どの!」
 「数々の御恩、忘れはせぬ。しかし張遼どの、拙者はやはり兄者のもとへと行く!」

 中国中央電子台の三国志実写版。やってましたね~、テレビ神奈川で。
 HPで調べてみると、4月23日から毎週水曜日20:00より全38話で放送。すでに途中とはいえ、これは観なければなりません。
 全38話って、週一放送で、今年いっぱいかかっても最終回までいかないんじゃあない?
 札幌に帰れなくなりました。

 そういうわけで、神奈川県在住のみなさん、毎週水曜日は録画予約を忘れずに。

 もはや、これを見逃したら次回の飲み会では会話が合わないくらいに考えてくださいw(会話合わなくて困るのは僕だけだろうけど)
 ダーキシのところはさすがに電波入らないだろうから、今度飲んだときには「実写版を観て、より強力になった僕の一人三国志語り」を堪能させてあげます。無理矢理。

 さっそく来週が楽しみですが、今日の物語の終盤で、第一の関所の孔秀に「いくら関羽将軍とはいえ、丞相の割符がなければお通しすることは敵わんですぞ~」とにニヤ~っとされて、対する関羽が雄叫びと共に青龍偃月刀を振り上げたところで、字幕が。
 「来週の放送はお休みさせていただきます」

 初回から引っ張るね~。

 関羽の吹き替えをやってるひとなのですが「この声どっかで聞いたことあるな~。誰だろう?」と記憶をまさぐったりしてみて、やっと思い出しました。

 ライカーじゃん!


 ウィリアム・T・ライカー。エンタープライズDの副長です。
 ジャン・リュック・ピカードが艦長に就任した際に、当時第○○宇宙基地に配属されていたライカーは、エンタープライズDの副長に大抜擢された。

 この写真の頃はまだ髭を生やしていない。TNGの第3シーズンくらいで髭を蓄えるようになったんだったかな?
 若いころのあだ名は「ベイビーフェイス少尉」。顔が幼かったから。本人はそれがイヤで貫禄をつけるために髭を生やしたと語っている。

 全然関係ないけど、僕は男のひとには「髪長いほうがいいよ」と言われるし、女のひとからは「短いほうがいい」と言われます。
 なのでいつも、髪を切りにいくと「それほど短くなく、いや、さっぱりめで。でも耳にはかるくかかるくらい」という、とても中途半端な要求をします。

 シリーズの終盤にあった話だと記憶してるのだけど。
 ライカーがピカードに「なぜ、艦長は私を副長に指名したんですか?」と尋ねます。

 不意な質問をされたピカードは、ライカーに向き直り、しっかりと相手の目を見て答えました。この質問が、悩みの中にある副長が、心から聞きたい問いであることを感じとったからです。
 「正直いうと、キミ以外にも副長候補は大勢いた。誰もが輝かしい成績を残しており、このエンタープライズに相応しい経歴の持ち主だったよ。キミ以外は」
 「たしかに私はあまり成績もいいほうではありませんでした。では、なぜ私を推薦してくれたんですか?」
 「誰もが評価されるべき優秀な仕官だったが、キミの経歴に中に目に留まるものがあった。それはキミが艦隊の仕官として始めて乗った艦でのある事件の記録だ」
 ピカードがなんの話をしようとしているか、それを理解したためにライカーは思わず顔を伏せた。
 しかし、ピカードは言葉を続けた。

 「キミは任務において、そのときの艦長が調査のための惑星降下を行うと命令した際に、それを固く拒んでいる。艦長命令だ。一下級仕官が逆らうことなど、軍法会議ものだ。まったくもってあり得ない」
 「…」
 「しかし、結果的にそのときの艦長が発した惑星降下という命令は無謀というべきほどの作戦であった。
 私はね、ウィル。艦長に意見をしたことをもちろん『正しい』として評価することはしない。しかしそれでも、なにが正しくて、なにが正しくないのかを、冷静に判断し、自分の意志で決断し、権力に逆らってでもその意志を貫き通したその気高い精神を…己の立場を捨ててでも、間違っているということを弾劾できるその精神を、私の艦に欲しいと思った」
 そこまでを口にしてしばし黙り込むピカード。うつむいたまま動かないライカー。

 艦長がなにを言わんとしているのか、ライカーには充分わかっていた。理解した。その信頼に応えていない自分を恥じて動けなかった。
 「…艦長、ありがとうございました」

 順番が逆になりましたが、このエピソードが一体どういう話だったかというところから説明しないと、この上の文章の意味がわかりませんね。すみません。

 いつものように星系の探索任務についていたエンタープライズに指令が入る。
 「行方不明になっている連邦艦ペガサスを見つけ出し、回収せよ」という指令。

 ペガサスという艦は、もう何年前に宇宙連邦所属の科学調査艦として任務にあたっていた。
 ロミュラン国境付近を航行中に艦はコントロールを失い漂流、生き残ったわずかな生存者が救出されたのみであった。
 艦そのものは、当時ロミュランとの関係が悪化していたために回収は断念され、行方知れずとなっていた。
 そのまま宇宙の藻屑となったのか、どこかに漂流しているのか、皆目検討もつかない状態であったのだが、たまたま今回エンタープライズが探索している領域で、その痕跡が確認されたのである。

 当時、生存したのはペガサスの下級仕官であった前述のライカー(エンタープライズの現副長)と、ペガサスの艦長プレスマン(現在の地位は提督)のみ。
 そのペガサスの元艦長が、エンタープライズにやってきて、ペガサス捜索の指揮にあたることとなった。
 今では提督とよばれるように、プレスマンは昇進しており、エンタープライズにやってきてからは、その職権をかさに勝手な指揮をとり、ピカード艦長やクルーを翻弄する。

 エンタープライズのクルーを半ば強引なやり方で捜索の任に当たらせながらも、ライカーにだけは「同じ艦での乗組員だった」という理由で、懇意にし、密談を行い、ペガサスの詳細情報をピカードに渡そうとしない提督。
 きな臭いものを感じながらもピカードは指示に従う。

 実は、当時ペガサスの艦内では連邦のごくごく少数の軍拡派の人間の命令により、極秘裏に行われていた実験があった。

 それは、遮蔽装置の実験でした。
 キトマー条約で「軍事的利用も含めた全ての遮蔽技術に関する開発をしない」と約された遮蔽装置。
 遮蔽技術は、艦を可視的にも、レーダーなどによる不可視においても発見されないように完全に隠してしまう、究極の隠れんぼ的アイテム。これを使えばどんなに敵の領域へ深く潜入しても、どんなに目の前を通過しようと、発見されることはない。
 これだけなら現代にもあるステルス技術のようなものだけど。遮蔽装置のすごさは、物質をエネルギーに変換することに極意がある。
 その変換の過程において、圧力や温度もお構いなしに、物質は物質を透過して、反対側へ突き抜けることも可能になる。
 わかりやすく言えば、人間が開かないドアを、普通に歩いて「すり抜ける」ことが可能になる。
 これを武装した艦に搭載すればどうなるか…!!

 今、この現代よりも遥かに文明の進んだ24世紀のお話、スタートレック。
 防御シールドをもち、フェイザー砲や光子魚雷、転送装置やホロデッキという科学の粋を極めた装備を持つ、華やかなエンタープライズなどの大型艦がクローズアップされがちですが、それでも文化や人類の中心地は、この科学の進んだ時代であろうと、多くのひとが住む地球型惑星です。
 ところが、このスタートレックの設定の中では、文明のある惑星であろうとも、装備は意外と脆弱なんですね。
 まぁ、住んでいるところなんかに物騒な兵器は持ち込みたくないし、配置もしたくないってのは、わかるんだけど。
 なので、例えば地球なんかも、その防衛の要は地球に配備された軍隊や武器、そこに駐留する艦船ではなくて、それらを取り囲むように配備された木星の衛星上の宇宙基地や、周辺を警備する艦隊にほぼ任せされている。クリンゴンやロミュランなどにおいても同様。
 (映画スタートレック<ファースト・コンタクト>においても、防御艦隊を蹴散らして地球までやって来た、たった一機のボーグ・スフィアによって人類は壊滅させられています。地球そのものには防衛力はほとんどない。まぁ、ボーグは強過ぎだし、壊滅には別の要素もあったんだけど、それはここでは端折るわ)

 故に、この遮蔽という技術は、その中心地へと誰にも悟られることなく一気に接近できる恐ろしいものであるし、仮にミサイルなんかに搭載すれば、惑星に着弾するまで誰にも気づかれない。どんな妨害もシールドも突き抜けてしまう恐ろしいものなんですね~。

 そんなタブーな装置の実験をしていたペガサス。しかし事実は、ペガサスの遭難とクルーの死亡により、永遠に闇に葬られたはずでした。

 ロミュランとの抗争、ボーグの襲来により、連邦は「より強力な兵器の開発」に迫られていました。たとえそれが人道的なものではなくても。艦隊の誓いを破るものであっても。

 そのためにプレスマン提督はペガサス探しという表向きの任務にかこつけて、なにも知らないピカードやエンタープライズのクルーを利用しようとしているのです。

 ただ、ライカーを除いて。
 ペガサスの生き残りのライカーは、そのときには少尉という地位でしたが、実験を知る数少ない人間です。
 今回の任務が、遮蔽装置を探し出し、その実験を完全なものにするということを、プレスマン提督から密かに打ち明けられたライカー副長。
 反発する気持ちを押し隠しながらも、上官である提督の命令に従います。

 なぜ、この非人道的な兵器開発へと繋がる作戦に、今ここにきてライカーは加担したのか?

 実は当時、遭難する直前のペガサスの中ではクーデターが起こっていたのです。
 「遮蔽装置の実験は間違っている!」という大多数のクルーが上官に反旗を翻し、艦の中では味方同士が相争う大規模な戦闘が勃発しました。
 叛乱です。
 プレスマン提督、当時のペガサスの艦長は、わずかな賛同者に守られて、反乱を起こしたクルーに対し抵抗。
 ライカーはまだまだ新米のペーペーでした。新入生の彼は、味方同士がフェイザーライフルで殺しあうという混乱極まる艦の中で、何を信じていいのか、わかりませんでした。
 彼の心にあったのは「上官の命令は絶対」だということ。

 最終的に、プレスマン艦長をクルーの攻撃から必死に守ったライカーは、ペガサスを捨てて脱出ポッドへと逃げ出します。
 激しい内部抗争でダメージを受けていたペガサスは、その直後に眩い閃光とともに姿を消しました。

 爆発し、その恐るべき兵器とともに消滅された考えられていたペガサスが、どこかに存在する。艦が存在するということは、禁断の遮蔽装置もどこかに存在する…。
 過去は、爆発とともに、反乱した多くのクルーの命とともに永遠に消え去ったと思っていたのに…。

 本来であればライカーは副長として、この事実をプレスマン提督から聞いて、知った直後にピカード艦長に報告するべきでした。
 だが、それはできない。
 言えば、自分の過去の過ちを、同僚を殺すことに加担し、間違った行いをしたことを、告白することになる。
 だから、ライカーは黙ってプレスマン提督の命令に従った。

 エンタープライズは、ペガサスの信号をキャッチします。その信号元は小惑星帯の中。しかも小惑星内部から発信されているようです。
 ピカード艦長の制止を無視して、ペガサスへと転送降下するプレスマン提督とライカー副長。
 ペガサスの艦内は、あの日のクーデターが起こったときのまま、消え去ったままの形を留め、時間を忘れたように完全な姿で小惑星の中にありました。

 脱出ポッドから見えた最後の閃光。あれは爆発などではなく、遮蔽装置が偶然にも起動し、艦が遮蔽に入り、消え去る瞬間の光だったのです。
 
 しかし、ペガサスの内部では生命維持のための環境制御コントロールは壊れ、戦闘で生き残ったクルーも全滅、無人のまま航行し、この小惑星帯へと漂流。ついに遮蔽装置も停止したときに小惑星内で実体化し、真空状態のまま、数年というときを越え、まるで損傷のないかのように保存されていたのです。(プレスマン提督とライカーが転送によって訪れる前に、エンタープライズからペガサスにエネルギーが補充され、環境維持システムは復旧しています)

 「見ろ!ライカー!遮蔽装置は無事だ!無傷だ!」
 歓喜の声をあげて機関室に残された遮蔽装置を撫で回すプレスマン提督。
 ライカーは、手すりに手をかけたまま下を向き、じっとなにかを考えています。

 ペガサスは、正確には、その遮蔽を小惑星内で解いたのではなく、小惑星内部の岩盤で解いていた。よって、艦の半分は岩の中で実体化しました。艦のおおよそ3分の2が、固い岩盤の中に存在する。
 「この岩の中に、どれだけのクルーの遺体が眠っているのか…」亡くなったクルーに思いを馳せ、若かったからとはいえ、自らの判断の間違いから死なせることになってしまった仲間のことを、ライカーは偲ばずにはいられませんでした。
 そして、ピカード艦長の言葉が頭を駆け巡ります。
 ライカーを意を決して顔を上げました。

 「やはり、この実験は行うべきじゃあなかった。間違っていたんだ!」顔を紅潮させ、そう叫んだライカーに、プレスマン提督は心底不思議そうに首を傾げます。
 「なにをいってるんだ?ライカー。今こうして遮蔽装置は我らの手に戻ったではないか。敵方の手に渡っていれば大変なことになっていたところだ」
 「あなたのほうこそ、なにを言ってるんです?!そんなもののために多くの命が失われ、誰にも知られることもなく、今までこうして孤独に宇宙を彷徨っていたんですよ!あなたの部下たちが!わたしの友人たちが!」 

 自分の意に動く忠実な部下だと思っていたライカーに面と向かって反抗されたプレスマン提督ですが、自らの威厳はそんなものでは崩れないというふうに
 「あのとき、私を守って反逆したクルーに銃を向けたライカー少尉の言葉とは思えんな」と、ことさら威厳を保って言い放ちます。
 「もし、あのときのことをやり直せるなら…提督、私はクルーにではなくあなたに銃を向けます」
 「…!」

 最後の最後で、自分の正しいと思うことを貫いたライカー。

 極秘の実験とは、条約に反した遮蔽技術開発の関するものであったこと、その過程において艦の中で仕官同士の争いが勃発し、クルーのほとんどが殺され、もしくは生き残ったものも見捨てられ、死して彷徨い、闇へと葬られたこと。
 ライカーは全ての真実をピカード艦長に告発し、プレスマン提督は拘束されました。

 しかし罪は消えません。

 ライカーのその昔の行為は、倫理にも正義の誓いにも反するものだった。事実は、たとえ時間が過ぎても消すことができない罪なのです。

 艦長室に呼び出されたライカーは、職を失い、副長の任を解かれることを覚悟していました。そしていずれは連行され、軍法会議にかけられ、罪は暴かれ、刑に服すことも。
 ピカードは、やはり言いました。「キミのしたことは許されることではない。上層部にも報告し、キミの処分を仰ぐことにした」
 「…もう、二度とあのときのようなことは…」
 「してもらっては困る!!キミが犯した過去の罪を今ここで言及するつもりはない!だが、それを隠匿し、今現在のこのエンタープライズのクルー全員の命を危険に晒した。その罪は決して軽くはないぞ!副長。沙汰があるまで自室で謹慎を命ずる」
 「申し訳ありませんでした、艦長。本当に…私は…」
 「話は以上だ。下がってよい」
 「…」

 あれ?最初は三国志の話だったのに。どこでどう間違ったのかな?
 そもそも関羽の声とライカーの声が同じ、ってことだって、それって日本語版の吹き替えの声優が同じってことだしね。
 大塚明夫さんというかたらしいですね。このひときっと有名なんですよね?いや、すみません。僕、俳優とか女優とかテレビに出てるひとってほとんど知らないんです。
 飲みながら「最近みたドラマの話」とかされてても、聞いてるようで全然わかってないから。
 この声優さんだけは、他にも海外ドラマや映画なんかでも吹き替えをものすごくやってますね。スネークもこのひとですね。「雷電!?返事をしろ!らいで~ん!!」それは違うか。

 ちなみにこのひと、セブンオブナインの声の女性と結婚しているそうな。

 
 夫婦でスタートレックごっことかできて、いいですね。