艦長日誌 補足(仮) 

タイトルは仮。そのときに思ったことを飲みながら書いたブログです。

どういうふうにそうさをはじめますか?

2008年01月18日 23時30分53秒 | 個人日誌
 なんか最近はひとつ流れを作ると、その流れのままズルズルと書き連ねることが多いな。今はなぜか「幸せ」について。ちょっと前は「言葉ってなんだ?」とか、もしくは三国志だったし、「恋ってやつはよ~」とか、シジマとか。

 朝が一番寒いです。風も強いし、なにより仕事に行きたくない気持ちが寒さを倍増させるよな~。
 会社近くまできたところで、信号待ちのパジェロミニから誰かがこっちに向かって手を振っている。「この皮ジャンは13年モノだぞ」とか思いながらよくよく目を凝らすと、つい最近営業部に移ってきた人間ではないか。
 「どしたの?今日休み? あ!?もしかして産まれた?!」
 「はい!無事に産まれました!」

 彼は僕の2コ下くらいで入社しばらくは事務系の仕事をしていた。当時はほとんど仕事上の絡みはなかったのだが、いつのまにか「最近どーよ?」なんて僕が馴れ馴れしく気楽な口をきくようになったので、それ以降なんだかよく話すようになった一人だ。腰痛もちって点で一致してるけどね。
 結婚したんですよ~なんて報告してきたときには、既に奥さんは妊娠していて(たしかそうだった気がする。間違ったらすまん)、昨日の時点で予定日はもう一週間も過ぎていた。
 心配する彼に「初産だからそんなもんだ」と適当なことを言ってた僕ですが、朝っぱらからこんな嬉しいニュースはないね。

 会社に到着すると、また別のひとが。
 こっちの彼は一昨年結婚式を挙げたやっぱり僕の2コ下の男なのだが、入社してすぐにいじめやすそうな気配を僕は感じたので、「最近どーよ?」と馴れ馴れしく気軽な口をきいて遊んでやってるそんなひと。
 彼はよくいつも休日に出勤をしているので、僕は「カミさんとケンカしたのかい?」と尋ねるのだが(ケンカしたことなど聞いたこともないし、勝手にいってるだけ)、その彼がマグカップになにやら透明な液体を入れて大事そうに抱えて歩いている。
 「なにそれ?お湯?」
 「白湯ですw」
 「そんなに金ないのか?あーそっか、もうすぐ新居も完成だもんな~」
 「節約しないといけないんで」
 来週には引渡しだそうで。2世帯住宅とのことだがこれは是非とも遊びに行ってムチャしたいものだ。

 かたや子供が産まれ、かたや新築を建てて、みんな僕のおかげで立派に成長したな~…と朝から思いました。

 あ~もう、寒いけど外回り行きますか!やだ。
 一件目のお客さんはあっという間に契約できなさそうな雰囲気醸し出したので、適当なとこで切り上げる。今日は午後から横浜に行かなきゃあならないけど、ずいぶんと時間が余ったので病院に行きました。
 外科。このまえ切ったとこを診てもらうため。薬も欲しいし。

 待合室でいいだけ寝ました。ようやく名前を呼ばれたのが13時前頃。次のアポは14時だけどだいじょうぶかな?

 「傷口が閉じかかってますね」
 「???」閉じちゃあダメなんですか。
 なんでも今はまだ中にある膿だかが全部出ていないので、ガーゼを傷口に詰めてわざと回復を遅らせていたらしい。そりゃあ痛いわ。
 つーわけで、また傷口を開いてグイグイとされました。神はいないのか。

 治療を終え、会計に呼ばれるのをウロウロしながら待っていると、カウンターの前でじいさんが一人、そこの職員に向かってなにか文句を言っている。やれ、カード払いができないなんておかしいとか、この病院は手続きに時間がかかりすぎだ、とか。オマエのせいで俺の手続きが遅れてんだよ。
 このじいさん、僕が待合室でいい夢見ているときにも「ちょっとタバコを吸いに行ってくるから、あとどのくらいで順番が来るか教えてくれ」と職員に尋ねて「8番目です」と言われると「そんなに待てるか!」とアホヅラこいてのたまってたんだよな~。
 自分の発した質問の答えがまっとうに返ってきても、それが気に入らなければまっとうな対応ができずに癇癪を起こすだけの、最早この世にいていい生物じゃあないなって思われてるぞ、この待合室のみんなに。

 このじいさんはどんな人生を歩んできたんだろう?と考えた。
 どんな青春を送ったんだろう?戦争には行ったのかな?家族はいるのかな?孫はいるのか?いるならその顔はかわいいものじゃあないのか?奥さんとの関係は良好なのか?この歳になって親友と呼べる人間は周りにいるのか?もう亡くなってしまったのか?毎日食べるご飯をおいしと思って食べているのか?この冬の寒さを感じる心は持ち合わせているのか?

 僕の周りにはたくさんの幸せなひとがいるぞ。みんな僕に「こんなことがありました。こんな楽しいことが。こんな素敵なことが」って笑顔で話してくる。
 だが、じいさん、あんたに分け与えられるほどの幸せはもってないな。自分で探せ。その歳になっても周りの幸せに気づかないなんて、そんな人間はひとと話をする権利すらないんだぞ。一人で喋ってろ。誰の邪魔もしないように。
 ホントはいるんだぞ、あんたの周りにも。だけど、それに気がつかないなんてさ、自ら楽しみ奪ってるだけさ。こんな若輩者が意見するのもなんだけどよ~。

 一人でいれば毎日なんか単調なはずなんだけど、自分を中心としたときに確実にこんな狭い人間関係のなかでもめまぐるしい速さで物事は動いていて、単調なくせに忙しくて余裕はないとか言ってるから、それに気づかないことが多いけど。
 その動きの中で、こっちに行っては「おめでとう!」と祝福し、あっちに行っては一緒にお酒を飲み、かたやこっちでは「わかるよ、それも」とお互いが慰め合い、ときにはお互い黙っていても。


写真は本文とあまりにも関係ありません。