ジムのスタジオ内でぐるぐる回る
練習をしているときだ。
最近よく話しかけてくる
おっちゃんがいてる。
あーだこーだと話しかけながら、
目が回ると言っているが、
練習続けてやとか言いながら
いろいろと話しかけてくる。
そんなジムに来ているおっちゃんが、
「あのなあ、18切符でどこかに
遊びに行かへんか」と誘ってきた。
聞けばどうも安売りの切符屋さんで、
三回権利の残った18切符を
激安で買ったんだそうだ。
これを使って一回はdoironと行き、
残りは自分んで試してみよう
と思ったそうだ。
もちろんその人にとっては
18切符は初めてなんだそうだ。
その人が、自分なりに色々考えて、
最初目的地にしていたのは
広島県の「呉」でした。
しかしここに18切符で行くとなると、
向こうでの滞在時間を考えたら、
始発に乗って、夜の11時頃に
帰宅というハードスケジュールになる。
しかも大阪駅で乗り換えのために
走らなきゃいけないんだそうだ。
う~ん、どうなんだろう。
これはかなりハードに見える。
もちろんトイレの位置とか
確認もしてないだろうから、
慌てふためくことにならないか
少し心配である。
18切符といってもそれだけ
制限があるとしんどいで
と言ってたら、だったら
「舞鶴なんかどうやろと」と言ってきた。
いろいろと計画を繰り返し
行っているようだ。
ま、それだけいろいろと
検討してくれているのだから
大丈夫だろうという事で、
舞鶴で話を進めていくことにした。
ありがたいことだ。
だったらいつにしようかと
話は進んでいったわけだ。
「舞鶴に行って、艦船を見て回る船に
乗りたいので、それが休みの日は
さけましょう。」と提案があり、
それならジムも休みの方が
いいだろうと日程が決まり、
いよいよ当日の朝がやってきたのである。
集合は和泉府中に5時半である。
天気も悪くないですね。
どちらかと言えば暑いかもしれません。
府中の駅で、18切符に
ハンコを二つ付いて、
さあでは長い電車の一日が始まります。
大阪駅で酎ハイと小さなつまみを一本買って、
福知山線に乗り込みます。
福知山線と言えば、
見どころは二か所。
何年か前に歩いた、
旧福知山線の武庫川沿いの
廃線跡の更新部分だ。
あの廃線はよかったなあ。
6つのトンネルに3つの橋。
きれいな渓谷沿いに旧線の遺物を
見ながら歩く5キロくらいの道は、
情緒たっぷりでした。
あの渓谷沿いの道が
変わったところって
どんなところかなあと
思っていたのです。
どんどん進んでいきますと、
渓谷もなにも見えない
トンネルと山中の道でしたね。
そしてもう一つが、
2005年の4月に起きた
あの100人以上がなくなった
脱線事故の現場です。
確か上り線だったので、
電車の右側に見えてきます。
あまりに突然に表れたので
じっくりは見えませんでしたが、
屋根のある広場がマンションの横に
設けられていました。
あの時の印象は忘れられません。
そんな現場の横をのんきなおっさんの
乗った電車はプワーンと
走り抜けていくのでした。
田舎方面に進んでいけばいくほど、
電車の乗客は少なくなってきます。
もうかなり席の開いた
状態になりましたので、
まずは酎ハイで18切符と
田舎の景色に乾杯です。
青春18きっぷなんて
名前がついているのに、
おっさん二人は青春どころか
こてこてですね。
そうやあ。
18切符なんて名前じゃなくて、
「高齢こてこて切符」とかも
売り出したらいいのにね。
なあんていいながら、
途中「柏原(かいばら)」とか
かつて歩いた地域の駅なんかも
過ぎてゆきます。
続く