『商道』の主人公、林尚沃(イム・サンオク)は実在の人物だった。
1779年に生まれ、1855年没。
本貫は全州、字は景若、号は稼圃と言う。
中国国境に近い義州に生まれ、天性の商業手腕と「財上平如水 人中直似衡(財物の平等は水の如く、人の正しさは秤に似る)」を座右の銘に、人徳ある商いの道を進み、朝鮮一の商人となった。
座右の銘にあるように、富を独占する事無く重税や飢饉の為、貧窮にあえぐ民衆を救う為に使った。
飢饉が続き、朝廷からの救恤米(キュウジツマイ/飢民救済の為に配給された米)も底をつく様な米不足から、市場の米価格の暴騰する。
流民たちに施すだけでなく、サンオクは買上げた米を通常の原価で売り、市場の安定化も図った。
後年ときの王、純祖(スンジョ)はその功労を愛で、両班ではないサンオクを周囲の反対を押し切って、1832年(純祖32年)郭山(クァクサン)郡守、更に1835年亀城(クソン)府使に抜擢する。
日本では第11代将軍、徳川家斉の時代。
清国では阿片が蔓延し、1840年には「阿片戦争」が勃発する。
阿片中毒の唯一の特効薬とされた朝鮮の「人参」。
『チャングム』でウンベク先生が済州島(チェジュド)作ってた「紅蔘(ホンサム)」が、外皮を取り除き陰干しした「白蔘(ペクサム)」より、効能も高く、長期保存にも適していた。
6年根を使った紅蔘が「天蔘」と言われ、一級品だった。
ちなみにウンベク先生役のメン・サンフンは松商(ソンサン)の行首(ヘンス)ファン・デホ役で出演w
権力への癒着、手段を選ばない金儲けの道を進んでいく松商にあって、それを批難する松商大房(テバン)の娘、パク・ダニョンに従い、補佐していく。
サンオクは訳官を目指したほどの語学力と商才で、中国薬材商の談合に打ち勝ち、人参貿易で巨万の富を得た。
当時の商界は、都、漢陽(ハニャン)中心に勢力を持つ「京商(キョンサン)」
開城(ケソン)の「松商」、平壌(ピョンヤン)の「柳商(ウサン)」、東來(プサン=釜山)の「来商(ネサン)」そして義州の「湾商」などで構成されていた。
京商は「人参貿易権」、湾商は「国境貿易権」を取得していた。
後市貿易(密貿易)を禁じていた李王朝にあって、利を生み出すこの貿易権は垂涎の権利だったのだろう。
勢力拡大を狙う松商がまず、湾商潰しに掛かったのもこの為だった。
その策謀で湾商が解散する事になった際、湾商ホン都房(ドバン)は書記(ソギ)のサンオクの身柄を女ながら火酒をあおり、部下の失態に鉄拳を振るうと言う女丈夫、柳商の大行首(テヘンス)、ウ・ヨランに預ける。
柳商は行商団を率いてた。
その過酷な行商団に加わりながらも、サンオクの商才は発揮され、ヨランの信頼を得る。
後にサンオクの湾商再興の時には、ヨラン率いる柳商も協力していく。
個人的な入出国が禁じられていたので、各商団は朝廷が清国に送る使節団に随行して商売を行った。
その際、各商団から参加申込みを受け、朝廷が入札のように審査し、参加商団と商団毎の取引物量を決定した。
サンオクが巨万の富を得た交易では、開城の松商、漢陽の京賞、平壌の柳商と共に義州湾商として人参貿易権を得て、1821年、朝廷の弁誣使使節団に随行時によるものだった。
清国では上記の通り、阿片中毒の唯一の治療薬として高麗人参の需要は高まっていたにもかかわらず、薬材商同盟の談合に阻まれてしまう。
他商団が仕方なく原価割れの安値で売り急ぐ中、将来の為にも人参の価値を下げてはならないとサンオクは買い支える。
提携している柳商のヨランもこの状況に激しく動揺するが、サンオクは黙して語らず・・・
現地での情報も集めつつ、自らの命を懸け「不当な取引をするくらいなら燃やしてしまう方がましだ。」と商品の人参を次々と燃やす派手なパフォーマンスを演じのけ、莫大な財貨を稼いだのだった。
サンオクもチャングム同様、何度となく投獄されるし、一時は官にも・・・
波乱万丈の人生の中で、人との出会いは良縁悪縁として結びついていく。
湾商を大行首キム・ドゥガンに託し、晩年は貧民救済と詩酒で余生を送ったと言われるサンオク、『稼圃集』『寂中日記』の詩集が残っている。
寂中・・・沈思黙考型のサンオク、意を決するとその行動は迅速果敢であったからこそ大成したのだろうけれど、孤高の人だったのだろう。
関連記事:視聴完走
1779年に生まれ、1855年没。
本貫は全州、字は景若、号は稼圃と言う。
中国国境に近い義州に生まれ、天性の商業手腕と「財上平如水 人中直似衡(財物の平等は水の如く、人の正しさは秤に似る)」を座右の銘に、人徳ある商いの道を進み、朝鮮一の商人となった。
座右の銘にあるように、富を独占する事無く重税や飢饉の為、貧窮にあえぐ民衆を救う為に使った。
飢饉が続き、朝廷からの救恤米(キュウジツマイ/飢民救済の為に配給された米)も底をつく様な米不足から、市場の米価格の暴騰する。
流民たちに施すだけでなく、サンオクは買上げた米を通常の原価で売り、市場の安定化も図った。
後年ときの王、純祖(スンジョ)はその功労を愛で、両班ではないサンオクを周囲の反対を押し切って、1832年(純祖32年)郭山(クァクサン)郡守、更に1835年亀城(クソン)府使に抜擢する。
日本では第11代将軍、徳川家斉の時代。
清国では阿片が蔓延し、1840年には「阿片戦争」が勃発する。
阿片中毒の唯一の特効薬とされた朝鮮の「人参」。
『チャングム』でウンベク先生が済州島(チェジュド)作ってた「紅蔘(ホンサム)」が、外皮を取り除き陰干しした「白蔘(ペクサム)」より、効能も高く、長期保存にも適していた。
6年根を使った紅蔘が「天蔘」と言われ、一級品だった。
ちなみにウンベク先生役のメン・サンフンは松商(ソンサン)の行首(ヘンス)ファン・デホ役で出演w
権力への癒着、手段を選ばない金儲けの道を進んでいく松商にあって、それを批難する松商大房(テバン)の娘、パク・ダニョンに従い、補佐していく。
サンオクは訳官を目指したほどの語学力と商才で、中国薬材商の談合に打ち勝ち、人参貿易で巨万の富を得た。
当時の商界は、都、漢陽(ハニャン)中心に勢力を持つ「京商(キョンサン)」
開城(ケソン)の「松商」、平壌(ピョンヤン)の「柳商(ウサン)」、東來(プサン=釜山)の「来商(ネサン)」そして義州の「湾商」などで構成されていた。
京商は「人参貿易権」、湾商は「国境貿易権」を取得していた。
後市貿易(密貿易)を禁じていた李王朝にあって、利を生み出すこの貿易権は垂涎の権利だったのだろう。
勢力拡大を狙う松商がまず、湾商潰しに掛かったのもこの為だった。
その策謀で湾商が解散する事になった際、湾商ホン都房(ドバン)は書記(ソギ)のサンオクの身柄を女ながら火酒をあおり、部下の失態に鉄拳を振るうと言う女丈夫、柳商の大行首(テヘンス)、ウ・ヨランに預ける。
柳商は行商団を率いてた。
その過酷な行商団に加わりながらも、サンオクの商才は発揮され、ヨランの信頼を得る。
後にサンオクの湾商再興の時には、ヨラン率いる柳商も協力していく。
個人的な入出国が禁じられていたので、各商団は朝廷が清国に送る使節団に随行して商売を行った。
その際、各商団から参加申込みを受け、朝廷が入札のように審査し、参加商団と商団毎の取引物量を決定した。
サンオクが巨万の富を得た交易では、開城の松商、漢陽の京賞、平壌の柳商と共に義州湾商として人参貿易権を得て、1821年、朝廷の弁誣使使節団に随行時によるものだった。
清国では上記の通り、阿片中毒の唯一の治療薬として高麗人参の需要は高まっていたにもかかわらず、薬材商同盟の談合に阻まれてしまう。
他商団が仕方なく原価割れの安値で売り急ぐ中、将来の為にも人参の価値を下げてはならないとサンオクは買い支える。
提携している柳商のヨランもこの状況に激しく動揺するが、サンオクは黙して語らず・・・
現地での情報も集めつつ、自らの命を懸け「不当な取引をするくらいなら燃やしてしまう方がましだ。」と商品の人参を次々と燃やす派手なパフォーマンスを演じのけ、莫大な財貨を稼いだのだった。
サンオクもチャングム同様、何度となく投獄されるし、一時は官にも・・・
波乱万丈の人生の中で、人との出会いは良縁悪縁として結びついていく。
湾商を大行首キム・ドゥガンに託し、晩年は貧民救済と詩酒で余生を送ったと言われるサンオク、『稼圃集』『寂中日記』の詩集が残っている。
寂中・・・沈思黙考型のサンオク、意を決するとその行動は迅速果敢であったからこそ大成したのだろうけれど、孤高の人だったのだろう。
関連記事:視聴完走
『商道(サンド)』は、ちょうど去年のゴールデン・ウィークに短期集中でDVDを視聴しましたw
松商の存在はともかく、その娘タニョンが実在の人物かどうかまでは、調べなかったです・・・ミアネ~
サンオクは実在の人物ですから、タニョンのような女性の存在がいたのかもしれませんし、ドラマ(原作の小説)の上で盛り込まれたのかもしれません。
実在の韓国の財閥企業「三星(サムスン)グループ」創始者:李秉(イ・ビョンチョル)と「現代(ヒョンデ)グループ」の創始者:鄭周永(チョン・ジュヨン)をそれぞれモデルにした『英雄時代』と百済を舞台にした『薯童謡(ソドンヨ)』を並行視聴してるんですか?
すごいです!!
共に秀作なのでキープはしてあるのですが、なにせ長編ドラマなので、私は貯め込んだまま、まだ視聴完走してません(^-^;)
また、遊びに来て下さいね!
「チャングムの誓い」から始まり、母が韓国時代劇に嵌ったので、ちらちら見てたら自分も嵌ってしまいました(笑) 商道は今回見るのが二回目で、今まで気づかなかった大事な言葉を目にしました。昨今の日本に「商いは金を稼ぐ事ではない、人を稼ぐ事だ」と言う言葉の意味ををわかって欲しいと思う今日この頃です。最後に何故か韓国時代劇は最後の方の話が急にスピードアップしますね苦笑どうにかならんものでしょうか・・・。
私も『大長今』から、韓国時代劇を視聴するようになりました。
元々、歴史が好きな事もありますが…ドラマの時代設定を調べておくと、一層興味深いです。
60~80話ほどの長いドラマが多い上、韓ドラは視聴者の反応でシナリオ変更もまれでないので、ちりばめた伏線が予想より膨らんだり、立ち消えたり…(笑)
それをまとめていくので、致し方ないのかも(^_^;)
広げた風呂敷をキュッと結ばなきゃ、終われないからね!