もともとは、毎日新聞連載の日々のエッセイ「楽あれば苦あり」。
エッセイ集の題は「老犬ラブとの、散歩のひととき」から来ている。連載時の仮題よりも、一冊感がひとしお。
作家業の合間の些末な日常の一コマを綴っている。散歩の前に「本を置いて/ペンを置いて」とでもなるか。
小川洋子さんは
『博士の愛した数式』の原作者というより
メロディアスライブラリーの
語り口が柔らかなんだけれどとても深い洞察の人。
初めて手にした、彼女の本。
だけど、手を伸ばしてもはるかに届かない現実離れした人でなくて、
機械音痴で土いじりが好きで、日々の悲喜こもごも素朴なギモンも
共感できる親近感に妙に安心した。
母親の買い物の一コマがあった。
デパートからなかなか帰らないので幼い私(洋子さん)はしびれを切らしたとある。
ほかの女の人なら、「結局、自分らの(買い物の)弁護だろうが」とツッコミ入れるが、
家事に追われた田舎の人の、それがささやかな楽しみだったなと振り返る。
「なるほど」さすが洋子さん、そこらのオバハンとはひと味違う。
共感と尊敬が、ごちゃまぜになった一冊。
エッセイ集の題は「老犬ラブとの、散歩のひととき」から来ている。連載時の仮題よりも、一冊感がひとしお。
作家業の合間の些末な日常の一コマを綴っている。散歩の前に「本を置いて/ペンを置いて」とでもなるか。
とにかく散歩いたしましょう | |
クリエーター情報なし | |
毎日新聞社 |
小川洋子さんは
『博士の愛した数式』の原作者というより
メロディアスライブラリーの
語り口が柔らかなんだけれどとても深い洞察の人。
初めて手にした、彼女の本。
だけど、手を伸ばしてもはるかに届かない現実離れした人でなくて、
機械音痴で土いじりが好きで、日々の悲喜こもごも素朴なギモンも
共感できる親近感に妙に安心した。
母親の買い物の一コマがあった。
デパートからなかなか帰らないので幼い私(洋子さん)はしびれを切らしたとある。
ほかの女の人なら、「結局、自分らの(買い物の)弁護だろうが」とツッコミ入れるが、
家事に追われた田舎の人の、それがささやかな楽しみだったなと振り返る。
「なるほど」さすが洋子さん、そこらのオバハンとはひと味違う。
共感と尊敬が、ごちゃまぜになった一冊。