かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の歌の鑑賞  47、48

2020-08-05 16:29:53 | 短歌の鑑賞
  ブログ版清見糺研究      モロッコ紀行
      参加者:田村広志、寺戸和子、金子田鶴子、T・H、鹿取未放 
      まとめ:鹿取未放      


47 みじかくもながくも見える時の影曳いてスカラベ過ぎゆかんとす
             「かりん」97年2月号 
              
★上句はうまいとらえ方。スカラベの心理状態、虫が生きている土地の生活感が出ている。
  生命の長さ、短さ、虫と旅人との生命の交歓。哀愁がある。(田村)

48 何もないサハラに生まれ存在のたいくつなどは知らぬスカラベ
             「かりん」97年2月号

★「存在のたいくつ」の部分、やや知的なものが表に出すぎたか?(田村)

 サハラの語源は「何もない」だという。この歌、ただのたいくつではなく「存在のたいくつ」というところがポイント。作者はこのスカラベにいたく興味をもったらしく、モロッコの大使館にまで手紙を出して、問い合わせていた。確か返事がフランス語で来て、訳したような記憶がある。(鹿取)



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