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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 169、170 ネパール⑦

2025-05-10 09:36:21 | 短歌の鑑賞

   

絵はがきのポインセチア、ポカラのフェワ湖、山はマチャピュチャレ

 

2025年度版 馬場あき子の外国詠 21(2009年9月実施)
    【牛】『ゆふがほの家』(2006年刊)94頁~
    参加者:S・S、曽我亮子、藤本満須子、
             T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:曽我 亮子    司会とまとめ:鹿取 未放    
          

 

169 知らざりきポインセチアは巨木にてネパールに来ればいづこにも立つ


              (レポート)
 「知らざりき」と初句にもってこられたことで、本当に驚かれたご様子が実感されます。(曽我)

 

             (まとめ)
 「知らざりき」という強い初句切れの歌であるが、明るい驚きを表していて効果的である。貧しい民衆の暮らしを描いた後に突如緊張のほどけた内容になっており、連作を活かした歌の置き方である。本当にポインセチアは身の丈を超す巨木で、ヒマラヤの白い高峰を遠景において赤い葉を輝かせていたのだった。(鹿取)  

      

170 赤葉をかがやかせ立つ陽の巨木生(せい)はむさぼるべしポインセチアよ


               (レポート)
 太陽に輝くポインセチアの美しさと活力を、驚きと共に心より愛でられ応援されている。そして素朴で禁欲的なネパールの人々にも「ぜひ、ポインセチアのように元気で自由に生きられよ」と力づけていられるように思いました。(曽我)

 

              (まとめ)
 「生はむさぼるべし」は、むしろ自分自身を鼓舞している言葉なのだろう。4句め9音と破調だが、それだけ思いが深く、長い嘆息のようでもある。(鹿取)
                     


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