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かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 11 アフリカ①

2023-06-23 13:59:51 | 短歌の鑑賞
 2023年度版 馬場あき子の外国詠2(2007年11月実施)
    【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P155~
     参加者:崎尾廣子、T・S、N・T、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:崎尾 廣子  司会とまとめ:鹿取 未放
  

11 不愛なる赤砂(せきしや)の地平ゆめにさへ恋しからねどアトラスを越ゆ

      (まとめ)
 「ゆめにさへ恋しからねど」は、逆説であろう。ただ、砂漠の方は人間を拒絶しているかもしれない。人間や文明が踏み込むことを許さない、侵してはならない自然というものがあるのかもしれない。それでも〈教育された感情の方向から未開の感情の深み〉(辻まこと)を求めて人間は沙漠に踏み入るのである。
 朝日新聞の吟行の旅で馬場はアフリカを訪れているが、おそらく馬場の行きたい土地だったのだろう。「不愛なる赤砂の地平」に大いなる興味を持って高いアトラスを越えて沙漠を目指すのである。ちなみにアトラス山脈の最高峰はモロッコのツブカル山(4,167m)であるが、同行者の話によるとこの旅の一行が越えたのはティシカ峠(2,260m・ティシカは羊飼いの意)のルートだったそうだ。 (鹿取)


      (レポート)(小学館 言泉より)
*アトラス:ギリシャ神話の巨人神。オリンポスの神々と争って敗れ、その罰として両
      手で天を支えることを命じられた。
*アトラス山脈:アフリカの北西部の海岸と平行に走る褶曲山脈。褶曲とは地層が波の
        ように湾 曲している状態をいう。



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